イタリアの滞在許可証「Permesso di Soggiorno」の申請について(1)
Buongiorno!
こんにちは、タケディーナです。
今回は、イタリアでの90日以上の長期滞在に必要な滞在許可証(いわゆるVISAですね)、「滞在許可証: Permesso di soggiorno(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ)」についてのお話です。
こイタリアにお住まい、または、長期滞在経験のある方は、この
「ぺルメッソ・ディ・ソッジョルノ(Permesso di soggiorno)」
という単語を聞いただけで、「あ〜〜〜…」と、苦く辛い気持ちになる方も多いのではないかと思います。
このタケディーナも苦い思いをしております。
私のペルメッソ申請についてのお話は、そこそこロングストーリーです。
おそらく、数回に分けての掲載になりそうです。
イタリアで市に対して裁判したりとか、他の人たちが体験していないような状況となりました。
自分で言うのもなんですが、結構、特殊だと思います。
今回はその序章的なものです。
ご興味がある方は、よろしければお付き合いください。
序
このペルメッソの申請、大体の方が、一筋縄では行かないのではないでしょうか。
ネットで検索しても、「大変」と言う文字をよく目にする理由が今では理解できます。
しかしイタリア国籍ではない外国人の私は、イタリアに住む為には避けては通れない道。
この作業をしていると、自分は外国人ということをとても実感する次第です。
しかも、ルールがあるようなないようなタリアです。
イタリアに住む以上、この「あるようなないようなルール」に従わなくてはいけません。
日本でもルールは守るのは当然ですが、
海外にで住むにあたっても、国のルールを尊重するのは同じことです。
極端な言い方をすると、その国の法に文句があって従えないならば、その国に住まなくていいんですから。
それは、イタリアだけでなく、日本だってどの国も同様だと思います。
実際に日本を離れてみて、「外国人として海外に住む」ということは、どういうことかを実感しています。
今まで日本に日本国民として住んでいたので、考えたことがなかったわけです。
日本にて日本国民でいれば、なんだかんだ、国が守ってくれます。
しかし、海外では、国のサポートはほぼ皆無です。
日本に住んでないから、それは当たり前かもしれませんね。
そして、日本は世界最強のパスポートと呼ばれていますよね。
世界最強パスポート=ビザなしで旅行に行ける国が最多。
ってことです。
これは、日本が世界からどれだけ信頼されているかの証なのです。
海外にVISAなしで行けることが多く、普段VISAに関わる機会が少ないと思います。
普通に過ごしている場合、他の国の人たちに比べると、ちょっと疎いのかもしれません。
どれだけVISAが重要なのか、という感覚が。
ちょっと厳しいこと言っているかもしれませんが、実際、自分も疎かったのです。
(あくまで私個人の見解ですが)
***
簡単にご説明:
「滞在許可証: Permesso di soggiorno(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ)」
最初にお伝えした通り、90日以上滞在する、長期滞在者が申請するものになります。
90日以内はビザなし(観光)で滞在できます。
滞在許可証には留学、就労、家族など、色々な種類があるのですが
私の場合は、イタリア人との婚姻で滞在する、いわゆる家族ビザ(motivi familiari)になります。
これを取得できれば、働くことができる権利も同様に貰えます。
滞在許可証、手続きの流れとしては、概ね以下です。
1)Permesso di soggiorno の提出キット(申請用紙)を郵便局でもらう。
(イタリアでは申請や支払い等、郵便局で行えることがよくある)
2)提出用キットに必要事項を記入して、必要書類を揃え、郵便局へ持って行く。ここで、どのタイプ(留学、家族、など)のビザを申請するのか選びます。
3)郵便局で内容を確認してくれて、そのまま警察へ郵送してくれる。この際、許可証のための料金を支払い、レシート(半券)をもらいます。
4)レシート(半券)は大切に保管。
ペラッペラのレシートが、原本が届くまで、滞在許可証を申請中である証明になるからです。これがあれば、一応、滞在できる権利を得られるという感じです。
5)警察(Questuraクエストゥーラ)へ出向く日程(アポイント)をもらう。
日程も時間も全て指定です。何があろうと、その日に行かなくてはいけません。
これは、申請する市によって郵便局で日程をくれることもあれば、後から手紙でくる場合もある。私の場合は後日郵送のお手紙でした。
