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10.のぞいてみよう!子どもの世界・おとなの世界― みんなでつくる未来社会へ ―:「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」見聞録10

2024年06月29日、私は「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」(以下同イベント)に一般客として参加した([1])。

 

「のぞいてみよう!子どもの世界・おとなの世界― みんなでつくる未来社会へ ―」で、大学院人間科学研究科 比較発達心理学研究分野 鹿子木研究室(以下同研究室)は乳幼児期の社会的認知(Social cognition)に関する実験心理学的方法での研究を紹介し、かつ、赤ちゃん・子ども研究に関する「謎解きゲーム」や「模擬調査体験」を通したアウトリーチ活動を実施した(図10.01,[2],[3])。

図10.01.「のぞいてみよう!子どもの世界・おとなの世界― みんなでつくる未来社会へ ―」。


同研究室は、同研究室による以下の研究を発表した(図10.02,図10.03)。

1.8ヵ月の乳児も“悪者”を罰する 前言語期乳児の道徳的行動を解明:人間科学研究科 教授 鹿子木康弘([4])。

2.幼児の「スケールエラー」、発達ピークと言語能力の関連性を解明:人間科学研究科 助教 萩原広道([5])。

また、他の研究者らによる以下の興味深い研究も紹介した(図10.02,図10.03)。

1.赤ちゃんは生まれたときから既に様々なことを知っていて、それに基づいて新しいことを学んでゆく。

2.隠した玩具が無くならないことを、赤ちゃんは日々の成長過程で学んでゆく。

3.赤ちゃんは周囲の環境に適応するために、色々な顔を見分ける能力から、自分がよく見る顔を見分ける能力に特化させる。

4.人は主に他者や自身との関わりを通して社会的な経験を積むが、子どもは自己の経験や知識を基に他の存在を理解しようとする。それ故、子どもは周囲の世界を理解するとき、擬人化を行うことがあるが、擬人化されたものは代理的な社会的繫がりとしても機能する。

5.空想の友達がいる子どもは、物事に対してポジティブに捉えやすく、攻撃性が低い。また、他者の心の推測が上手で、コミュニケーション能力が高い。

図10.02.「赤ちゃんってすごい!子どもにもみえるおとなの世界」。
図10.03.「おとなとは違う!? ふしぎな 子どもの世界」。


同研究室による他の研究成果も非常に興味深いものである([6])。

非常に興味深い研究成果を見せたことに関して、私は同研究室に感謝している。



参考文献

[1] 国立大学法人 大阪大学 共創機構.“大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』”.大阪大学 共創機構 ホームページ.NEWS&TOPICS.2024年06月07日.https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/news/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%B1%E5%89%B5dayexpocity-2024%E3%80%8E%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%82%81%E3%81%8F%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%81%E3%81%8F%E6%9C%AA%E6%9D%A5/,(参照2024年07月03日).

[2] 国立大学法人 大阪大学 大学院人間科学研究科 比較発達心理学研究分野 鹿子木研究室.“研究内容”.鹿子木研究室 ホームページ.https://baby-lab.hus.osaka-u.ac.jp/research,(参照2024年07月10日).

[3] 国立大学法人 大阪大学 大学院人間科学研究科 比較発達心理学研究分野 鹿子木研究室.“2024.07.01 | 大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』に出展しました。”.鹿子木研究室 ホームページ.News.お知らせ.2024年07月01日.https://baby-lab.hus.osaka-u.ac.jp/archives/2003,(参照2024年07月10日).

[4] 国立大学法人 大阪大学.“8ヵ月の乳児も“悪者”を罰する 前言語期乳児の道徳的行動を解明”.Research at Osaka University:ResOU ホームページ.社会科学系.2022年06月10日.https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2022/20220610_1,(参照2024年07月10日).

[5] 国立大学法人 大阪大学.“幼児の「スケールエラー」、発達ピークと言語能力の関連性を解明”.Research at Osaka University:ResOU ホームページ.社会科学系.2024年03月29日.https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2024/20240329_2,(参照2024年07月10日).

[6] 国立大学法人 大阪大学 大学院人間科学研究科 比較発達心理学研究分野 鹿子木研究室.“研究成果 Achievements”.鹿子木研究室 ホームページ.https://baby-lab.hus.osaka-u.ac.jp/achievements,(参照2024年07月10日).

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