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売買契約書作成のポイント解説とひな形 【条文解説付きひな形/無料ダウンロード】

売買契約書のポイントがわかり、条文解説付きのひな形も無料で手に入ります。とにかくいますぐ売買契約書を起案したい方と、契約書の基本を素早く確認しておきたいビジネスパーソンにおすすめです。

売買契約書のアレンジのコツ

ひな形は一般的な事例にすぎません。むしろ出発点としてとらえ加除修正、アレンジすることで契約書は洗練されていきます。

売買契約書のアレンジの際は、以下に着目しましょう。

1.価格と支払い条件の変更と確認


契約によって代金額はさまざまです。また、一定額を一括で支払うとは限らず、分割払いにする場合もあります。よって、契約の金額や支払いスケジュールは契約ごとに任意に変更する必要があり、ゆえに実情と合っているかどうかよく確認することが大切になります。具体的には、分割払い、割引条件、税額の明記、またときには通貨の変更なども考えられます。

これも任意ですが、売り主は、もし代金の支払いが遅れた場合には遅延損害金を請求できることを定めたり、支払いがなかった場合に契約を解除することを定めたりすることもあります。自分が売り主の場合には、遅延損害金条項の追加を検討しましょう。たとえば、

2.保証、サポート


物品の売買を行う場合には、品違いや故障、購入後の不具合をどう扱うかが問題になることが多いです。ようするに製品の保証期間や、製品のサポートや修理に関する詳細を含めることができます。例えば機械の動作は保証するけれども、その効果や結果については保証しないといった、こまかい条件が望ましいこともあります。これらに関してもし具体的に取り決めがある場合は、製品の特定の機能や品質に関する保証、修理のスケジュールと費用負担などについて詳細に記載することができます。

仮にシステムの販売における保守要件を例にすれば、検討すべき要点として保守期間、責任者、対応時間、SLA、費用面などがあります。具体的には、保守期間は保守対応の期間の定義です。通常、契約期間内に限定されますが、延長や更新の可能性も検討する必要があります。また、緊急の対応が必要な場合、非常時の対応期間についても考慮することがあります。責任者は対応の責任者の指定であり、通常は契約の当事者の中から選ばれ、窓口となるため連絡先情報も記載されます。対応時間は一般的には営業時間内のサポートとして定義されますが、緊急の場合は非営業時間外のサポートも規定することがあります。SLAは、保守対応におけるサービス品質基準を明確に定義する文書です。障害対応時間、応答時間、復旧目標時間などが含まれ、契約の品質を保つために不可欠です。費用面は、保守対応にかかる費用と支払条件です。料金の額、支払期日、遅延料金などの選択肢が含まれます。
以上の他、障害発生時や問い合わせに対する適切な報告の頻度、方法、責任者への通知などが明確にされます。

条文の例
(1)本製品において、運用開始後、障害発生時の一時切り分け及び運用管理支援については売主(又は具体的担当事業者名●●)が行うこととする。
(2)売主は、対応依頼を受け付けた障害を解消するため、適切かつ迅速な対応を行うこと。必要に応じて、各メーカと協力し、ハードウェア保守対応、ソフトウェア保守対応を行うこと。
(3)売主による、システム保守対応の対応時間は、問い合わせ受付窓口対応の受付時間に準ずる。ただし、対象製品の故障の重要度、緊急度が大きいと判断した場合、買主から要請した場合はこの限りでない。なお、対応時間外のシステム保守対応については、本調達に含まないものとする。
(4)売主は、発生した障害に対して解析を行い、原因を究明し、再発防止策を検討すること。
(5)売主は、本製品に関する、買主(及び運用管理支援業者、保守業者等)からの問い合わせ、相談に応じること。

3.納期、納品方法の具体化


納期や納入の方法について明確にしなかったために、トラブルになることはよくあります。たとえば納入(設置)場所が多拠点にわたる場合や遠方にある場合等は、売主にとって輸送費や設置にかかる費用等を見積もるうえでその分検討が必要になることもあります。さらに納入に際しても、ただ搬入すればいいのか、設置や調整、設定、具体的な製品によって持参するのか配送するのか、取付工事の有無、電子的にサーバなどに格納するケースやなんらかの調整作業、構築作業などが必要かどうか、納入時に誰かの立ち会いが必要かどうかなど、様々なオプショナルケースが考えられます。納入場所も、曖昧にしているとトラブルのもととなります。逆に諸般の事情により納入の具体的住所を明らかにできないケースもありえます。その場合は「詳細は協議して決定する」と規定することがあります。
これらの点を実態に沿った表現で書き直すことは検討に値します。納入場所や納入期日、配送料金、特別な作業の有無、立ち会いの有無、梱包要件をよく確認すべきといえます。納入にあたって検査を行う場合もあります。目的物が複雑な場合、量や種別が多い場合には、あらかじめ検査基準か仕様書、型番表を作成して、お互いに確認できるようにする必要があります。

4.知的財産権の帰属等


納入される目的物によるのですが、目的物に知的財産権が含まれている場合には、その帰属をめぐって誤解が生じてトラブルになることがあります。ようするに製品が売買されたとき、知的財産権も一緒に譲渡されるのか、それとも売主に残されるのか、などです。この場合は特許、著作権、商標などの知的財産権に関する取り決めを詳細に定めておくことが紛争予防となります。
知的財産権については帰属の問題の他に、第三者が権利を主張するなどした場合の損害への対応が検討されることがあります。そこでたとえば「第三者との間に著作権等の知的財産権に係る権利侵害の紛争等が生じた場合には、当該紛争の原因が専ら買主の責めに帰す場合を除き、売主の責任と負担において一切の処理をすること。」のようにリスク負担について明確にする条文が必要となる場合もあります。

条文の例
第三者との間に著作権等の知的財産権に係る権利侵害の紛争等が生じた場合には、当該紛争の原因が専ら買主の責めに帰す場合を除き、売主の責任と負担において一切の処理をすること。

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