8月に触れた作品の感想

【アニメ】
『電波女と青春男』1〜12話
TSUTAYAに置いてあって、パッケージにいた女の子が可愛かったから借りた(雑)。原作、入間人間氏だったんですね…氏のラノベ作品は『神のゴミ箱』しか読んだことなかったけど、それでもすぐにわかった。テンポの良いボケとツッコミの応酬。このギャグのノリは、正直、人によってかなり好みが分かれるところだと思う。ちなみに僕はあまり好きではない方で、だから割と適当に見てた。天真爛漫(?)なヒロインに振り回されたり、いわゆる青春的なイベントを多く盛り込んでるが、結局ギャグともロマンスとも青春とも言い難い、なんとも中途半端な感じがしてしまった。龍子さんの負けヒロイン感が良かったのと、キャラが可愛かったからまあ許容。

『理系が恋に落ちたから証明してみた』1〜12話
これ、理系が見たらどう思うの?というのが率直な感想。最終回で「実はこれは研究に忙殺され自我を失った学生の妄想だったのでした…」みたいなオチだったら神作だったのに。とまあ冗談はさておき、主人公もヒロインもボケ役で、ツッコミは他のキャラクターが担当する、という構成が良かった。おかげでラブコメ特有のサムイ感じもなく、かなりコメディ寄りで楽しめた。個人的にはイバラダ先輩が海でトラスケに守ってもらって泣くシーン。あそこが良かったっすね。あとは雨宮天さんが歌うオープニングも最高でした。雨宮天さん、このすばのアクアのイメージしかなかったけど、『一週間フレンズ』のヒロインとかもやってたんですね…

『五等分の花嫁』1〜12話
こういうのでいいんすよ。ただキャラが可愛いだけのクソアニメだけど、クソさを上回るほどキャラが可愛いから何かもを許せる。内容的にはほとんど思い出せないけど、キャラが可愛いからいいんです。四葉が完全にココアちゃんだったのと、密閉された小屋で木を燃やし出したシーンが印象的だった。窒息しないの?映画がやるみたいだから、暇だったら観に行こうかと考えてる。あとこれ五人のうち誰が好きかでそのオタクの性癖がわかってしまうよね…ちなみに僕はイツキちゃんが好きです。

『ウマ娘 プリティーダービー』1期1〜13話
ワイ的アニメランキングでベスト4に食い込んでくる名作。正直アプリのCMを見たときは美少女が草原をダッシュしている様子をシュールに感じた人も多いと思う。僕もその一人で、だからアプリはインストールしていないし、ウマ娘というコンテンツも「女の子が走る(笑)」以外に何の情報も持っていなかった。(結果としてこれが良かったのかもしれない)いきなり桜坂しずくみたいなビジュアルで、小原鞠莉みたいな話し方のウマ娘が出てきてビックリ。内容は完全にスポ根で、努力して結果を出すという王道の展開。内容もさることながら、キャラクターが素晴らしい。こういった作品にはほぼ必ず嫌な奴が出てくる。後になって実はいい奴だとわかったりするのだが、ウマ娘には一瞬たりとも嫌な奴がいない。ライバル含めて全員が全員、真剣に勝負に臨み、お互いを認めてあっている。ここが本当にポイント高くて、見ている最中で嫌な気分になることが全くなかった。7話で主要キャラにアクシデントが起こるのだが、そこからの展開がとにかく素晴らしすぎる。(あと挿入歌『Silent Star』が神曲でしたね…)アプリは知らんけど、アニメは超オススメです。ぜひ。

『ラブライブ!スーパースター!!』3〜4話
ようやくメンバーが増えて…ってもう一人ほとんど出番ないけど大丈夫か?序盤から5人全員を目立たせるのは難しいだろうけど、全く出てこないとさすがに心配になるぞ…他に関してはいかにもラブライブらしい進み具合。どういう経緯でもう一人がグループ入りするのかも含めて、続きがとても楽しみ。とりあえず主人公が暴走しないことをひたすら願ってる。とりあえず先がわからないと書くことがないので、これくらいで勘弁してください。

【本】
『リカ』五十嵐貴久
図書館本。なんだこれ…簡単に言うとストーカー女の話なんだけど、なんか色々な要素を詰め込みすぎているように感じたし、何より現実味に乏しい。(もちろんフィクションに現実味を求めるのはおかしいことは承知しているのだが、それでもこの作品はちょっとやりすぎ)幽霊系のホラーなら、相手が超自然の存在である以上、何をしてもいいと思うが、「本当に怖いのは人間だよね」みたいな書き方をしたいなら、あくまで現実ベースにするべきなのでは…文庫版で結構な厚さになるが、テンポよく読めたのでそこは気にならなかった。狂気じみた、気持ち悪い感じのホラーを味わいたい人には、いいのではないでしょうか。続編もあるらしく、もしかしたらそちらで色々な設定が明らかになるのかもしれないが、まあしばらくはいいかなという感じです。

『ハイドラの告白』柴村仁
前回紹介した『プシュケの涙』に始まるシリーズ2冊目。1冊目の完成度が高かっただけに、少し物足りない印象。前編と後編に分かれているのだが、前作ほど前編後編相互の関連がないように感じて肩透かし。「これ、必要なんか」と思うような、ちょっとくどい箇所もいくつかあった印象。一作目と同じ感覚で読み進めてしまったからちょっと微妙だったけど、改めて振り返ってみると、切ない系統の青春小説としてはそれなりに面白かった。

