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3人のフェアートレードから知るトレンド未来像

昨年のレジ袋有料化による脱プラスティックや、コロナによるビジネスの変化で林業や農業など自然に触れる産業が若い世代により注目される様になって、環境に優しくなってきたなぁと感じます。

フードもファッションも大量生産・大量消費の「ファースト」から、人や環境に優しい商品を積極的に選ぶ「エシカル」がトレンドになってきました。

インスタグラムでも有名なモデルが、そういった商品をおしゃれに使い、紹介することで多くのアーリーアダプターの心にも刺さってきていると思います。

今日はそんなフェアートレードの優しい側面に注目して深堀したいと思います。

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1. フェアートレードから共感する優しい世界

皆さんはフェアートレードの商品って使ってられますか?

実は私は2018年にフェアートレードの現場を見て学ぶスタディツアーに参加し、現地の方にもお会いして、商品の良さだけでなくフェアートレードの社会に対する貢献を感じました。

そして、私が感じたキーワードは

フェアートレードは
雇用を守り顧客を満足させて社会を変える。

と言うことです。

現地の人に優しいというところにフォーカスしてフェアートレードの意義も理解を深めたいと思います。

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2. フェアートレードはSDG’sの解決力だ

SDG’sって最近は池上彰さんのニュースとかでも取り上げられるぐらいメジャーになってきましたね。

それだけ大切さが認知されてきたからだと思います。
日本でも取り組む企業が増えているので、今後このSDG’sに関するスキルが採用基準になるとも言われれています。

実際にフェアートレードを行うことが、SDG’sのどの項目に解決策として対応できるか?と言えば

1. 貧困をなくす
生産者が搾取されることなく労働の対価を得る
2. 飢餓をゼロに
農業生産を行い、収入増によっての食生活の安定
4.質の高い教育をみんなに
貧困層が一番諦める子供の教育費の捻出が出来る
8.働きがいも経済成長も
安定的な仕事で、社会に貢献するやりがいを得る
10.人や国の不平等をなくそう
海外に輸出される事で2国間の不平等さも是正する
11.住み続けられるまちづくりを
地元で生産することで、出稼ぎに行く必要を無くす
12.つくる責任つかう責任
低農薬や自然栽培で質を高めることでつくる責任を
13.気候変動に具体的な対策を
オーガニック農園や森林を確保する事の温暖化対策

の8項目には少なくとも対応しています。

SDG’sが未来を考えて社会を変える目的で設定されているので、フェアートレードの果たす意味は大きいですね。

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3. 3人の注目されてるフェアートレードの形

フィリピン人は家族の絆が強いのは何度か紹介してきたと思います。
一方フィリピンは出稼ぎ文化でGDPの10%が海外就労者(OFW)からの仕送りで構成されています。
国内の主要都市でも地方から仕事を求めて出てくる人に支えられて多くの仕事が成り立っています。

国民の90%以上が信じているカトリックの教えで、「家族が共に暮らし、助け合う事で幸せになる」を実践する様に教えられてきました。
では、なぜ小さな頃から3世代同居の大家族に囲まれて、にぎやかに過ごしてきたのに家族と離れて出稼ぎに行くのでしょうか?

それは、基幹産業のあまりない地方で、大家族が暮らすにはあまりにも仕事がないからです。

だから都会に出たり、いっそ海外に働き先を探します。海外就労で特別なスキルのない人は、エージェントに大きな手数料を取られながらも、肉体労働や家事手伝いなどで中東やその他の国へ行こうとします。

生活苦などで学校に行けなかった人は、都会で男性は主に肉体労働、一部の女性は風俗関連に勤めて最低限の暮らしの中で、多額の仕送りをしています。

地元に生活できるぐらい稼げる仕事があれば、随分選択肢は変わります。

ここを支えるのがフェアートレードなんです。

次に、日本人でフィリピンのプロダクトを日本の方に届けることで活躍されている3人の方のことを紹介します。

◉ 世界で評価されるチョコレートで笑顔に
ここます 増田恭子 さん

チョコレートの原料のカカオは世界的に生産量より消費量が上回っていて、将来的にはトリュフのように希少価値で高価な食べ物になるかもしれません。

増田さんはチョコレートの原料「カカオ」に魅せられて高品質なカカオが取れて、現地の人と英語を通じてコミュニケーションが取れるフィリピンのダバオで2年間過ごして、フィリピン産カカオの知識を増やしたそうです。

