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遺贈寄付を知っていますか? 【遺言の文例】

ニュース番組で特集されていたのを偶然観たのですが、最近「遺贈寄付」が注目されているそうです。

寄付は生前にするだけでなく、自らの死後に遺産を役立てる寄付もあるのですね。「遺贈寄付」は、具体的にはどのような寄付なのでしょうか?

「遺言」による寄付とは?

「遺贈寄付」は、「遺言」によって寄付先を指定することによって行います。「遺言」とは、自ら、遺産の分け方などについて書き残すものです。

少額でもできる

「遺贈寄付」は少額でももちろん可能です。「遺産を慈善団体に寄付する」と聞くと、いかにも巨額の資産をもったお金持ちだけがやるようなイメージがありますが、「遺贈寄付」に金額の決まりはありません。寄付の価値は金額の大小ではなく、ご自身の人生観で寄付先を選び、支援する「気持ち」が大切だと思います。僕も以前に、非営利団体のお手伝いをしていたことがあるので、少し分かるのですが、寄付してもらう側の団体等の気持ちとしては、どんな金額でもありがたいものだし、支援になるものです。

寄付先の選び方

「遺贈寄付」の寄付先は、どのように決めたらよいでしょうか? ご自分の母校や、故郷の自治体など、ご自身の人生とゆかりのあるところを選ぶ方も多いと思いますし、NPO法人や財団法人などによる「社会貢献活動」に関心があって、その支援のために寄付をしたい方もいると思います。
世の中には非営利活動を行う組織は非常に多い(内閣府のホームページによれば、NPO法人だけでも5万以上あります)ので、寄付先を絞るのは大変かもしれません。逆にいえば、様々な活動を調べていくことで意外な発見が得られたりもして、知的に楽しい側面もあると思います。

最終的には自分の価値観で自由に決めればよいのですが、せっかく寄付するのですから、きちんと役立ててもらいたいものです。この意味でひとつの尺度になりそうなのが、寄付への対応姿勢。ようするにこちらからの寄付の申出に対し丁寧に対応してくれるかどうかです。一般的に大きな団体ほど”ファンドレイジング”(Fundraising/活動資金あつめのこと)に前向きであり、ある意味「積極的」に遺贈寄付を募っています。

そこで、寄付したい組織等をみつけたら、決断の前に必ず一度は寄付について直接問い合わせてみることをおすすめします。受け入れ慣れているところは寄付のガイドラインや案内文書が用意されていたり、専用の相談窓口を設けていることが多いです。より確実に遺贈寄付を実行するためにも、受け取る側の対応力があるかどうかは重要だと思います。

遺言書の作成方法は、主に2種類あります


「遺贈寄付」は、「遺言」により行うわけですが、ではその「遺言」はどうやって作成するのでしょうか? 民法上、遺言には5種類の方式が定められています。ただ一般的には、そのうちの2種類が選択されることがほとんどです。ひとつは①すべて自分で手書きする「自筆証書遺言」、そしてもうひとつは②公証役場という場所に自ら出向いて、必要書類を準備したうえで作成してもらう「公正証書遺言」です。
「自筆証書」の方が簡単で手軽で費用もおさえられますが、何しろ自分で書いて自分で保管するというものなので、「なくしやすい」というデメリットもあります。「公正証書」の方は公的機関で作成することもあり、さすがに保管や内容面においても安心なのですが、どうしても手間や費用がかさみます。

じゃあどちらがよいの? というと、あなたがもし法律の専門家に相談したなら、ほぼ100%「公正証書遺言」を勧められると思います。なぜなら法律家の目線で見ると、公正証書の方がいろいろな意味で「確実」だからです。ただ、あくまで個人的な意見ですが、僕は「自筆証書遺言で十分」だと思っています。なにより費用面で圧倒的にリーズナブルで、すぐに作成に取り掛かれますし、「確実性」については、相続人に伝えておいたり遺言執行者を指定したり、事前に寄付先とよく連絡を取り合うことなどで十分に補えると考えるからです。

