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第2章 毒の博物館 2-2 植物の毒のいろいろ コラム02 ウマノスズクサとバルカン腎症:「特別展「毒」」見聞録 その06

2023年04月27日、私は大阪市立自然史博物館を訪れ、一般客として、「特別展「毒」」(以下同展)に参加した([1],[2])。

同展「第2章 毒の博物館 2-2 植物の毒のいろいろ コラム02 ウマノスズクサとバルカン腎症」(図05.01,[3],[4]のp.33)で、『バルカン腎症・その病因の最新情報』(図06.02)、ならびに、その原因植物であるアリストロキア・クレマティティスの標本と種子(図06.03)が展示された。

図06.01.ウマノスズクサとバルカン腎症。
図06.02.上:『Balkan endemic nephropathy: an update on its aetiology(バルカン腎症・その病因の最新情報)』。
下:パンコムギの種子。
図06.03.向かって左から、アリストロキア・クレマティティスとアリストロキア・クレマティティスの種子。

ウマノスズクサ科植物に含まれるアリストロキア酸が、バルカン地方の風土病であるバルカン腎症を誘発することが明らかになった([5])。

オクラトキシンAもまた、バルカン腎症の原因とされる([6])。

アリストロキア酸を含む植物が生息するバルカン半島特有の風土病であるバルカン腎症、および、台湾におけるアリストロキア酸を含む漢方薬草による漢方薬腎症が、腎盂・尿管癌の発生に関連していることが示されている([7])。

バルカン腎症関連資料は少ないので、文献検索には苦労したことも記す。


参考文献

[1] 独立行政法人 国立科学博物館,株式会社 読売新聞社,株式会社 フジテレビジョン.“特別展「毒」 ホームページ”.https://www.dokuten.jp/,(参照2023年05月25日).

[2] 関西テレビ放送株式会社.“特別展「毒」”.関西テレビ ホームページ.EVENT イベント情報.https://www.ktv.jp/event/dokuten/,(参照2023年05月25日).

[3] 独立行政法人 国立科学博物館,株式会社 読売新聞社,株式会社 フジテレビジョン.“第2章 毒の博物館”.特別展「毒」 ホームページ.展示構成.https://www.dokuten.jp/exhibition02.html,(参照2023年05月14日).

[4] 特別展「毒」公式図録,180 p.

[5] 学校法人 九州文化学園 長崎国際大学 学術機関リポジトリ.“薬害をひきおこした薬草”.長崎国際大学 学術機関リポジトリ ホームページ.研究論文.長崎国際大学論叢.第17巻.https://niu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1149&item_no=1&page_id=13&block_id=56,(参照2023年05月25日).

[6] 東京都福祉保健局 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当.“食品衛生上問題のあるカビ毒 オクラトキシン”.東京都福祉保健局 食品衛生の窓 ホームページ.たべもの安全情報館.知って安心~トピックス~.カビとカビ毒.https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kabi/kabi2-3.html,(参照2023年05月25日).

[7] 公益財団法人 日本医療機能評価機構.“疫学 CQ1 喫煙を含め腎盂・尿管癌の危険因子にはどのようなものがあるか?”.Minds ガイドライン ライブラリ トップページ.CQサマリー一覧.CQサマリー.https://minds.jcqhc.or.jp/n/cq/D0002629,(参照2023年05月25日).

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