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ECサイトでの固定客を作る手法は、中高生の頃、授業の合間に作っていたモノだった話。

最近事業者の方からSNSについて知りたい、という意見をよく聞く。コロナ禍でEコマースが急激に伸びてきた証拠ではないか。
総務省の統計によると2021年12月の2人世帯の世帯でのネットショッピング平均額が26,000円。
コロナ前の2019年の12月が16,000円。
1万円も増加している。
名目別で見ると一番増えているのが食品で、なんと36.9%も増えている。

ということで、今日はEコマースの代表格、ECサイトの話。
昨今ECサイトを作りたい!と発注し始める事業者さんも多いのだけど、ECサイトで売上を取るには、ある程度の工夫が必要だ、ということは忘れちゃいけない。


ECサイトを作っても誰も来ないのが前提。
ECサイトを作ったら全国の人に見てもらえるから、作りたいんです!早く作らないとチャンスが!という意見を聞くことがあるのだけど、ちょっと落ち着いて。カームダウン。

ECサイトを作った段階ではポツンと一軒家。

そもそもネット社会を一つの国だとすると、作りたてのECサイトは、山奥のポツンと一軒家。
全国の人に見てもらうどころか、誰の目にも触れない超隠れ家。ポツンと一軒家は、知ってもらうところから始まる。作ったらたまたま誰かが見つけてくれて、購入してくれる、そんなことはないのである。

誰に買ってもらうの?

ECサイトを作る時に一番考えた方がいいのが、誰に買って欲しいのか。
今も来てくれているお客さん?それともコロナで来なくなってしまったお客さん?それとも新しいお客さん?
それによって告知方法は変わるはずなのだ。


今も来てくれているお客さんなのであれば、ネット限定の商品を販売するのがいいかな、と思うし、

コロナで来れなくなったお客さんにはサブスクなどの便利にお届けするサービスが合うかもしれない、

新しいお客さんなら送料無料のお試しセットもうれしい。

新しいお客さんに知らせたいならweb広告だし、元既存のお客さんならSNSやHPの告知でも良い。
既存のお客さんなら来店時にチラシを渡すのもあり。
ポツンと一軒家の紹介方法、人によって違うのである。

私がお店をやっていた時は、前述した「お客さん妄想タイム」が結構役に立っていて、お客さんになって妄想することで、必要なサービスが自ずと見えてきたりする。既存客、元既存客、新規客、全てに買って欲しい、なんて言わないで。
あなたのために、と考える商品がやっぱり刺さりやすい。かつての内田友紀も歌っていた、

「オンリーユー」。

これが大事なのである。

買いたい人が買えるようにするのがECサイト。

お店2年目、ECサイトを立ち上げた。実は東京出店してる時に、ある雑誌社さんから取材の声がかかり、全国誌にのることになり、
「これは買うところを作らないと問い合わせの電話がなってジャム作れないんじゃないか」と言うところから、store‘sで慌てて作ったのである。

売りたいから、と言う理由でなく、電話対応でジャムが作れないのを防ぐため、と言う動機なのがなんとも間抜けなのだが、そこから毎月10万くらいはコンスタントに売れるようになっていた。
売り上げの10分の1くらいは取れていたのだから、間抜けな動機も捨てがたい。

数が作れないジャムを限定で出すと、ネットで他の商品と合わせて買ってくれるし、毎月買ってくれる人や、内祝いにたくさん注文してくれる人がいてくれて嬉しかった。

ECサイトでのロイヤルカスタマーを増やすためにやったこと。

ネット購入のお客さんは顔が見えない。せめてお手紙を書こう、ということで、果物の生産地とその地域のことを書いた。あとは生産地のパンフレット。

「この前収穫に行ったら鹿に遭遇しました」
「この地域ではレモン作りが盛んです。道の駅ではチャキチャキのおばあちゃんがいるので、ぜひ立ち寄ってください。」
「静岡では一番茶が始まりました。この生産地ではお茶摘みが始まっています。」

秘密の一方通行の片思いの手紙である。
とにかく手書きで書いた。
そうしたら注文が増えてしまい、書けないことも出てしまったのもこりゃまたなさけないのだが。

お子さんの内祝いの際には、お子さんの写真のメッセージカードをつくる時もあったし、代わりにメッセージを代筆することもあった。

こうやって書いていると、ああ、忙しかったけど、なんで幸せな日々を過ごしていたんだ、と本気で思う。
デジタルトランスフォーメーションとか、ウェブマーケティングとか最近カタカナで書くことが多いのだけど、私のロイヤルカスタマー作りは、とにかくアナログだった。

いっぱいある時はちょっと大変

pcで作った同じ文面を送るのもいいけれど、中高生の時、友達にこっそり回したメモみたいにちょこっと折って、こっそり忍ばせる。あの右側と左側にできた三角に角をはめて作るやつ。

4つ折りの時もあったし、カードの時もあった。
封筒に入れない、そんなコロンとしたメッセージがなんだかいいな、と思った。

代筆屋さん


もし、コロナ禍でECサイトを始めた人がいたらぜひお手紙を書いてみて。
「今日美味しいカレーうどん屋さんを見つけました」
「お店の近くの梅が咲き始めました」
どんなくだらない内容でもいい、いまはそんな人の温かさが恋しい時期だから、もらったら嬉しいと思う。