さらに付け加えると、法務局で自筆証書遺言を保管する制度も始まったので、これを利用することでほぼ自筆のデメリットはカバーできると思っています。そこで、保管制度については以下でもう少し詳しく説明します。

遺言の種類 メリットとデメリット
自筆証書遺言
○メリット・・・ 安い すぐ作成にとりかかれる 
△デメリット・・・ 形式ミスがひとつでもあると無効 / 紛失リスクがある / 発効には検認が必要(ただし法務局の保管制度を利用すれば検認は不要となる)

公正証書遺言
○メリット・・・ 法的に間違いないものができる / 紛失の心配がほぼない 検認もいらない
△デメリット・・・ 費用がかかる / 「今すぐつくりたい!」と思ったとしても公証役場に出向いて相談するなどあらかじめ手間や準備がいるから無理 / 証人2名が必要となる 

遺言の種類と比較

法務局で自筆証書遺言を保管してくれる新制度が誕生


「自筆証書遺言」のデメリットとして、「なくしやすい」点を挙げましたが、実はもうひとつよく言われるのが、「自筆証書」の場合「遺言書の検認が必要」という点でした。
「検認」とは、家庭裁判所において、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。自筆証書等の遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知ったら遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、「検認」を「請求しなければならない」とされています。(「公正証書遺言」の場合は、検認は不要です。)
つまり「自筆証書遺言」を発見した相続人等は、請求の書類を揃えたり、家庭裁判所に出向いたりといった時間と手間をかけて「検認」を受けなければならないのです。(「検認」を受けなければ、遺言書に基づく不動産の名義変更や預貯金の払い戻しなどのいわゆる相続手続きはできません。)

こうした「自筆証書遺言」のデメリットを解消すべく、自筆証書遺言書とその画像データを法務局で保管する「自筆証書遺言書保管制度」が令和2(2020)年7月10日に始まりました。この制度は、全国312か所の法務局で利用することができます。法務局で保管するので、紛失の心配はまずありませんし、相続が開始した時、先ほど説明した「検認」も不要になります。

費用はかかるのですが、「公正証書遺言」の作成とは比較にならないくらい安い(保管手数料として、3,900円分の収入印紙)です。もちろん、そもそも正確な遺言書の作成に加えて、法務局に予約を取って本人自らが出向かねばならないことや、申込書への記入、住民票の用意などが必要ですので「ものすごく簡単かと言われれば、そうとはいいきれない」制度ではあります。
ただこれまで「遺言はしたいが公正証書にするほどではないな」のようにお考えだった方には、活用をおすすめできる制度だといえます。

自筆証書遺言の豆知識
自筆証書遺言」の場合は、遺言書の全文、日付、氏名の自書と押印が必要です。ただし財産目録はパソコン等で作成(遺言書本文とは別の用紙として作成すること)したり、通帳や不動産登記簿の「コピー」を付ける方法でも可能になりました。尚、その場合は全ページ(両面コピーの場合は両面とも)に、遺言者本人の「氏名の自書と押印」が必要です。また、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用するときは、上記の他にも作成上の要件がありますので注意してください。

自筆証書遺言のチェックポイント
遺言者本人が、遺言書の本文の「全て」を自書していますか?
・日付は、遺言書を作成した年月日ですか?(日付は正確に。「吉日」などはダメです。)
・遺言者自身が署名していますか?
・ハンコが押してありますか?(実印がおすすめですが、認印でもOK)

自筆証書遺言の知識

遺言執行者を指定する

ここまでで「遺言書の作成方法」が大まかにイメージできたと思います。ところで「遺贈寄付」をしたい場合、具体的には「遺言」にはどのように書くのでしょうか? これは、特に難しいものではなく、基本的には「何を」「どこに」遺贈するかをそのまま文章にします。

例えば以下のような文例になります。

第〇条
遺言者は、その有する下記の財産について、○○大学(所在地:東京都○〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号)に遺贈する。

