マガジンのカバー画像

鎌長の視点

44
運営しているクリエイター

2020年5月の記事一覧

受け身のリーダーシップという戦略

受け身のリーダーシップという戦略

2020年5月半ばの段階では、日本は他国に比べて、新型コロナウイルスの感染拡大のスピードを抑え、死亡率を下げる、という意味ではまずまず上出来だと言えます。5月16日時点で、直接の原因で死亡した人の数は725人であり、これは10万人あたりにすればスペインの100分の1に近く、アメリカでも50分の1日に近い、ドイツですら20分の1程度です。

しかしこれらの国に対し、日本のリーダーの評価はかなり低いも

もっとみる
今は全国組織にとってはチャンス

今は全国組織にとってはチャンス

青年会議所もそうですが、地域の組織があって、その総合調整組織となっているような全国組織にとって、「オンラインで集まれる」今の状況は非常にチャンスです。

例えば、日本青年会議所は3万人の個人メンバーを有する全国組織ですが、全国組織としての日本青年会議所にとって個人会員へ直接訴えかける手段は実はあまりありません。メーリングリストは全員が見てくれるわけでもありませんし、全国規模の大会は興味があっても来

もっとみる
[JC論]JCと価値デザイン社会

[JC論]JCと価値デザイン社会

2019年からJCI日本では、価値デザイン社会の実現を目指した運動を展開しています。価値デザイン社会は、JCI日本も議論に参加した「内閣府 知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会」において提言された、日本が今後目指していくべき社会のビジョンです。

少子化による人口減少により需要が減退し、国際競争力が落ちつつある日本において、20年後、30年後も明るい豊かな社会を築いていくためには私たちは何を目指

もっとみる
商工会議所は食事券等の前売りに保証をつけるべき

商工会議所は食事券等の前売りに保証をつけるべき

日本商工会議所の感染症対策事業まとめにある通り、各地で多くの食事券等の前売り事業が始まっています。飲食店の資金繰り支援という意味では有効であり、タイムリーな取り組みです。

しかし、専門家会議の5月1日の見解では、新型コロナウイルスの感染が持続的に続くとみられる以上、営業を再開しても客足の戻りは低調とみられる上に、食事券を利用されることで収入が入らなくなると飲食店の経営はさらに厳しくなります。賃料

もっとみる
「コロナデバイド」とSDGsの理念

「コロナデバイド」とSDGsの理念

アメリカの経済再開ガイドラインでは、新型コロナウイルスのリスクの高い高齢者は、経済が再開しても一定の間行動が抑制されるようになっています。また、再開シミュレーションでも、高齢者の隔離は死者数の抑制と経済損失の抑制を両立するのに役立つとの見込みがあります。

米MITのIvan Werning氏の一連のTweetより

さらに、高齢者のほうがウイルス排出量が多いと考えられています。このため、経済

もっとみる
中小企業への劣後ローンと無議決権株式の活用を

中小企業への劣後ローンと無議決権株式の活用を

5月4日の専門家会議の提言で、新型コロナウイルスが1~2年の間持続的に経済に影響を与えることがはっきりしました。当初は終息までの2,3か月のつなぎ資金を確保すれば大丈夫だというのであったのが、1年以上耐えなければならない、というのでは、もはや企業の存続にかかわります。企業活動の本質的な方向転換が避けられません。

しかし、方向転換を行うにしても、そのための資金が必要です。しかも、早期退職等の人員整

もっとみる
財政論雑感

財政論雑感

今日財政均衡派の人と、どんどん金刷れ派の人との会話を聞いていて気づいたのですが、この二人がいつまでたってもかみ合わない理由は時間軸が違うから、ということです。

財政均衡派の人は「このままお金を垂れ流し続けるのを永久に続けられない」って言ってて、金刷れ派の人は「ここ数年は大丈夫だ」って言ってて、どっちも正しいけど、時間軸が違うから全くかみ合わない。

そして、どっちも正しく感じられないのは、結局、

もっとみる
コロナ長期化で中小企業が取るべき道

コロナ長期化で中小企業が取るべき道

緊急事態と「新しい生活様式」を繰り返す5月1日の専門家会議の提言書では、下図のように1年~2年の間感染が拡大する緊急事態と「新しい生活様式」を繰り返すとの見通しが出ています。国も数か月での終息はなく、少なくとも1年程度は感染症対策を行いながら経済活動を行うしかない、ことを認めたことになります。この結果大規模な景気悪化は避けられません。

「新しい生活様式」のポイント

5月4日の専門家会議の提言書

もっとみる