現代建築の日本的性格|〈創造的代用〉としての新興木構造【3】
戦時中、建物に鉄が使えないので大空間を木でつくることになった「新興木構造」(図1)。これまで2回にわたって書いてきましたが、これで完結。今回は、「新興木構造」は、木構造研究の進展だけでなく、日本精神と科学技術の関係を刷新したのでは中廊下、的なお話し。
図1 新興木構造
戦時下にあって、各種建築資材の配給が開始。鉄筋は竹で、カーテンレールは段ボールで作られたいわゆる「代用建材」が続々とあらわれるなか、川本鈞一は「創造物資と意匠」(『建築雑誌』1942.12)にて、代用物資を