バンドレコーディングの話。ニューアルバムをリリースしました。
こんにちわ。ギター講師、ギタリストの武田です。
今回は自分のバンドでレコーディングをしてきたので、それについて書いていきます。今回のレコーディングの進め方や使った機材の事などなど。作品はリリースされています。こちらからダウンロードして是非聴いてくださいね。タイトルはNEXT。エアネコレクター名義でリリースされています。
また僕のyoutubeチャンネルではギターの基礎やアドリブ入門者向けの動画など多数アップしています。是非一度、覗いてみてくださいね。
武田展明 youtubeチャンネル ツイッター
制作開始(時期:4月くらい)
制作開始、さぁレコーディングだ、といって、すぐに出来るわけではありません。
この作品の制作を始めたのは2021年6月くらいです。リリースしたのは2022年1月。寝かせていた時期もあるので、実際にはもう少し短い期間で完成はしていましたが、いきなりレコーディングは始まらないんですよね。
まず何するかっていうと、選曲ですね。今回は曲自体のストックがあったのでそこから選曲しました。(1曲だけ新しく作りましたが)選曲した結果、今回の6曲を選びました。多すぎても作品として重くなるのでこのくらいが丁度良い。
選曲したら、ざっくりなスケジュール(締め切り)も決めます。当初は秋ころリリースしようかなという感じでした。今回はベース、ドラム、キーボード、ギター、の4人で録音。全員のスケジュールを調整しなくてはいけませんよね。
DEMOを録音する。(時期:5月くらい)
曲もスケジュールも決まったぜ。よし、やろう、とはなりません。曲のテンポや構成を決めて各パート録音することを事前にデモテイクを録音します。構成などはリハーサルしたり、ウェブ会議したりして確認します。
僕の今回のやり方は、こうです。
仮の打ち込みベース、打ち込みドラム、ギターを自分で弾いて作成します。ファイルをドラムに送って仮ドラム録音。そこからベース、キーボード、ギターの順番で録音します。ギターは何本か重ねないといけないので、それを考えたり練習したりする時間もここでやります。ギターは3本くらいオーバーダビングするのはザラです。3本じゃ足りない時もあります。今は無限にトラックがあるので良いですが、昔は8トラックくらいで..略
実はこの作業がめちゃくちゃ重要で、アレンジを変えたり、ミックスしたときのイメージだったり、音色のイメージをクリアにしたりします。これをやらずにレコーディングすると時間がいくつあっても足りない。この作業をプリプリと言ったりもします。
写真はでも制作用のパソコン。DAWはlogicを使用。仮の音像でイメージを作ります
弾くものを明確にして臨むべし。(アドリブ部分は除く)
ドラムを録音(時期:6月くらい)
生のドラムを録音します。最近はプラグインとかで打ち込みでもかなり作り込めますが、バンドにドラムがいれば、そりゃあ、叩いてもらいます。バンドですからめ。
録音はどうするか。生のドラムを録音する技術はないので、エンジニアさんにお願いしました。
今回お世話になったエンジニアさん。クレイドルスタジオの岡野さん。
長い付き合いなので安心してお任せできます。
ドラムを6曲。スタジオは8時間を2日間のスケジューリング。スタジオは東京は吉祥寺にあるGOTEEさんを利用しました。(安いのでオススメです)
時間に余裕があるように見えますが、ドラムやマイクセッティング、音決め、片付けなどを考えると、実際には1曲2時間ほどですね。やはりプリプロ大事。
プリプロで使ったデモを使ってドラムを録ります。
ドラムセットを持ち込みしていたので、リラックスして叩けてたみたいです。機材も出来るだけ、慣れてるものを用意するのが吉ですね。
スタジオの卓。ガラスの向こうでドラム録音。
キーボード、ベース録音(時期:6月くらい)
キーボードとベースはライン録音にしました。そもそもあんまりアンプで鳴らさなくても良いので、パソコンと睨めっこして、新しいドラムに合わせて思い思いに修正テイクを入れていきます。
ギターを録音(時期:7月くらい)
ギター録音。スタジオは8時間を2日間。ドラムと同じですね。ギターもラインでいいんじゃね?って声もあるかもしれませんが、ここはポリシー的なものでアンプで録音したいんですよね。(ケンパーとか買えばラインでもいい気がしますが)フィードバックの鳴りとかもしっかり入るアンプでの録音です。
アンプ録音なので、自分のマーシャルアンプ、エレキギター2本、オーバードライブエフェクター、その他消耗品を持ち込んで2日間の勝負でございます。アンプはスタジオにあったフェンダーアンプも使いました。