         記

【財産の表示】
 現金 〇〇万円

遺贈の文例

また、「遺贈寄付」の場合、当然ながら寄付を実行する時には、ご自身は亡くなっていますから、「遺言執行者」を指定しておく必要があります。

「遺言執行者」とは、遺言の内容を実現させるべく遺言又は家庭裁判所により選任された者のことで、ようするに本人の代わりに遺言のとおりの手続きをやってくれる人のことです。
法律上、未成年者や破産者でなければ「誰でも」遺言執行者になることはできますので、たとえばご家族などを指定されても構いません。ただ、遺言執行者は相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(民1012)とされていますし、相続人に対して善管注意義務があり、かつ、執行事務処理の状況について報告義務があります(民644、645の準用)。つまり、現実的には「誰でも」とはいいにくく、相続に関する事務処理を行える力量を備えた人である必要があります。よって理想的なのは、弁護士さん等に依頼することです。

第○条
遺言者は、本遺言の遺言執行者として、下記の者を指定する。
          記
住所 東京都〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号
職業 〇〇
氏名 〇〇 〇〇
生年月日 昭和〇〇年○月〇日

遺言執行者の指定の文例

特定遺贈がおすすめ

ところで記載例には「寄付する」ではなく「遺贈する」と書いてありますが、「遺贈」とはなんでしょうか? 「遺贈」とは、遺言によって財産を譲ることです。遺言書でよく見かける「相続」という言葉は推定相続人に対して譲るときのみに使う用語です。財産を譲る相手が推定相続人の場合は「相続させる」または「遺贈する」とし、「遺贈寄付」のように推定相続人以外の者に財産を譲る場合は必ず「遺贈する」と記載することになります。

それから「遺贈」には「特定遺贈」と「包括遺贈」があります。
「特定遺贈」とは「現金10万円」のように、遺贈する財産を具体的に指定して行う遺贈ということです。
これにたいして「包括遺贈」は、たとえば「その有するすべての財産」とか「財産の20%」のように、「割合」で指定する遺贈です。

包括遺贈のデメリット

注意していただきたいのは、「包括遺贈」は被相続人の地位の割合的承継であり、つまり「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務」を有することとなります(民990)。ゆえに「包括遺贈」を受けると、”被”相続人(亡くなった人)にもし借金などのマイナスの財産があったときは、これも(包括遺贈の割合で)引き継ぐことになります。割合で指定されてしまうと、実際に寄付を受け取る際に計算をして財産を特定する手間に加えて、もしマイナスの財産があれば、寄付を受け取る側が思わぬ負担を引き受ける可能性があるため、よく調査してから受け取るかどうかを決めなくてはなりません。

そのような「包括遺贈」のデメリットを考えますと、いうまでもなく、「遺贈寄付」に向いているのは「特定遺贈」の方だと言えます。どの財産をいくら譲るのかは、明確に特定しておくべきです。(「包括遺贈」による遺贈寄付も、理論的には有効です。どうしても「包括遺贈」による場合は、事前に寄付先とよく打ち合わせるべきです。)

特定遺贈と包括遺贈のちがい

・包括遺贈「私の全財産( or の◯分の1)を○○大学に遺贈します」
(財産を特定せず、全部とか、何割といった割合で表す遺贈)
→相続人と同一の権利義務を有することになる。つまり「負の財産」も引き継ぐ意味になるので注意が必要です。
→やむを得ず包括遺贈による場合は、寄付先と事前に打ち合わせるべきだと思います。

・特定遺贈「私の銀行預金から金10万円を○○大学に遺贈します」
(財産を具体的に特定する遺贈)
→遺贈寄付に向いているのは、「特定遺贈」だといえます。

遺留分にも注意しましょう

ところで、もしあなたが、他にも相続人がいるにもかかわらず、自分の持っている「すべての財産」を特定の団体に遺贈すると決めたらどうなるでしょうか? 相続人が他にもいれば、当然それらの相続人から不満が出ると思います。さすがにこれは極端な例だとしても、「遺贈寄付」の金額を決める場合は念のため「遺留分」にも配慮してください。