そのダバオでカカオと関わる際に、高品質な商品なのに、作り手の農家はひどく貧しく不平等な労働であることに心を痛めていました。

そこで適正な価格で商品を仕入れてチョコレートを作って皆に喜んでもらおうと2019年2月にcocomas chocolateを創業されたそうです。

そして昨年12月にはイギリスの協会The Academy of Chocolate が主催する世界的なチョコレートコンテストの Bean to Bar 部門で銅賞に選ばれたそうです。

私はまだお会いした事がないのですが、是非どこかで繋がってお話を聞きたいと思っています。


◉ 捨てる所のないココナッツが人を救う
ココウェル 水井 裕 さん

ココウェルは会社が私の勤めるフィリピン観光省大阪事務所の近くで、観光省のイベントでも何度も協力してくれて一緒にフィリピンのプロモーションをしています。

オーナーの水井さんは、学生の時に途上国の環境問題を学ぶためフィリピンの大学へ留学されて、授業で訪ねた「ごみ山」で暮らす子供たちを見て、環境だけでなく貧困の深刻さを感じたそうです。

その解決策として考えたのが、フィリピンのいたるところで生えているココナッツの利用価値でした。

ココナッツは本当に捨てるところがなく、実はウォーター、オイル、パウダーが取れ、固い殻はお皿など入れ物に加工され、外皮はフローリングのワックス代わりに使えます。葉っぱは芯を束ねてホウキにもなるし、樹液や花蜜を発酵させたり蒸留するとお酒が取れます

ココウェルさんでは、ココナッツ農家を支えることを目的に“WITH COCO FARMER”プロジェクトを2010年10月より始めたそうです。

マークがついている商品を買うと、代金のうち3ペソ(約6円)が「フェアトレード・プレミアム」として、新たな苗や肥料となる塩の購入、災害復興など、ココナッツ農家のために利用され支援に繋がるのです。

上質のココナッツ原料をふんだんに使用した、
ヘルシーココナッツカフェも大阪で運営されています。

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◉ 人気インスタグラマーも夢中なモリンガ
Girls be Ambitious 番匠麻樹 さん

最近人気タレント、ローラさんが自身のインスタで上げたりしていて、女性誌でも取り上げられる事の多くなった「モリンガ(西洋わさび)」のフェアートレードを扱う女性起業家 番匠麻樹 さんのフェアートレードを学ぶスタディツアーに2018年夏、大学生と参加しました。

このツアーで実際に生産現場の農家さんの家にお邪魔したり、お話を直接聞かせてもらったりしました。

その中ですごく衝撃だった話は、ある農家の女性の過ごしたストーリーでした。

その女性は本当に貧しい家庭で育ち、食べる事もままならない子供時代を過ごしていたそうです。
そしてある日、フィリピンのゲリラが「自分たちの運動に参加しないか?そうすれば住み込みでちゃんと食事が取れるよ」と言われ、食べる為にゲリラ活動を始めたそうです。

銃の使い方や戦い方を教わり、実際に紛争の場面もありその時の傷跡は何年もたった今も消えずにいました。

でもそんな生活も嫌になり、何とかゲリラから抜け出せて家に戻っても、その過去からどこにも勤めることが出来ず本当に困っていた時に、フェアートレードのモリンガ栽培の話をもらい、初めてちゃんと働いて「人並の生活」を経験できたそうです。

他の農家さんも掘っ立て小屋のような自宅を改装できたり、諦めかけていた子供を高校に進学させてあげたりと人生が大きく変わった人たちを見ました。

ハイクオリティの商品を使う事で、自分もハッピーに、生産者もハッピーにさせる事は本当に出来るのです。

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4. 情けは人の為ならず、で世界を救おう

この諺は時々反対の意味で勘違いされる人もいるのですが、本当の意味は「人に情けを掛ける事は、回り回って自分に返ってくることになるから、その人の為だけではない。」と言う意味です。

親切のブーメラン現象ですね。

だから自分たちが幸せになるためには、自分たち以外の特に弱者と呼べれる人たちの幸せを考える必要があると思います。

とは言え、テレビや本だけで学ぶよりはやっぱり実際にその地に出向き、空気やにおいを五感で感じて、生で声を聴き自分の目で見る事は大切だと思います。

これはVRでは絶対に表現しきれない事です。

コロナでクラウドファンディングの参加者と寄付金額がすごく増加したと言われています。
阪神大震災の年がボランティア元年なら、
コロナの今年はサポート元年と願いたいです。

人と言う字はお互いに支え合って成り立っている。
テレビドラマのセリフが頭の中をぐるぐる回っています。


SDG‘sの事を分かりやすく説明してくれています。


合わせて読んで欲しい過去記事です

このブログを読んで下さる皆さんに海外で働くチャンスもお伝えしたい記事です。

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