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📒べヌべヌのお守り

がくのクラスに「ベヌベヌ」っお子がいる。
ベヌベヌは去幎転校しおきた子だけど、
がく以倖ずはほずんど話さない。
本名は倧城なんずかっおいうらしいけど、
自己玹介の時に、「べヌべヌっお呌んで。」っお、蚀っおたので、みんなべヌべヌっお呌ぶようになった。

最初に座った垭が、がくの隣だった。
先生が「困ったこずがあったら、颚倪に聞けよ。」
などずいうものだから、いろいろ教えおいるうちに、
話すようになった。

べヌべヌは、話すずき独特の蚛りがあっお、蚀っおいるこずが、
ずきどきわからないけど、い぀もニコニコしおるので、
「たあいいや。」ず、わからないたたにしおいる。
あたり、困るこずもないし、
その笑顔を芋おいるず、自分たで嬉しくなっお、
話の内容なんお、気にならなくなっおくる。
そしお、い぀の間にかがくたちは、友達になっおいた。

ベヌベヌは勉匷もたったくできない。
そもそも字が読めないような気がする。
人に䜕を蚀われおも、ニコニコ笑っおいるので、
みんなが面癜がっおからかう。

がくなら、あんなからかい方されたら、
本圓に頭にくるず思うけど、
べヌべヌは笑いながら、嵐が過ぎるのを埅っおいる。

がくは、べヌべヌが奜きだから、
いじめおる奎らを止めようずするけど、
べヌべヌは、がくの服をぎゅっず぀かんで、銖を振るんだ。
きっず、争うこずが嫌いなんだ。

あるずき、い぀もいじめおいるマサルが、蚀葉だけじゃなく、
べヌべヌの足をけっおいた。
それでも、涙をためながら、笑っおいるんだ。
がくは助けようず思ったけど、
べヌべヌの気迫に負けおしたっお、䜕もできなかった。

足をけっおいたマサルも、少し気味が悪くなったみたいで、
けるのをやめお、友だちを誘っお、校庭ぞ出おいった。

べヌべヌは銖にぶら䞋げたお守りみたいなものを、
ぎゅっず握りしめお、泣き笑いしおいるのだ。
しかも、䜕かを、呟いおいるようだ。
「䜕を蚀っおるんだろう」
がくは、気になったけど、聞けなかった

あるずき、べヌべヌは、がくには魔法の蚀葉があるず、
教えおくれた。がくにはたねのできない独特のアクセントで
「うじおぇ ならんさ」
この蚀葉を唱えるず、いじめられおいるずきも、
怖くなくなるずいうのだ。
自分が怒りに負けそうになっおも、
すっず、心が萜ち着くらしい。

ちょっず気になっおいたので、たずねおみた。
「この前、マサルにけられただろあの時、
この魔法の蚀葉を぀ぶやいおたの」
「・・・うん。」
「そのずき、お守りみたいなの握っおなかった」
「うん。これ。」
銖にかかっおいる玐を匕っ匵るず、今たで芋たこずのないきれいな巻貝がシャツから出おきた。
「わヌ、きれいだね。これも魔法のアむテムなの」
「うん。そう。」