ディレイやリバーブなどは後からパソコンでかけるので、自分のものは使いません。後からかけた方が調整が効くので便利ですよ。
初日に珍しい事件がありました。
弦が切れました。
気負いすぎとというか、なんというか。スペアの弦を持っていくのはやはりマストですね。
ギター録音で地味に大変なところ
ギターって複数のトラックを弾くんですよ。ギタリストが1人のバンドでも音源聴くと、何本もギターなってますよね。
普段、弾かないことも録音しなきゃダメなんですよ。
自分の作品なのでイメージは湧きやすいですが、フレーズ作って、バランス考えて、と。バッキング、メロディ、リード、プラスアルファ、のトラックを2時間で弾く。これはやっぱりプリプロ大事ってとこに落ち着きますよね。
予算が潤沢である訳でもないので、その辺はしっかり終わらせられるように準備をしなきゃいけないですよね。
2日間で無事追われたので、録音というところは終了になります。余裕で秋には間に合いそうですよね。
アコースティックギターも録音しました。
エレキギターとは別日にアコースティックギターも録音。これまた普段、曲中でやってないことですが、レコーディング中に出てきたアイディアをサクッと録音して平和に終わりました。使ったのはギブソンJ45。アルバムの曲のどこかで聴くことができますよ。
MIX作業開始(時期:8月〜)
録音したデータをいい感じするべく作業します。音量やエフェクト効果、定位などを決める作業です。
これ、すごい時間かかります。エンジニアさんとお話ししながらイメージ伝えて、作業、確認、作業、確認の繰り返しですよ。素材に対しての味付けをどうするか?というのは正解もないので、自分がどうしたいか、こんな感じはどうだ、とか他の作品を聴きながらイメージを作るんですよね。
とりあえず8月に1度ミックスを全員立ち合いで行い、聴き返す感じでした。
そして寝かせます
寝かす?何それ?(時期:9月から10月くらい)
録音したものから1度離れて新鮮な気持ちにする為、ある程度放っておきます。聞こえてなかったものが聞こえたり、気になるところが出てきたりします。
その辺を踏まえて、メールなどでエンジニアさんと相談します。
色々な事情でこの辺りの進みは時間的に結構掛かりましたよ。
音の修正を文字だけで伝えるのは、結構大変ですが、ファイルのやり取りがインターネットで出来るので、便利な世の中になったものだと思います。
いざ最終ミックスへ(時期:11月くらい)
スタジオで立ち合い確認。いろんなスピーカーで聴きます。大音量で聴けば絶対にいい音はしますが、他はどうだろう。小さいコンポ、パソコン、スマホ、カーステ、などなど。
聴いてくれてる方の環境はまちまちです。特に最近はスマートホンでの視聴も多いのでそこで聴けるレベルかなど。
ミックスは本当に正解がないので、ある程度強い意志を持つことが大事です。人の意見ばかり聞いてると纏まらない。アドバイスの良いところは受け入れつつ、自分の好きなサウンドに持っていくべし。
無事完成した後はもちろん打ち上げで乾杯しました。
そしてリリース。やはり主流は配信か。
ギリギリ秋には完成していましたが、いつリリースするか?
すぐにリリースも出来ましたが、2022年2月からライブ活動が再開できそうなので、ここは年明け1月1日にしよう。と、割と短絡的な感じでリリース日決定。視聴のメインはやはりご時世的に配信。主要配信サイトであればほぼリリースされてます。お好きなストアをご利用ください。
配信ダウンロードはこちらから。
とはいえCDもありますよ。
CD派の方は一定数いますし、ライブなどの物販では必ず必要なんですよね。
ライブ会場、または通販
とはいえ、配信との違いを少しは付けたいので、特典を付けました。
特典:実際のレコーディングで使った譜面6曲分。(数に限りがあります)
作曲して、構成決めて、メンバーに渡したものです。これ見ながら、この演奏になったのかなどで楽しんでいただければ何よりです。
通販を希望の方はTwitterからDM、レッスンHPのメールからお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
意外とCD希望も多くジワジワと売れてます。この曲の弾き方教えて欲しいとレッスンにも申し込みがありました。作り手としてこんな嬉しいことはありません。
次回はライナーノーツ的なものを書きますよ。読めばさらにインストを楽しめます。
では、またね。
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