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時代が変わっても変わらないヤツら「デッドプール&ウルヴァリン」

マーヴルVSカプコン3によってデッドプールというキャラクターが日本に知らしめられて13年が経った。
その奇天烈なキャラクターは日本でも瞬く間に人気を博し、ディスクウォーズ・アベンジャーズ(※)にもCV子安武人で出たし、単独映画も異例の大ヒットをした。自分も観に行った。入場特典のフィギュア(サムネイル画像のやつです)未だに机に飾ってある。
※バンダイが販売していたバチ魂バットというメンコ(作中でデッドプールさんがメンコ呼ばわりしてたんだからそうなんだろう)の販促番組。おもちゃの微妙さに対し結構マイナーキャラも拾ったりとデキはそこそこ。

一方で10年近いの時の流れは色々なモノを変えた。マーベルと20世紀FOXがディズニーに買収されて海外のディズニーランドにアイアンマンやGoGのアトラクションがおっ建つし、MCUシリーズは迷走して人気が低迷するし、世の中は配慮配慮うるさくなったし、何より世の中の人々のギャグセンスが変化してパロディ・メタネタ・内輪ネタ・演者ネタはサムいモノとされるようになった。自分も浅はかなパロディには厳しくなった。

そんな中公開されたデッドプール映画3作目「デッドプール&ウルヴァリン」はどうだったか。何も変わらない。終わったはずの20世紀FOX時代のXメン作品ネタを擦り続けるし、ディズニーが人気低迷してることを皮肉りまくるし、ゲイネタも炸裂しまくるし、マルチバース展開は失敗だったとズバッと言っちゃうし、パロディ・メタネタ・内輪ネタ・演者ネタなんでもござれだ。でもちゃんと面白いのだ。デッドプールらしくノンストップで捲し立てていたのもある。やはりギャグは勢いが大事。劇場の周りの人たちチビウルヴァリンとか肝臓さようならとかで笑ってたよ。

今回ギャグは全体的にマニアックだったと思う。自分はXメン全然通ってきてないので正直ネタが分からない。キャプテンアメリカじゃなくてファンタスティックフォーのほうかよネタも外人の顔の区別全然つかないから全然ピンとこなかったし、ガンビットとかもサプライズ枠なんだろうけどマヴカプ2にいたやつぐらいの認識にしかならないし、どのパニッシャーだよ5人ぐらいいただろってネタもパニッシャーって5回も映画化されてたんだ……ってなった。あ、書いてて思い出したパニッシャー、1作だけ午後ローで観た記憶あるわ、なんかアイスキャンディーで拷問して最後駐車場炎上させてドクロ作るやつ。
わかるネタもある。アニメもよろしく!(CV子安武人)はさっき言ったディスクウォーズネタだよね。いま観る手段あるの?

でもわからないなりにわかる。マーベル映画の歴史は、平成仮面ライダーごときで小石だらけの凸凹だなんて言ってたらこっちは荒野一面に広がる瓦礫の山レベルで失敗と迷走の歴史だったのだと。失敗するたびにゴミの山に投げ捨ててきた歴史だったと。それは今回の物語と繋がる。ウルヴァリンみたいにいつまでも過去に囚われてないで、時間管理局のおっさんみたいに未来の事考えてめんどくさくなってないで、デッドプールみたいに机の上の小さな幸せを見ろと。

時代は変わっていく。マーベルが更に迷走したり、世の中がクリーンさを求めて行っても、デッドプールとウルヴァリンはゴミ溜めのてっぺんで俺たちはここにいまーすと寝そべりながらそのへんの死体から引き千切った手をつかんで振っている。ゴミの山に投げ捨てられたけど彼らは確かに"居た"のだと。ふざけたギャグ映画だったけど、そんな深みもある気がする映画でもあった。たぶん気のせい。

最後に一つ。この映画出たあとにMCUにトニースターク復活!?みたいな発表やってたの事故でしょ。他ならぬ本家が墓掘り起こしててどうする。やっぱり迷走してるじゃないか!

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