女性就労 もう一つのM字
日経新聞に女性就労の記事がありました。
日本の女性は理不尽な中で本当に一生懸命働いている気がしています。
私が住んでいたフィリピンは同じように女性が働くのですが、アジアではトップクラスの女性管理職が多い国であり大黒柱としてバリバリ働きながらも、子育てや家庭を大切にしていて、日本と対照的だと感じます。
日本とフィリピンが違うなぁと感じるのは、女性の働く環境と子育てのバックアップです。
フィリピンで女性が働く場合、家事は一般家庭でもかなりメイドさんを使って食事や洗濯を任せます。
子育ても旦那さんはもちろんメイドさんや同居する親兄弟、さらにご近所さんまで子供をあやしてくれるので、就労時間中は子供のことを心配しなくて済むのです。
それを目の当たりにしているので、今回は日本の理不尽を書いていこうと思います。
日本の労働時間差が映す男女不平等
について
*子育て世代の労働参加は拡大した
*高い正規の壁、改善しない労働時間の格差
*埋もれる女性の活躍を引き出すための課題は?
とみていき
女性の力を引き出さないと成長ダウンに拍車がかかる
という日本を支えてくれるのは女性の活躍だということを改めて意識したいと思います。
*子育て世代の労働参加は拡大した
日経新聞の書き出しは、
と結論ファーストで書かれていました。
男女共同参画のデータより、結婚や子供の有無を区別しない15~64歳の男女全体で見ると,日本は諸外国と比較した場合に
以前は短かった女性の有償労働時間が伸びました。
男性も女性も有償労働時間が長いのですが,特に男性の有償労働時間は極端に長いのです。これは無償労働(家事)が女性に偏るという傾向が極端に強いという事を表しています。
そのしわ寄せが女性にいくことになりました。
男女とも有償・無償をあわせた総労働時間が長く,時間的にはすでに限界まで「労働」しているのです。余力がない「いっぱいいっぱい」なんです。
これをまとめると、男性の会社での労働時間が異常に長くて、家事が出来ないから女性に負担が集中して、正規社員ではなく労働時間の短い非正規で働いて家事と両立させている!
となります。
*高い正規の壁、改善しない労働時間の格差
それを示すデータがありました。
20年の週の労働時間は、男女とも一番多いのは40-48時間です。いわゆるフルタイムで働く正社員を想像出来ます。
しかし男女比は男性が46%に対して女性は32%にとどまります。
男性はこの山1つだけなのですが、女性は週15-29時間で26%にもう一つの山が出来ています。
1日3-5時間程度のパートタイマーのイメージですね。
この労働時間を週5日労働と仮定して1日」8時間勤務で計算すると
男性は1日8時間以上働く人が就労者の7割を占めるのですが、女性は僅か4割に留まっています。
30-40歳に占める正社員の割合は男性74%、女性44%で、この傾向は年齢が上がると広がるのです。
女性が非正規を選ぶ理由が
「家庭の事情と両立しやすい(44%)」
でした。
裏返しの正社員と働く際の不満は
*定時で帰れない
*転勤がある
*子育ては女性が、という雰囲気が強い
という高度成長期の昭和時代を思わせるようでした。
*埋もれる女性の活躍を引き出すための課題は?
慶応大学の山本勲教授らが10-15年の上場企業のデータを調べたところ
女性の管理職登用率が0.1Pt上がると
総資産利益率0.5%、生産性13%アップしたそうです。
登用率が15%アップしたら明らかに業績が上向く傾向がみられたそうです。
女性が昇進の可能性をみせてあげることで、モチベーションが向上して生産性が高まったと結んでいます。
2021年のジェンダー平等ランキングでは毎年北欧が上位を占めますが、日本は韓国や中国より低い120位です。
女性の力を引き出さないと成長ダウンに拍車がかかる
思うように働けない女性の存在を示す「もう一つのM字カーブ」の解消のためには
慢性的な長時間労働勤務のような、非効率な労働慣行に是正すること
キャリアアップを促すリスキリング(学び直し)の支援
など官民で取り組む課題が大きい事を知っておくべきでしょう。
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