病院からの呼び出し
11時15分。
スマホが鳴りました。
見ると病院から。
不吉な予感がします。
「今朝から、お父さんの意識レベルと
呼吸レベルが低下しています。
点滴をして反応はするようになりましたが、
病院には来られますか?」
「わかりました。
12時過ぎには行きます」
昨日は普通に元気だったのに、なぜ?
不安な気持ちを抑えながら、
すぐ妹に電話をしました。
妹も切符をとって帰ってくるとのこと。
次に施設に電話し、
父の体調が悪化したので
母を12時に迎えに行くと伝えました。
それからばたばた準備し、家を飛び出ました。
何も食べないのもお腹がすくので、
コンビニでホットミルクを購入。
それを飲みながら、母の待つ施設へ向かいました。
施設に着くと、母が心配そうな顔で
スタッフさんと一緒に待っていました。
母を乗せて病院へ。
病室に入ると、父は眠っていました。
今までなかった、心拍数などを見るモニターがあり、
口には酸素吸入器?をつけています。
母と私が声をかけると、父が目を開けました。
良かった!
そこへ看護師さんが来られて、
「あら、ご家族の方が来られたら、
目を開けられましたね。
やっぱり嬉しいんでしょうね」
と言われた後、状況を説明してくださいました。
今朝は眠っているのかと思ったけれど、
全然反応がないので、すぐ先生に連絡し、
いろいろな処置をしたとのこと。
点滴をしたら、ようやく反応が現れたこと。
余談を許さない状況であること。
「昨日は体を動かされていたし、
お元気だったんですけどねえ」
と、看護師さんも急変に驚かれているようでした。
「あの・・・今日明日中にどうの、
ということも考えられますか?」
と、恐る恐る聞いてみました。
「ごめんなさい。
それは本当に分からないんです。
持ち直されることもありますし、
大丈夫と思っていても急に、
ということもありますし」
「そうですか・・・」
その間母は、父の頭をなでたり、
手を握りしめたりしています。
父は目を開けたり、また寝たり、
といった状態がしばらく続きました。
私は娘達に、LINEで父の現在の状況を伝えました。
ですがそのうち、話しかけると
少しずつ父もしゃべるようになりました。
そのタイミングで母が、
「面白いことがあったのよ~」
と、施設であったことを話し始めました。
その話を聞きながら、父も笑っています。
楽しそうに父が笑っている!!
たったそれだけのことでも、
私はとても元気づけられました。
これならもうちょっと大丈夫なのではないかと。
その後、先生が忙しい合間を縫って顔を出し、
状況を説明してくださいました。
それから父に声をかけてくださったのですが、
父は満面の笑顔です。
そして、先生の問いかけに対して何か答えていました。
良かった・・・。
そこへ、抗原検査を済ませた妹が到着しました。
K市からだとその都度、
検査をしなくてはならないのです。
妹が来てにぎやかになると、
父も一段としゃべるようになりました。
だんだん、昨日までの父に戻ってきています。
良かった・・・。
そのうち16時が近づいてきたため、
病室を出て母を施設に送り届け、
妹は駅に送り届け、帰宅しました。
今回のことで、しみじみ感じたことがあります。
普通に目が覚めて、
普通に会話ができて、
普通に笑い合える。
そのことがどんなに貴重でかけがえのないことか。
明日も父の笑顔が見られますように・・・。