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半径3メートルから世界を捉える

「企画は半径3メートル以内にいっぱい転がっている」

この言葉が頭から離れない。ジブリの宮崎駿さんの言葉だ。詳しくは同じくジブリの鈴木敏夫さんの著書『仕事道楽』に書いてあるが、宮崎駿さんは作品のヒントを半径三メートルで接する人々から得ているというのだ。

「ジブリで起きていることは東京でも起きている。東京で起きていることは日本中で起きている。日本中で起きていることはたぶん、世界でも起きているだろう(『仕事道楽 新版』65pより)」

これも宮崎駿さんの言葉だ。スタジオ内にいるスタッフの机をまわり、置いてある漫画や聞いている音楽を「これ、何がいいの?」と訪ねてまわるらしい。半径三メートルにいる一人一人を観察することが、企画のタネにつながっているのだという。このことを知ってから意識的に半径三メートルを観察するようになった。

室内だけではなく移動中や電車の中もそうだ。例えば散歩しているとき。もともと僕は建物の2階以上を見るようにして歩いている。これは2階以上に入っているお店や看板をみるのが面白いからだ。

最近はこれに加えて、意識的に半径三メートルに視点を切り替えるのが面白い。意識してみると半径三メートルはあまりに近く、いかに自分が手の届く範囲のものを観ていないか痛感する。そもそも基本的にスマホばかりみているのだ。

半径三メートルを観察すると、そこから色々な妄想が膨らんでくる。「あの人ぬれてるけど傘わすれたのかな」「あのスケートボードはどこで買ったんだろう」「このロゴよく見るけど流行ってるのかな」

距離を感じずに世界中とつながれるインターネットも大好きだけれど、意識的にスマホの画面から目を話して、半径三メートルを観察することで気づくことがたくさんある。むしろ近くにあるものを深く観察することが、世の中を捉える近道なんじゃないか。そんなことを最近考えている。

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