そもそも相続人には「最低限の分け前」が決まっていて、これを「遺留分」といいます。「遺留分」と似た言葉に「法定相続分」があります。「法定相続分」も、相続人がどれくらいの割合で相続すべきかを表す用語です。ただ、遺言で本人が「法定相続分とは違う割合」を指定した場合は、原則として遺言が優先されます。また、遺言によらずに、遺産分割協議を経て「相続人全員の同意」があれば、やはり「法定相続分とは違う割合」で相続内容を決めることができます。つまり「法定相続分」は「遺言」や「遺産分割協議」により(原則として)排除できます。

これに対して、「遺留分」の方は排除できません。相続人の最低限の権利を守るためのルールなので、「遺言」によっても、「遺産分割協議」によっても、「遺留分」はそれ以下に減らすことができないのです。

■法定相続分 → 「遺言」や「遺産分割協議」で変更できる
■遺留分  → 相続人の最低限のラインなので、原則として変更できない

遺留分の優先関係

ただし、「遺留分」を主張するかどうかは相続人の自由ですので、遺留分権利者が(自分に権利があるにもかかわらず)もらわなくてよい、と考えれば行使しないことができます。

遺留分はどれくらい?

では最低限の分け前である「遺留分」は、相続財産に対してどれくらいの割合なのでしょうか? 単純にいえば「遺留分」は「基礎財産(=被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額)」の1/2(ただし、直系尊属のみが相続人である場合は1/3)です。なお「”被”相続人(=つまり亡くなった方)」の「兄弟姉妹」には遺留分はありません。

豆知識 遺留分のポイント
・基礎財産の半分(1/2)は遺留分である
・直系尊属のみが相続人である場合は1/3である
・兄弟姉妹には遺留分は無い

民法1042条等

ちなみに、初心者向けのイメージとしては上記のように「遺留分は法定相続分の半分(直系尊属のみが相続人である場合は1/3)」と思っていただいても間違いではないのですが、生前贈与があった場合の調整など、遺留分の計算には論点が多いため、このイメージだけで実際に金額を計算するのは難しいです。ここはあくまでも、大まかな理解を優先させた表現であることに注意してください。

豆知識 生前贈与等があると遺留分侵害額は調整される
・遺留分の算定の基礎となる財産は、積極財産から債務を引き、贈与がある場合はその額を加えたものです
・贈与は相続開始前の1年間(相続人に対する贈与は10年間)にしたものに限り基礎財産に加えます(ただし当事者双方が「遺留分権利者」に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前のものも含みます)(民1044)
・「遺留分権利者」が受けた贈与等は、遺留分侵害額の請求額から控除されます(民1046)

(実際の遺留分の計算には論点が多いため、具体的な事案に当てはめるときは早合点しないように注意してください。)

民法1044条、1046条等により作成
 

法人に遺贈寄付したら、相続税はかかる?

以上、「遺贈寄付」は、遺言によって行うことと、遺言の具体的作成方法、遺贈の趣旨や遺留分への配慮というポイントを説明してきましたが、最後に遺贈寄付に「相続税」がかかるのかどうかについて検討しておきましょう。

相続税とはなにか?