6)指定の日程に警察へ行き、資料提出と指紋採取。これがまたかなり厳しい。
7)6が無事に終われば、1ヶ月後くらいに原本が出来上がるので、お知らせが来たら、取りに行く。
(実際に警察(クエストゥーラ)に行くまでの日程(No.6)がとにかく長いのです。)
留学とおそらく就労の場合もだと思いますが、滞在許可証はイタリア到着日から8日以内に警察署(クエストゥーラ)に申請しなければなりません。
私の場合は、ビザなし(観光)で入り、結婚の手続きが終わってから、家族ビザの手続きです。
しかも、イタリアでの婚姻の場合は、結婚の手続きから、このペルメまで90日以内に終わらせなければなりません。
結構大忙しです。
イタリアは、EUの中でも手続きが遅いで有名。
しかも言っていることも人によって変わることもある。
今日はまだ書類用意できてないから、また明日来て、と言われることもある。
日本みたいな、全国統一ルールなんてものもなく、市でルールが違う。
だから、絶対に、市に直接確認しなくてはならない。
確認しても、行ってみたら、実際は違かったとか、追加で別の資料が必要とか、この資料じゃだめとか、日常茶飯事。
こちらも、夫を連れて行かないとイタリア語がわからないので、毎日動けるわけではない。
アポが取れない時もあれば、この日に来て、と日にち指定で呼び出されたり。
スケジュールの面でも思い通りにはいきません。
鬼門です。
(留学できている人たちは、最後まで原本をもらえず帰国する人も多くいるようです。)
それに、この滞在許可証が無いと、納税者番号(Codice Fiscale)、住民登録(Dichiarazione di Residenza)、健康保険証(Tessera sanitaria)などの登録ができないわけです。
納税者番号がないと、仕事もできなければ、銀行開設もできない。
全て、滞在許可証(Permesso di soggiorno)に紐づけられてるのです。
また、原本がない申請中の半券だけですと、シェンゲン領域内の移動ができないのです(乗り継ぎもNG)。
これはシェンゲン条約で決まっていることです。
***
私の場合
私の場合は少々特殊な段取りとなりました。
だからこそ記録に残そうと、こうしてnoteに綴っている今日です。
結婚の手続きから、申請するまでは良かったのです。
なんとか、予定以内にできました。
申請してから来た警察署への出向く指紋採取のアポがなんと、ほぼ「1年4ヶ月後」でした。
2020年1月に申請して、2021年4月です。
私は目を疑いました。年号が違うのでは??と。
これは、長すぎると思って、夫にもみてもらって、サイトでも確認しました。やっぱり、2021年。
15年以上イタリアに住んでいる日本人の方に話したところ、今まで聞いた中で、最長記録だと言っていました。
無駄に記録保持者になりました。
1年以上も何もできないの?
保険はどうするん!?
働けなくてどうするん!?
日本に帰る??(シェンゲン領域を使わなければ帰国可)
と色んな議論が繰り広げられました。
そんなこんなですぐ、コロナ騒動。
全てクローズ。
やがて、全てがストップして、警察署(クエストゥーラ)のアポが「2021年8月」に延長。
さらに4ヶ月も伸びてるやん。
夫の家族は怒り心頭なご様子でした。
私は、仕方ないと割り切ってましたが、それでもなんだか腑に落ちない気分でした。
何を言っても仕方ないのですが…。
原本を一度手に入れてしまえば、あとは期限に合わせて更新するだけなので、制約はあるもののそこまで難しいステップではないのです。
けれど、私は「一番最初のステップ」でつまづいたわけです。
***
以降、
●私が行った申請までの流れと種類。
●待たされている間何をしていたのか(大したことはしていなく、むしろ人生の休暇くらいに思っている…)。
●滞在許可証の原本がないと何が不都合なのか。
●裁判に至るまでのお話し。
●実際に警察署へ行ってみて。
などのお話ができればと思っています。
この滞在許可証申請騒動については、夫家族総出で奮闘してくれました。
そのことも少し盛り込めたらいいなと思っています。
実は、まだこの戦いは終わっておらず、まだ原本がない状況です。
今回の戦が終わったとしても、滞在許可証との戦いはイタリアに住み続ける以上は、更新ごとに戦うことになります。
***
イタリア生活は楽しいこともあるけど、楽しいことばかりでもありません。
メリットもあれば、デメリットもある。
ポジティブに考えれば、それも刺激的な生活なのかも。
Ci vediamo!
タケディーナ拝
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