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不機嫌な父

例のごとく母を連れて
父の面会に行ってきました。

部屋に着くと、父が看護師さんに向かって
いろいろ文句?要望?を言っている姿が
目に飛び込んできました。
看護師さん、ごめんなさい!!

すぐ父に、
「お父さん、来たよ~」
と明るく声をかけました。

ですが、今日の父は何かに苛立っていたようで、
そのくらいでは機嫌が直りません。

「○○はどうなっとるんじゃ!」
「△△をせな(しなくては)ならんやろが!」
「大体、お前は×××××」

言葉自体はあらかた聞き取れるのですが、
認知が入っているので、
何のことを言いたいのかさっぱり分かりません。

とりあえず安心させようと、
「お父さん、大丈夫だよ」
と言ったのですが、
「すぐお前はそんなこと言うが、なんとかかんとか」
と怒られました(^_^;)

母はそのような父の手をなでながら、
「心配ないよ。
 ちゃんとみなさんがしてくれているよ」
と穏やかに話しかけています。

さすがお母さん!と感心しました。

しばらくその状態が続いたのですが、
そのうち母はぱたっと何も言わなくなってしまいました。

父は少しずつトーンダウンしてきているものの、
やはり機嫌は悪いままです。
私が何もしないので、イライラしているようでした。

父が安心するようなことを
言ってあげたいのだけれど、
何に苛ついているのか分からないので、
私は何を言ったらいいのかわかりません。
下手に言うとまた怒られるし。

仕方ないので、ただ父の目をじっと見て、
笑顔でうなずくしかできませんでした。
ごめんね、お父さん・・・。

面会時間も終わりに近づいたとき、母が
「歩、ティッシュ取って」
と言いました。
何もしゃべらなくなったと思ったら、
母は父の手を握ったまま、
静かに泣いていたのでした。

お母さん、辛いよね。
たぶん、お父さんを少しでも楽にしてあげたいんだよね。
でもどうすることもできない・・・。

ほどなく看護師さんが時間を知らせに来てくれたので、
「お父さん、また明日来るからね」
と言って病室を後にしました。

いつもだったら面会後、
「お父さん、○○だったね」
と話すのですが、今日は母も私も、
父のことにはふれませんでした。

「認知症って大変なんだねえ」
と、母がつぶやくように言いました。

昨日までけっこう穏やかだったのに・・・。
今日は難しいときの父、そのものでした。

さてその後、母の用事がいくつかあったので、
近くのショッピングモールへ母を連れて行きました。

ショッピングモールと言ってもあまり大きくないので、
高齢の母とゆっくり歩いて回るには
ちょうどいい大きさです。

夏用のつっかけ
ポケットティッシュ
小さめのマスク(いつもだぼだぼなので)
洗濯ばさみ
マジックテープ
を購入し、施設へ送り届けました。

明日は妹が帰ってきてくれるので、
3人で面会に行ってきます。

明日は父の笑顔が見られるといいなあ・・・。


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