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新型コロナ対応のために武漢の病院などで使われているロボット達

新型コロナはいよいよ国内でもスゴイことになってきました。この一週間で沢山受けた「こんなときこそロボット使えないのか?」という質問についてわかる範囲で調べてみました。接触を避けるという目的で「搬送ロボット」「遠隔コミュニケーションロボット」などはある程度は使われているようです。

施設内搬送:キーン・オン・ロボットなど

杭州の病院・ホテルにロボット16台導入され、隔離された人たちに食事を運んでいます。これまでは「ピーナッツ」という愛称でレストランでの食事の自動搬送に使われていました。中国で最も普及しているロボットの1つと言っても良いでしょう。最近は日本でも展開が始まっています。

この他にも「瀋陽新松機器人自動化」が、医療ロボット7台と搬送用ロボット14台を瀋陽で利用というニュースも出ています。

屋外搬送ロボット:JDドットコム(京東)

JDドットコム(京東)は、武漢で自律型配送ロボットを複数台導入しているようです。もしかしたら、まだテストフェーズかもしれませんが、動画などではかなりの多くの台数が使われているような感じもします。オープンになっている情報では、医薬品を仁和の配送ステーションから武漢第9病院までの600メートルにわたり屋外で配送しているようです。

JDドットコム(京東)は日本でも使われており、楽天が屋外搬送の実証活動を積極的に実施しています。

医薬品搬送という観点では、日本の「テラドローン」も浙江省での活用が始まったようです。

殺菌・滅菌ロボット

上海のTMiRob社が開発した消毒用ロボットは30台以上が武漢の病院の隔離病棟、集中治療室、手術室、外来部門に導入されているようです。白色のロボットの頭頂部には過酸化水素の噴射器が装備され、腹部には紫外線ランプ9個が組み込まれています。

この他、広東人民病院と杭州第一人民病院では、Xenex社の無人搬送ロボットが使われているとのこと。紫外線で殺菌する機能を有しており、殺菌に加えて、1回あたり4人分の食事を同時に届けることも可能なようです。

テレプレゼンスロボット:上海交通大学など

遠隔で診断できるロボットとしては、上海交通大学が開発したAirFace 2台が医療チームの派遣先である武漢市第三病院の重症者病棟で使われているようです。この類のロボットはオフィスなどでも使われているくらいなので、もっと使われてもよいような完成度があるはずなのですが、現在は2台が隔離病室にいる患者の観察と診療を行っているようで、患者と医療従事者間のコンタミを防ぐようになっています。

その他:体温計測ロボットなど

広州では、5Gを使ったパトロールロボットやドローンによる注意喚起、消毒液噴霧、体温チェックが行われてたり、深圳では、街路清掃や消毒に自律移動型ロボットを使っているようです。

まとめ

じっくりと調べられていないので、漏れなどはまだまだあるかもしれませんが、現状のロボット活用状況でした。テレプレゼンスはもっと広く使われて、世界中の医師が診断できればとも思いましたが、ロボットだけ存在していてもダメで、患者さんが過ごす場所、診断に必要な機器などのインフラとセットとなって活躍ができるんでしょうね。

残念ながら、日本のロボットは、テラドローンの医薬品搬送以外はPepperが少し使われているくらいのようです。誤解を招く表現になってしまうかもしれませんが、東日本大震災のときのような(ロボットにとってという意味で)極限作業ではないにも関わらず、すなわち使い方としては屋内を自動で動くという単純な作業(人にとっては極限作業であることは間違いないです)においても、日本のロボットが十分活躍できていないのは、自戒の念も込めて、しっかりと反省しないといけないですね。自社で開発しているHOSPIがすぐに武漢の病院に導入できるか言うと、やはりロボット用の地図を作って、調整してと、「はい、すぐに導入できます!」という状況ではありませんでした

こういうときにパッと寄付できるようなコストでないといけないし、パッと渡してすぐに使える「Easy to Use」な状況にすることが、ロボット普及のカギになると改めて思いました。

こんな大変なときに、何をロボットの紹介をしているだとお叱りを受けるかもしれませんが、少しでも現地での情報として役に立てば、もしくは別の地域に広がってしまったときのための情報として書かせて頂きました。

【追記】
2/15:テラドローンについて追記しました

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