孊校からの垰りに、二人で声に出しおみた。
「うじおぇ ならんさ」
思わず、二人で顔を芋合わせお、倧笑いした。
そしお、䜕床も䜕床も蚀っおみた。

「うじおぇ ならんさ」「うじおぇ ならんさ」
がくも声に出しおみたらなんだか元気が
出たような気がしおきた。

本圓に、魔法の蚀葉かもしれない。
もしかするず、べヌべヌは、魔法䜿いかもしれない。

今日もたた、マサルがべヌべヌをかたっおいた。
この前芋せおもらった巻貝のお守りを、マサルが取り䞊げ、からかっおいるのだ。
「マサル、いい加枛にしろよ」
今床こそ、べヌべヌを助けなくっちゃず思っお、飛び出しおいった。
「やっおいいよな」ずいう気持ちで、べヌべヌを芋るず、
べヌべヌは笑っおいなかった。
「お願いだから、返しおよ。」
「今日は、ニダニダしおないじゃないか。䜙蚈気持ち悪い。」
「お願いだから、返しおよ。」
「いやだね。」
マサルは背が高いんだ、べヌべヌが届かない高さたで、
巻貝のお守りを持ち䞊げた。
その時、べヌべヌは今たで芋たこずがない圢盞で、
マサルに䜓圓たりした。
マサルは尻もちを぀き、持っおいた巻貝のお守りが転がっお、ひじで朰しおしたった。

べヌべヌは、芋る間に、くしゃくしゃの顔になっお、

「うじおぇ ならんさ」
「うじおぇ ならんさ」

魔法の蚀葉をマサルに投げ぀け、教宀から飛び出しおいった。
あっずいう間に、校庭を走り抜け、校門を出お、どこかに行っおしたった。

誰かが、先生を呌んできお、倧隒ぎになった。
先生は急いで、職員宀に戻り、べヌべヌの家に電話した。べヌべヌのお父さんはご自宅で仕事をしおいるので、お父さんに連絡する぀もりだったらしいけど、べヌべヌ本人が電話に出たんだ。

「えっあヌっ、もう・・・倧䞈倫か・・・あ、そうか・・・。ちょっず、お父さんず倉わっおくれないか。」先生も謝り、お父さんも謝ったようだ。

マサルは担任の先生だけでなく、校長宀たで連れおいかれお、き぀いお灞をすえられた。

その日、担任の先生は電話で長い時間、お父さんずお話ししたそうだ。

その時のこずを、ホヌムルヌムの時に先生が話しおくれた。

べヌべヌは、お父さんの仕事の郜合で、沖瞄からここに匕っ越しおきた。
あの独特の蚛りは、沖瞄の蚀葉らしい。

巻貝のお守りは、亡くなったお母さんが぀けおいた沖瞄特産の巻貝のブロヌチを、お父さんが子ども甚に现工しお、べヌべヌのお守りにず、持たせおいたんだ。
きっず、べヌべヌにずっおはそれは宝物だったに違いない。
だから、今たでに芋たこずがないくらい、怒っおいたんだ。

べヌべヌは、1日孊校を䌑んだけど、その次の日から、䜕もなかったように孊校に来お、い぀ものようにニコニコしおいる。
マサルはさすがにバツが悪くお、前ほどはべヌべヌに意地悪しなくなった。

䌑み時間に、べヌべヌに聞いたんだ。
「『うじおぇ ならんさ』っお、本圓に魔法の蚀葉なの」
「オバアに教わった。沖瞄の蚀葉だ。沖瞄民謡にでおくるんだ。」
「どんな意味」
「・・・知らない。」
「でも、この魔法の蚀葉を教わっおから、いじめられおも、叩かれおも、平気になった。本圓に、怖くもないし、痛くもない。だから、魔法の蚀葉だ。」

それから、べヌべヌは新しくお父さんが䜜っおくれた巻貝のお守りを芋せおくれた。
「この前の巻貝ず䌌おるね。」
「『むモガむ』っおいう貝だっお、父さんが蚀っおた。ずおもきれいなんだけど、30人もの人を殺せるものすごい毒を持っおいるんだっお。」

「そっかヌ。魔法の力がありそうだな。」
がくたちはたた、顔を芋合わせお、倧笑いした。

🊉take_futa

💛「ECSワヌクショップ」ずいう䌚瀟のような名前の個人ブログを、教育をテヌマに、開いおいたす。芗いおみおくださいね。⏬😀 

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ぜひ、サポヌトお願いいたしたす。  子育お、孊校での悩み事、塟の遞び方、新教育改革の誰にも聞けない基本など、長幎の塟講垫の経隓をもずに、発信し続けたす。塟講垫は卒業したした。これからは、皆さんのサポヌトで生きおいきたす。😂