『白昼夢の森の少女』恒川光太郎
図書館本。先月オススメしてたら読みたくなってきたよ、恒川光太郎作品。圧倒的雰囲気ゲー。この異世界の幽玄的な雰囲気をここまで上手く作品に盛り込める人、ほかにいるんか…?氏の他の作品に比べると若干ストーリー性に劣る気がしなくもなかったので、はじめての人はやっぱり『夜市』か『秋の牢獄』を読んで欲しい。この本に限らず、氏の作品を読むと、「夕方の誰もいない道」とか「人っ子一人いない原っぱ」とか、そういった場所が魅力的に見えるようになると思う。

『真夜中のたずねびと』恒川光太郎
図書館本。短編集。特に印象に残ったのは『真夜中の秘密』で、氏の作品には珍しく妖の要素が薄めだ。そして若干の感傷マゾ要素がある。(もっとも、形としては少し歪ではあるが)普通の人間にはほとんど縁がないであろう、「逃避行」という行為を、とても魅力的に描いていたのが印象的。僕は小説の装丁をかなり重視するタイプなのだけれど、氏の作品に関してはラノベ的な装丁でない方がいいのが不思議だ…

『さよなら、手をつなごう』中村航
図書館本。短編集。氏の作品はそれなりに読んだことがある(何を隠そうバンドリの原作だって中村航氏なのだから)のだが、まあ予想していた通りの王道青春。ただ、青い鳥文庫的な、いわゆる誰にでも書けそうな話でなく、要所要所で氏の作品の個性というか、そういったものを感じる。(ここでいう青い鳥文庫的というのは、まだ複雑な青春の形を理解できていない少年少女に向けて書かれた青春小説、という意味であって、別に青い鳥文庫を批判するつもりはない)特に最後の『さよなら、ミネオ』は、かなり胸にじんわりとくるいい話だった。

【映画】
『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』
アニメ『このすば』の劇場版。映画だからといって特にシリアス展開もなく、アニメと同じようなアホなギャグアニメ。(最上級の褒め言葉です)上の『電波女と〜』とは違った意味のテンポの良さで、作業しながら見ていても楽しめるのがすごい。あとヒロインが、ビジュアルもキャラも、とても可愛く、その上ギャグ要素も含んでいる点が素晴らしい。ぜひアニメから見てどうぞ。

【漫画】
『ソラニン』(1〜2)
先月あたりか、THE FIRST TAKEというYouTubeのコンテンツでアジカンがソラニンを歌っている動画を見た。曲自体は知っていたけど、映画を見たのは2年前、そして原作の漫画はまだ読んだことがなかった。映画では桐谷健太演じるビリーが、河川敷で、ヒロインの前で涙を流すシーンがとても心に残っていたのだけれど、原作もそこが印象的。普通の作品って、主要人物の死から物語が始まることが多いと思うんだけど、『ソラニン』はむしろ死ぬまでがしっかり描かれているからこその良さがあると思う。読み終わって、また映画が見たくなった。宮崎あおいが歌うソラニンが聞きたい。

『おやすみプンプン』(11〜13)
2年ぶりに再読。この作品に出てくる田中愛子という人物は、僕の中のフィクション作品魅力的な女性ランキングでトップに入る。その愛子ちゃんは実は中盤はあまり出番がない。全部読んでも良かったのだが、この日は一人で快活クラブで酒盛りをしていたこともあって集中力に欠けており、全巻をもう一度読むスタミナはなかったことから、終盤、愛子ちゃんが再登場するシーンから読んだ。プンプンと愛子ちゃんが二人で行動してからの展開は、悲劇的なはずなのに胸にグッとくるから不思議だ…上にも書いたけど、僕の性癖はどうやら逃避行らしい。

『二月の勝者』(10〜12)
9巻までは既読。僕は経験していないけど、中学受験ってマジで大変なんですね…塾講師をしていたときに中学受験生を担当したこともあったけど、果たして彼らの置かれたプレッシャーに見合う授業を提供していたかと聞かれたら、ちょっと及ばなかったかもしれない。中学受験は家族がモロに関わってくる(少なくともこの漫画ではそう描かれてる)だけあって、単なる受験漫画としてのみならず、家族愛的なテーマの漫画としても普通にいいと思った。これを読んで、再び予備校講師モチベが上がってしまったのは秘密。

【ゲーム】
『ドキドキ文芸部!』
大問題作。ゲームや漫画、小説や映画など、今まで様々なフィクション作品に触れてきたけど、この『ドキドキ文芸部!』はその中でもベスト8には確実に入る。ヤバい。とにかくヤバい。見た目は完全なギャルゲーで、プレイし始めてから1時間も完全なギャルゲーで、正直クソつまらなかった。でも本番はここからである。ゲーム性は文字通り180度変わって、このゲームがホラーカテゴリに分類される所以たる演出が追加される。これに関しては本当に、自分のPCでプレイした人には、ひしひしと伝わるはずだ。ぜひ一度プレイしてほしい。ホラーといっても、突然怖い絵がアップで表示されたりとか、そういう怖さはない。むしろそうい怖さなしにこちらの鳥肌を立てるのが、このゲームのすごいところである。いや本当に、最初のグダグダにさえ耐えて、プレーしてください。日本語パッチの当て方とかDL方法は調べれば一瞬で出てきます。

8月だったけど、夏っぽい本を読んだりすることもなく、気が付いたら9月になってしまっていました…とにもかくにも、ドキドキ文芸部のインパクトが強すぎましたね。実況でもいいので、一度どうぞ。ホラーゲームの概念ががらっと変わります。


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