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母に、父の余命を伝える

昨夜母から電話がありました。
「○○か××に喪服があると思うの。
 探してみて」
はいはい。

そして今日も電話がかかってきました。
「寝る部屋の引き出しに△△があるから、
 持ってきて欲しいの」
はいはい。

季節が一巡りするまで
いろいろ必要なものが出てくると思いますが、
それは仕方ありません。
母には少しでも快適に、
施設で過ごしてもらいたいから・・・。

さらに妹からも電話があった後、
大急ぎで実家に行き、喪服と△△をゲット。

それからショッピングモールに行き、
股下50㎝のズボンを購入。
これも数日前に母に頼まれていたものです。

今まで母は自分で裾上げをしていたようですが、
股下50㎝の商品が存在することを知り、
裾上げをしなくてもはけるようになりました。
このようなシニア向けの商品、
本当にありがたいです。

帰宅後かき込むように昼食をとり、母の迎えへ。

施設に着くと、福祉用具の方が待っていました。
「竹田さん、すみません!
 何枚かサインをお願いします!」

どうやら、先日の担当者会で変更になった福祉用具について、
書類が必要なようです。

「これは、お父さんの車椅子の分です。
 ここに名前をお願いします」
はいはい。

「これは、お父さんが使われていた◆◆を
 お母さんが使われるようになった分です」
はいはい。

「これは・・・・・・・・・・・」
はいはい。

「大変ですねえ」
とその方に言ったところ、
「介護保険を使っているので、
 書類が必要なんです(^_^;)」
とのこと。

ようやくサインが終わったので、
母をつれて病院に行きました。

行く途中、父の余命が長くて3ヶ月、
早くて1ヶ月なことを母に伝えると、
「えっ!?」
と驚いていました。
楽観的な母は、もうちょっと長いと思っていたのでしょう。

父の様子は、昨日とあまり変化はありませんでした。
なんと言っているのかはほぼ分かりませんが、
母の話を聞いて楽しそうに笑っています。
父のそんな嬉しそうな顔を見るのが嬉しい・・・。

1週間分の面会予約を入れて、
施設に戻りました。

施設で母に頼まれていたものを渡した後、
スタッフの方に父のことを話しました。
父の現状と余命と、
こちらにはもう戻ってこれないことを。

スタッフの方は、びっくりされていました。
おそらく、また施設にもどってくると
思ってくださっていたのでしょう。

「こちらにお世話になって1ヶ月もたっていないのに、
 本当に残念ですが・・・。
 また手続き等ありましたら、よろしくお願いします」

「そうなんですか・・・。
 また日割り計算をさせていただきますね」

「よろしくお願いします。
 父の服など、洗濯物と一緒に渡していただけたら
 持って帰りますので、よろしくお願いします」
「わかりました」

「ですが母はこちらに来て、
 前よりしゃきっとしてきたようです。
 本当にありがとうございます。
 母も寂しくなると思いますが、
 こちらで元気に過ごしてもらえたらと思っています。
 どうぞよろしくお願いします」

母も話しだしました。
「皆さんには本当によくしていただいて、
 お食事もおいしいし。
 これからもよろしくお願いしますね」

スタッフの方の言葉は残念ながら覚えていませんが、
涙ぐむ母を励まして
温かく対応してくださいました。
スタッフさん、本当にありがとうございます!

そして夜・・・
再び母から電話がありました。
「××と□□をもってきて欲しいんだけど」
はいはい。



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