こたえを言う前に、そもそも「相続税」とは何か? ですが、簡単にいうと「遺産に課される税金」のことです。故人の「財産」を相続すると相続税がかかり、受け取った人(相続人や受遺者)がこれを納めることになります。
この場合の「遺産」つまり「相続税の対象となる財産」の概念が、少し複雑です。

相続税の対象となる財産とは

「相続税の対象となる財産」は、故人が死亡時に所有していた財産に加えて、「死亡時3年以内に贈与された財産」「相続時精算課税制度(原則として60歳以上の父母または祖父母などから、20歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度)の適用を受ける財産」、それに、「みなし相続財産(民法上の相続財産ではないものの、生命保険金等と死亡退職金等のように、相続税の計算をする際は相続財産とみなして課税されるもの)です。

ただ、これらを相続をしても、税法上のルールによって「相続税」がかかる場合と、かからない場合とがあります。たとえば、遺産が「基礎控除額」を超えなければ、相続税はかかりません。基礎控除額とは「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。(もし相続放棄をする人がいても、この場合の「法定相続人」の数に含めて計算されます。)

豆知識 相続税の対象となる財産
・故人が死亡時に所有していた財産
・死亡時3年以内に贈与された財産
・相続時精算課税制度(原則として60歳以上の父母または祖父母などから、20歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度)の適用を受ける財産
・みなし相続財産(民法上の相続財産ではないものの、生命保険金等と死亡退職金等のように、相続税の計算をする際は相続財産とみなして課税される財産)

→ただし、基礎控除額「3000万円+600万円×法定相続人の数」があるので、相続をしても相続税がかからない場合があります。「課税遺産総額」は遺産からいろいろと控除できるものを差し引いた、残りの部分ということになります。

相続税の対象となる財産

債務は遺産から差し引くことができる

相続税の計算において「非課税財産」、「被相続人が死亡したときにあった債務」、「葬式費用」は、遺産総額から差し引くことができます。尚、被相続人に課される税金で被相続人の死亡後相続人などが納付または徴収されることになった所得税などの税金については、被相続人が死亡したときに確定していないもの(相続時精算課税適用者の死亡によりその相続人が承継した相続税の納税に係る義務を除きます。)であっても、債務として遺産総額から差し引くことができます。

豆知識 葬式費用は遺産から差し引くことができるが、お墓の未払代金は差し引けない
葬式費用は遺産総額から差し引くことができるのですが、被相続人が生前に購入したお墓の未払代金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません。

遺産総額から差し引くことができる債務、できない債務


法人には原則として相続税はかからない

相続税がだいたいどんなものかお分かりいただけたと思いますが、では「遺贈寄付」をしたとき「相続税」は課せられるのでしょうか? こたえは、法人に対するものだと「原則として」かかりません。
「遺贈寄付」の多くが社会貢献活動をする団体等(法人)に対してなされるものと考えると、相続税の問題はほぼ考えなくてよさそうです。「相続税」は個人(つまり普通の人間)相続や遺贈により財産を取得した場合に課される税金であるため、法人が受けた寄付金には「原則として相続税が課税されない」ためです。

豆知識 法人は原則として相続税を課せられない→例外あり!
法人には相続税が課せられないですが、例外としては、
①人格のない社団又は財団
②持分の定めのない法人(持分の定めのある法人で持分を有する者がないものを含む。)
③特定の一般社団法人・一般財団法人
があります。
上記の者には相続税が課せられることがあり得ます。

相続税法第66条等より作成

ご注意:本文中、税金の説明や遺留分の計算、法律の定義に関しての説明については、分かりやすさを優先した表現を用いており、あくまでも一般論の説明及び個人の一意見として書いています。このため具体的な事案には必ずしもあてはまらない点、正確ではない点、多数の例外を含む点があることをご了承ください。

まとめ


以上、「遺贈寄付」について思いつく限りの要点をまとめてみました。自分が亡くなった時に、わずかでも財産が社会貢献に使ってもらえるかと思うと、なんだか自分の人生に新しい意義を感じられそうです。寄付先を考えるだけでも楽しめそうですね。

一方で、遺言の作成方法や、遺言執行者の指定などはやはりハードルになる部分であり、悩みどころです。また、「相続税」の例外や「遺留分」の具体的計算などについては、ここでは正確に説明しきれないような複雑な論点も多々あります。こうした点についてもつまづいたときに、相談に乗ってくれる窓口が寄付先側にあれば、寄付はさらに身近になりそうです。


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