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知られざる太平洋戦争のドラマ

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太平洋戦争にまつわる数々のドラマを執筆。激闘の裏に隠された、興味深いエピソードをご紹介します。
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2019年8月の記事一覧

知られざる太平洋戦争のドラマ⑨

知られざる太平洋戦争のドラマ⑨

義足の撃墜王、檜與平の復活劇
「鉄脚」の異名を持つ陸軍飛行士

戦闘機の機銃は金属をも撃ち抜く威力があり、そんなもので人間が撃たれたらひとたまりもない。生き残ることが出来たとしても、手足の切断となることも珍しくはなく、不具となった負傷兵は前線から帰還するのが普通だ。
しかし第二次大戦時では、義足を使って戦場に戻り、エースと呼ばれる活躍をしたパイロットもいる。有名なのは、ソ連対空部隊との戦いで右足を

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知られざる太平洋戦争のドラマ⑧

知られざる太平洋戦争のドラマ⑧

市丸少将が残したルーズベルト大統領への遺言硫黄島における海軍の戦闘

1944年7月、マリアナ諸島の占領でアメリカ軍はB-29爆撃機の拠点を得たのだが、日本本土の空爆については大きな結果を出せなかった。なぜなら、航続距離の不足で護衛機をつけられず、当初の作戦では迎撃されることも少なくなかったからだ。
そうした問題を解決するため、アメリカ軍は小笠原諸島の硫黄島を中継基地にする作戦を発案。日本軍も硫黄

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知られざる太平洋戦争のドラマ⑦

知られざる太平洋戦争のドラマ⑦

ソ連戦車を圧倒した九五型軽戦車「ハ号」の勇姿ソ連軍と日本軍との国境紛争「ノモンハン事件」

現在でも評価されている旧日本軍の航空機や海軍兵器と違い、陸軍の戦車はとにかく軽視されやすい。しかも、対戦車戦を想定した強力な戦車を保有した欧米諸国と違い、当時の日本は戦車を歩兵支援用としか考えない将校が多かった。
日本陸軍は最後まで低性能の戦車しか持てず、米英戦車に苦戦し続けたのはまぎれもない事実だ。しかし

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