見出し画像

イタリアで裁判所に行くまでの話。イタリアの滞在許可証「Permesso di Soggiorno」の申請について(3)

Buongiorno. こんにちは、タケディーナです。

これまで、
イタリアの滞在許可証「Permesso di Soggiorno」の申請について(1、2)
をお届けしておりました。

まだ続くのか?と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
はい、もう少し続きます。多分、ここで半分くらいです。
もしご興味があれば、お付き合いくださいませ。

今回は、イタリアで裁判所に行くまでの話。

***

滞在許可証「Permesso di Soggiorno」についての異議申し立て。

詳細の流れは前回参照ですが、夫との話し合いの結果、弁護士さんに頼むことにしました。
私はイタリアで弁護士を雇うことになったのです。
日本でも雇ったことないのに…。

2月下旬に手続きにし始めました。
内容は、滞在許可証の警察署(Questura クエストゥーラ)の予約の日程を早めて欲しい、と、弁護士さんを通して、市に対しての異議申し立て。
通常はこの手続きで 2,3ヶ月で解決する、というお話でした。

大袈裟に言うと
ここから私は、イタリアで居住する市の敵となったわけです。

弁護士さんに言われた資料を用意して、返事を待ちました。
もう言われるがまま資料を用意しました。

やっと、6月下旬頃に結果が知らされました。

結果は、「異議申し立ては認められません。」と言う拒否の回答。
アポイントまで待ってくださいと。
まあ、あと1年待てって言われたってことです。

これには、私たちも、弁護士さんも肩を落としました。
しかし、私の滞在許可証の戦いはここでは終わりませんでした。

***

そんなこんなしていた夏に、
謎のクエストゥーラのアポイントが2ヶ月ほど繰り上がりました。
ちょうど知り合いも更新の申請していて同様に時期が早まったそう。

「思ったよりも作業早く進んだから、この枠の人たちの日程変えておくか。ボタン、ポチ。」
というような会話が聞こえてきそうな、日程の移動。

しかも、SNSで突然連絡がきます。
あたなのアポイントは、何月何日何時何分です。と。
しかも、きっかり時間指定。9:12とか、微妙な時間の刻みなんです。
実際はこの時間に、意味はないんですよ。
行ってみると、結局早いもの順での申請受付。
必要ないなら何故この「刻みの時間」を送ってくるのであろうか??という謎。
考えても、これはおそらく一生解けない謎です。
そういうものだと割り切るしかありません。

***

滞在許可証「Permesso di Soggiorno」とEU市民の家族用の滞在許可証 「Carta di Soggiorno カルタ・ディ・ソッジョルノ」。

ここの話はちょっと複雑かもしれません。
また、イタリア人と婚姻した場合の話です。
家族付随ビザなどについては記載しておりません。

イタリアの滞在許可証は時折、ルールが変更になっています。
最近、大きく変わったのは2007年頃だそうです。

滞在許可証は他にも種類があるのです。
学生や就労などでも取れる、Permesso di Soggiorno(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ)。
(家族用のものもあります。)

そのほかに、私たちが取得できるものに
長期滞在許可証の Carta di soggiorno (カルタ・ディ・ソッジョルノ) と言うものがあります。
*正式名称は、carta di soggiorno di familiare di un cittadino dell’unione

これは、移民法改正によりできた、非EU国籍の外国人が長期滞在許可するための許可証のようです。


以下、大まかな違いを見てみたいと思います。

●Permesso di Soggiorno(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ)
・90日以上滞在の場合に申請するもの。
・基本的には、申請の条件を満たしていれば滞在する権利を得られる。
・更新期間は2〜5年。人によって更新日が違く、指定された期間で更新が必要。
(申請してから、2年なので、大体は手元にきてからすぐ更新の手続きをしなくてはいけなくなる。)
・毎回、大量の書類提出が必要。
ペルメッソはイタリア語が話せなくても、EU市民でもなくても、条件を満たしていれば申請し、得ることができます。

