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年男になる前に12年を振り返ってみる

今年もいよいよ終わりですね。7月から始めたnoteもなんとか25本の記事を書かせて頂きました。読んで頂けた方に感謝感謝です。ちなみにビュー数TOP3の記事は以下でした。

【1位】石川善樹さんへのインタビューで知ったWell-beingの幅の広さ
【2位】ロボット研究開発者はロボットの魅力を引き出し、魔力と戦わないといけない
【3位】ファッションモデルと義足

年末にあたり、色々なところで色んな方が1年の振り返りをされていますが、来年は干支の最初のネズミ年ということで会社の先輩が面白い質問をされていました。

「前回のネズミ年のときは何をしていましたか?」

というものです。
2008年というと、私はちょうど医療福祉ロボットの研究で修士課程を修了し、博士課程に進学した年になります。ありがたいことに大学の助手にもなることができ、お給料というのを初めて頂いた年でもあります。

この質問に加えて、私はちょうどネズミ年生まれということもあり、せっかくなので、この12年を何をしたのか?ということを振り返っておきたいと思います。

メインの所属で言うと、「早稲田大学理工学術院」⇒「大阪大学医学系研究科」⇒「パナソニック ロボット部門」というように所属は変わりました。

変わらないこと

変わらないことは、何らかの形で「ロボット」に携わった12年間でした。早稲田時代は作る側として医療福祉向けのロボットを研究し、阪大時代は使う側として看護の現場で使うテクノロジーについて考えました。
当時の研究は論文や新聞以外はあまり残っていなのですが、1つだけはyoutubeに上がっています。(若かりし安藤も映っています。笑)

パナに入ってからは、初めこそ洗髪ロボットでしたが、その後は細胞培養ロボット、車いすロボットと、実際のお客さんの現場に投入するためのロボット技術の開発が主になりました。

「できたこと」と「できなかったこと」

できたこと?としては、文字に残すということはそれなりにできた。これは好き嫌いもあるかと思いますが、最初に論文を書いたのが2008年で、それ以来、論文約40本、国際学会30本、特許出願40件という感じです(筆頭以外も含んでいます)。書けばよいという話ではないですが、「数も大事だ」ということと、「やったことを定期的に纏めるということは習慣付けることができた」12年間だったと思います。

一方、「Patent」「Paper」「Product」という大事にしている3Pの視点では、特に「Product」という視点がもう一つだった。単純なモノづくりという視点では、プロトタイプはたくさん作ったけど、まだまだ商品化にはたどり着けなかったというのが正直なところです。とにかく、商品という形で世の中にロボット技術を実装していきたいと思い、大学から企業に主な活動の場所を移しました。結果として、お客さんからお金を頂いてモノを作る、実際に使ってもらうということはありましたが、量産品としてカタログ品として世の中に出すことが出来なかったというのは大きな反省点です。

前半の5年は、先行研究をインプットとして、論文などをアウトプットとするサイクルが回ったような気もしますが、後半はインプットである顧客の声を十分に昇華しきれずにアウトプットの精度が悪かったという感じでしょうか!?

ただし、世の中に出すということが、どのように行われるのかというのを学べたのは次の12年にとって大きな経験だったと思います。信頼性とか品質とか原価とか製造とかエンジニアとして考えるべきことや、新規事業や戦略といった事業家?として体験すべきことを、まだまだ上手く行っていませんが、苦しみながら知れたことは本当に貴重でした。

次の12年

では、次の12年は何をするのか?結論から言うと、「わかりません!」。最近は色々なところで、「未来をどのように考えているのか?」、「2050年の***はどうなっていると思うか?」、「何年先を見据えて活動しているのか?」という質問を受けることが増えてきました。答えは「わかりません」です。この12年を振り返って思うことは、思ったより12年は短いというか、今思っていることを成し遂げるだけでも、あっという間に12年は過ぎてしまうというか、成し遂げることすら難しい、ということです。

というわけで、今思っていることを、愚直にやっていきたいと思います。

自動化すべきことは自動化する、自分でやりたいことは自分でやる、自分のありたい姿でいられるようにする。それらのバランスが取れた社会。社会も個人も豊かに生きられるような技術、空間、街、社会を創っていければと思います。

この想いはNoteを始めたことから、基本的には考えていることは変わっていないと思います。

そのような中では、きっとこれまで以上に「ロボット」以外の比重が高くなっていくのかなぁと思っています。ベースは大事にしながらも、積極的に新しい分野にも混ざり合っていきたいと思います。そのときの「ヒト」「身体」「意識」や「街」とか「コミュニティ」とかが今のところは個人的なキーワードになりそうです。

今回の干支一周そして本年も大変お世話になりました。この12年本当に好き勝手にやってこられたのも、日ごろからご支援頂ける方や時に厳しくもご指導いただける皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
来年もよろしくお願いします。

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