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我が家は『シン・ゴジラ』をどう観たか

基本的に「テレビを観る」「映画を観る」という表記をしたがる我が家です。こんばんわ。

ボクが好きなゴジラは54年版から始まったいわゆる昭和ゴジラと、ミレニアムシリーズです。ハリウッド版は二作ともあまり好きではありません。

みなみ先生は、単体モノよりは怪獣が二体でぶつかるVSモノが好きです。

余談ですがボクとみなみ先生が初デートで観た映画が1993年版『ゴジラ対メカゴジラ』です。観終わったあと絶対にフラれると覚悟しました(笑)


『シン・ゴジラ』は予告を観た時から、みなみ先生は「なんか心配」公開されてからも「コレあたし好きじゃなさそう」と、ネタバレサイトも見てしまいました。

ボクはSNSの評判を読みながら「会議のテンポが良い」とか「セリフが早口」の部分が少し気になっていました。

珍しく〆切が重なって、観に行けたのが8月1日。
ポケモンGOをしながら近所のシネコンに向かいました。

結果的にネガティブな予想はほぼ当たっていましたが、ボクはそれ以上に画の迫力があり全体にポジティブな気持ちでシネコンを出ました。

シンにはいろんな意味があるんだろうなと予想してストーリーを考えていました。多少こじつけつつ「新」「真」「進」「神」「人」くらいの意味は込めてくるんじゃないかと。
そしてすべて当たってはいたものの、やっぱり一本の映画になってみると全く予想だにしない作品になっていて、これは多少嫌いな演出やシーンがあろうとも「すごい作品」だということは、もう間違いないな!と感じたのです。

反対にみなみ先生は「やっぱり会議シーンは退屈」「ただ歩いてるだけのゴジラがなんだか可哀想だった」と、真っ二つ。帰り道も帰ってからもずっとゴジラの話が続きました。

二人して楽しんでいたのは「あの役者さんこんなとこに出てたね!」という役者さん探しでした。
劇団☆新感線の古田新太さん、橋本じゅんさんはわかったけど粟根まことささんどこに出てた?とか、ピエール瀧自衛官、『真田丸』始め三谷幸喜さんの舞台ではお馴染み小林隆さんや、ウルトラマン、仮面ライダー、ゴジラを一人で制覇した神尾佑さん、逃げる前田敦子さん、ボクにとっては『怪奇大家族』のお兄ちゃんこと高橋一生さんとか、、小松利昌さん出てるじゃん!とかそういうの(笑)

それからあえてこう表記しますが、ヒロインの尾頭役の市川実日子さん良かったですよね!?


大杉漣さんや平泉成さんが演じた総理大臣は、優柔不断なところがあって凄くリアルな感じがしましたが、逆に長谷川博己さん、松尾諭さん、石原さとさん演じる若手政治家三羽烏たちから「10年後の総理」「幹事長」「40代で大統領」などすっごい有能設定ワードが出て来て「ないわぁ〜」と少し引いた目で見てしまいました。それくらい有能でないとゴジラを倒せないと考えたのでしょうか?

そして物語を〆る大事なときに政治家の出処進退の話は…ちょっと興ざめしたのも事実です。

しかし画はとにかくすごかった。
演出や画作りに過去の特撮映画やいろんな映画からたくさんのヒントを得ながら作っているのは間違いないのですが、決定的に新しい画になっている。これは間違いなく庵野秀明さんという文脈の上に成り立っている作品だと感じました。

羽田沖の第一形態、多摩川上陸の第二形態、北品川の第三形態、そして鎌倉に上陸した第四形態。それと対峙する自衛隊と米軍の戦い。細かくは書きません。
1954年版の『ゴジラ』では、大戸島の少年が炎に包まれた東京を見ながら「ちくしょう…ちくしょう」とつぶやくのですが、『シン・ゴジラ』ではまさにボク自身がそういう気持ちになったのです。

そして焼き払った東京の炎をバックに浮き上がる青く光るゴジラの、荒ぶる神の姿。

ぜひ映画館のスクリーンで観てください。


矢口(長谷川博己さん)のもとに集う巨災対の面々にも親兄弟家族があり、不眠不休でプランを練る。総理官邸に集う「ゴジラを殺せ!」「ゴジラを守れ!」両方のサウンドデモ。東京からは360万人の避難民が出る。


これらはきっと3.11を経ずには描かれることのなかったであろう、2016年の今のゴジラ映画なのです。

みなみ先生とたくさん話して気がついたのは、ゴジラとは「嫌なもの」だということです。これまでも戦争や放射能、地震や台風などの災害といろんなもののメタファーとして解釈されてきましたが、実際に起きるとボクら一般人にとって、全部「嫌なもの」なのです。


そして最後に提示されるシーンの意味は…ボクには確信がありますがここでは記さないでおきます。

もう一度書きます。

ぜひ映画館のスクリーンで観てください。
そして語りあってください。そういう価値のある映画だと思います。



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