●EU市民の家族用の滞在許可証 Carta di Soggiorno カルタ・ディ・ソッジョルノ
ここに、「家族用」と記載しておりますが、このCarta di soggorino は家族でなくても条件が揃えば申請できます。

<Carta di Soggiorno 書類(滞在許可書)交付の必要条件>
・イタリアにおける最低5年の合法的滞在していること
・更新可能な、有効期限内の滞在許可書の保持者であること
・家族構成に応ずる十分な所得があること
・イタリア語能力テストの合格

EU市民と結婚する場合は、以上の条件が揃っていなくても、申請できるようになっているのです。

・更新期間が、ペルメッソよりも長く、基本的に交付は5年更新。
EU市民と婚姻している場合は、5年後の更新で、無期限のものをもらえるらしい。
・一度得られると、次更新への資料提出(手続き)が少なくて済む。

こちらのカルタの方が条件が厳しいため、メリットが多いのです。


先程お伝えしたように、結婚後は最初から有効期限5年の、この「Carta di soggiorno」が申請できるのです。

しかし、実際には
警察側が以前に存在していた似たような名前の滞在許可証明書と混同して、本来はすぐに発行するべき5年の滞在証を発行しなかったり、必要がないはずの申請条件を出されたり、Cartaではなく、Permessoで申請するよう案内されたりする事が多発しているらしいのです。

私たちも、世に出ている資料では、はっきりしたことが分からず、
一番最初に申請するとき実際に問い合わせたのです。
Permesso とCarta、どちらを申請すればいいのかと。
そうしたら、最初は Permesso で家族用のものを申請して、のちに更新する際に Carta へ変更、と案内されたのです。

まだ浸透していないのか、
それとも面倒なのか、
最初はみんなペルメッソで通したいのか、
理由は定かではありませんが、未だに違った案内をされているのです。
弁護士さんもこういったケースは多いのだと言っていました。

私もそのうちの1人です。
それがイタリアです。

と言うことで
私はこのCarta di Soggiornoを申請する権利があるので、弁護士さんご協力のもと、次は、Carta di Soggorino を1から申請することになりました。


滞在許可証 「Carta di Soggiorno カルタ・ディ・ソッジョルノ」と裁判まで。

弁護士さんと相談して
現在進行形の Permesso di Soggiorno より早く手続きが終わる保証はないけど、Carta di Soggiornoの申請を試してみよう、ということになりました。

この申請は、弁護士さんを通して行いました。
追加書類などを書いて、弁護士さんが理由書のようなものを添付して提出してくれたと思います。

この申請を始めたのが2020年8月頃です。

またもやイタリアに喧嘩を売った私です。

しばらくして、コロナでロックダウンになった頃、
弁護士事務所の秘書さんより1通のメールが来ました。

「ミラノの裁判所で、貴方の申し出を審議するので、12月指定の日程に出向してください。」
と概ねこのような内容でした。

いきなり裁判所に呼び出されました。
ちょっとビビりますよね。
ちょっと予想外の展開でした。

ただの一般の日本人が、ただ滞在許可証をもらいたいだけですよ。
そんなに悪いことしたかな?くらいの気分でした。

しかも、ミラノの裁判所ってめっちゃ大きいんです。
重要な裁判は、ミラノの裁判所で行われ、悪い奴はよくここで裁かれるらしい。
イタリア人はニュースなどで、よく見かける場所らしい。
よく裁判所の前でインタビューとかしているらしい。


夫は
「タケディーナすごいよ。ミラノの裁判所なんて、僕の家族誰も行ったことないと思うよ。日本人のタケディーナが初!」と。

夫のイタリア人家族も行った事がない裁判所に、
日本人の私が行くことになりました。

***

ちょっと長くなってしまったので、
裁判所でのことや結果などは、次回お話ししたいと思います。

それでは、Ci vediamo!

タケディーナ拝


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?