見出し画像

「働かない1億人」コロナが映した老いる米国

悪い円安に怯え物価の上昇にため息をつく日本の庶民を横目に、アメリカはコロナ禍で停滞した経済を取り戻そうと多くの人がインフレでも消費を続けているように見えませんか?

株価も上がり物価と給与の上昇で企業も人も活発に動いている様に感じました。

しかし、一方でコロナが生んだ特殊な状況から、浮かび上がるのは「老いる米国」です。実は

職探しをしない非労働力人口ざっと1億人に

なったのです。

労働力の問題、インフレ抑制による景気後退予想など、実は悩めるアメリカの姿がそこにありました。

今日はそんなアメリカの労働と経済の行く末を

*非労働力人口コロナ前から増えたまま
*米就業者39万人増5月失業率横ばい3.6%
*目覚めた3兆ドルの過剰貯蓄 

とみていきながら

膨れ上がった過剰貯蓄にモノやヒトの不足という供給制約も加わり、前例のない状況

をどう脱出していくのか?を考えて見たいと思います。

*非労働力人口コロナ前から増えたまま

新型コロナウイルスによる経済指標の乱高下から落ち着き始めた米国で、元の姿と異なったままの「断層」が目立ち始めました。

その一つが職探しをしない非労働力人口です。

コロナ前は9550万人だった非労働力人口は20年4月に初めて1億人を突破400万人ほど増えたままで、現在も働かない米国人はざっと1億人に上るのです。

その存在は米国経済の「コロナ後」の停滞を呼び込む不安要素として存在しています。

21年末学校や保育所が再開して、親たちが仕事に復帰し始めました。
ワクチンの普及も進み、22年からは経済再開が本格化して活気を取り戻しました。

働き盛りの労働参加率が回復するなかで、コロナ禍で戦後から60年代前半に生まれたベビーブーマー世代が140万人近い人が早期退職しています。

彼らは、求人が戻ってきても働こうとはしません。

私には、コロナによる価値観の変化がまず考えられます。年配者を多く死に追いやったコロナにより、限りがある自分の余生を会社に縛られず暮らしたいと思う気持ちがあります。

そして後でも触れますがコロナで政府から配られた一時金により蓄えが少し増えた事も安心材料になりました。

しかし、このことにより働き手が不足してチャンスロスが生まれるかもしれませんね。

チャンスロスが次第にブレーキになる恐れもあります。
中国やアジアは働き盛りの若者に溢れているからです。

*米就業者39万人増5月失業率横ばい3.6%

アメリカ雇用統計では、非農業部門の就業者数は4月から39万人増え、1億5168万人になりました。

2021年以降、月平均55万人を超えるペースで増えてきたのですが、4月の増加幅は43万6000人で、5月はさらに伸びが鈍ってきました。

失業率は3.6%と前月から横ばいで、こちらも19年とほぼ同じ水準です。

首都ワシントンでは飲食店など中心に求人募集が多くありますが、労働参加率は62.3%とコロナウイルス禍前の水準を下回ったままなのです。

過熱気味の米経済は、ロシアのウクライナ侵攻や中国のゼロコロナ政策による供給網の混乱などの複合的な危機の下、インフレ抑制の利上げを加速しています。

バイデン米大統領は5月30日に米紙への寄稿で

求人の割合を示す求人率がコロナ前の4%台半ばから、今は7%に上がった。利上げによって企業活動をおさえつけても求人が減るだけで解雇はそこまで広がらない。結果として「失業率の急激な上昇を招かないインフレ抑制が期待できる」

との理論を説明しました。

しかし、混乱を招かずに高インフレを鎮めるソフトランディングが本当に可能なのか、市場は疑念を深めているのです。

*目覚めた3兆ドルの過剰貯蓄 

約40年ぶりのインフレに見舞われながらも、米国の個人消費の強さが際立っています。

米商務省が27日に発表した4月の個人消費支出は前月比で0.9%増えて、事前予想を0.2ポイント上回りました。

背後にあるのは新型コロナウイルス禍の間に膨らんだ過剰貯蓄なんです。

2021年経済の底割れ回避を優先し、85%の世帯に1人1400ドルを配布した結果、各家庭での貯蓄が大幅に増えたのです。

その規模は決済口座(普通預金)の残高をみれば分かります。

比較可能な1987年からずっと1.5兆ドルを超えたことがなかったのですが、21年末の3.9兆ドルまで2年間で約3兆ドルも貯蓄額が跳ね上がりました。

外出できず支出が抑えられていて、貯蓄という形で繰り越してきたお金が今反動で大きく消費に使われだそうとしています。

しかし、このような特殊な消費は、夏場のインフレ抑制を阻んだり、その後で急に減速したりするリスクがあるのです。

膨れ上がった過剰貯蓄にモノやヒトの不足という供給制約も加わり、前例のない状況のアメリカ

選挙を前に支持に取り付けたいばかりを考えていると、抜本的な解決方法を見誤る可能性もあるので、しっかり日米とも国民の利益を尊重する政治家が手腕を発揮して、次の選挙では実力で選ばれて欲しいと願います。

#アメリカ経済 #インフレ #就業者 #過剰貯蓄 #日経新聞

フィリピンの情報サイトを運営しています。
幅広く情報発信しています。ご覧くださいませ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?