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両親の友人との会話

火曜日実家に行った妹から、
「町内会費をTさんのところに持って行ってほしい」
という紙が入っていたと連絡がありました。

Tさんはブティックをされている方で、
母が施設に入るまで親しくさせていただいていました。

母が施設に入ったことを伝えに行ったときは、
「いつもよくしていただいていたのに。
 寂しくなるわ・・・」
と涙ぐんでくださった優しい方です。

久しぶりに顔を出したので、
「あら!お二人ともどうされています?」
と、早速聞かれました。

「母はあのような性格なので、
 施設でも周りの方と楽しくおしゃべりしているようです(^_^)」
と話したところ、
「そうでしょうねえ(^_^)」
とTさん。

「父は緩和ケア病棟に入院していますが、
 もう・・・長くないと思います」
「え!?そうなんですか!
 ちょっと前まではお元気そうでしたのに・・・」

本当に、1年くらい前までは、
まだそれなりに元気だったんですよね。
私も1年でこんなになるとは思ってもいませんでした。

それから施設の面会のことを聞かれたので、
前もって予約をしておけば大丈夫なことを伝え、
町内会費1800円をお渡ししてお店を出ました。

そして夕方。
固定電話が鳴ったので出てみると、父の友達のTOさんです。

TOさんはとてもいい方で、家で採れた野菜を
時々持ってきて下さっていました。

実家にかかった電話は私の家にかかるようにしてあるので、
時折り、両親宛の電話がかかってきます。

TOさんは何回か電話をしてくださったようで、
ようやくつながってよかった、とおっしゃっていました。
どうも、ちょうど面会に行っている時間帯にかけられていたようです。

TOさんには両親が入所したことを伝えてあったため、
「たかしさん(父)はどんな様子かな?
 面会に行きたいんやけどなあ」
と言われました。

そこでTOさんにも、緩和ケア病棟に入院したことと、
もうあまり長くないことをお伝えしました。

TOさんは驚いておられましたが、
以前母から、父がガンであることは聞いていたようです。

「たかしさんに面会は無理やろうか?」
「そうですね。認知も入っているので、
 TOさんのことが分かるかどうか、
 その日話ができるかどうかも分かりませんからねえ・・・」
「なら、無理かのお・・・」

TOさんは諦めきれないようでさらに色々聞いてこられたので、
今までの経緯をざっとお話ししました。

「こんなこと言うのはあれやけど、お葬式には行けるやろう?」
「すみません。ごく身内だけの家族葬にする予定ですので・・・」
「そうか・・・」

すごく残念そうなTOさんの様子に胸が痛みました。

すると再びTOさんがおっしゃいました。
「面会に行ってもいいやろか?」

ここまで父のことを思って下さるのは、
本当にありがたいことです。

TOさんの熱意に負けて
「分かりました。一日に一家族1回だけなので、
 土曜日にいっしょに行きましょう」
と答えました。
明日は妹が面会に行く日で、妹はTOさんを知らないのです。

「そうですか!
 けど、土曜日はコロナの注射があるからなあ」
「では、日曜日ではどうですか?」
「ああ、それならいい!よろしくお願いします(^_^)」
「こちらこそ、本当にありがたいです。
 時間は前日にならないと分からないので、
 土曜日にご連絡差し上げます」
と言って電話を切りました。

両親を慕って下さる方がいることを、
心からありがたく思った一日でした。



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