12月に触れた作品の感想

お恥ずかしい話、タイトル「12月」でなく「1月」と書きそうになってしまった…いやいや、もう年が明けてから一か月ってマジですか。あと新年一発目のnoteがこれって…まあそんなこんなで、今年もどうぞよろしくお願いします。2022年は作品感想シリーズ以外にもいっぱいnote書きたいですね。って、あれ、これ去年も言ってなかったっけ…

【アニメ】
『白い砂のアクアトープ』
観る前はでーーーーーーじ期待してた。キービジュアルは美しいし、水族館というテーマも好みだし、アニメツーリズムとも関係が深い作品で、外す要素がないと思っていました、観る前は。いや、結論から言うけども、登場人物が割と身勝手で、観ているのがキツくなる類のアニメだった。特にヒロインが水族館に立て篭るシーン(これ見たことない人からするとマジで何言ってるかわからないと思うんだけど、ガチで水族館に立て篭るのである)は、『宇宙のメソッド』のアイツ(詳しくは『11月に触れた作品の感想』で)を彷彿とさせた。2期もなんだかトゲトゲした人が多くて、まあ最終的にはみんな仲良くなるからいいのだけど、最初の方はかなり見ていてキツかったし、超まともなこと言ってる上司に主人公が怒ったり、なんだか見ていてイライラする要素が多かった。途中から取ってつけたように展開に組み込まれた環境問題のことも、マジでなんだったんだと言う感じ。ただ登場人物は全員、一貫して海の生き物のことを思っていて、そこがブレなかったのがせめてもの救い。

【本】
『女生徒』太宰治
日本史の教科書にも出てくるような有名どころの日本文学に関しては、正直あまり興味がなく、読書好きを自称している割にはその分野には明るくない。じゃあ今回どうしてこれを読んだかというと、以前映画『パーフェクトブルー』を勧めてくれたこともあった、僕の大好きな先輩の好きな本だからである。いや、冷静に考えて新入社員に『パーフェクトブルー』を勧める先輩なんている?それがいるんですよ。その先輩の感性なら間違いないということで、今回読んでみたのだが…いや、これはかなりヒット!内容は別にだけど、日本語が美しい。声に出して読みたくなる。「あすもまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。」どう生きたらこんなこと書けるんですかね…昨今の青春小説にありがち(?)なクサさやグロさがない、まさに純粋な文学作品という印象。また読みたい。


『未来を、11秒だけ』青柳碧人
青柳氏の作品はいくつか読んだことがあるが、個人的に外れはなく、前作『二人の推理は夢みがち』もかなりツボだったので、当作も楽しみにしていたのだが…少し期待外れ。なんというか中盤から展開がほぼ変わらず、読んでいて少し退屈だった。はじめの方は読んでいてかなり面白かったけど…登場人物のキャラクターが嫌いだったわけではないので、続編に期待したいところ。

『アトラクションの日常』長谷川一
昨年11月に開催された早慶レベル模試の現代文の大問1で出題された文章。こういう感じで、入試現代文で出題された評論などを読む機会が(本当に少しではあるが)ここ数年ある。まあ大抵は微妙だったという感想で終わってしまうのだが、今回もそれに近い。まず僕はそもそも模試の大問1で出題された時点で、この本が評論だという前提で読み進めてしまっていた。故に、本文内にしばしばある、およそ評論文らしからぬ表現や比喩が気になって仕方がなかった。いや、これは前書きをきちんと読んでいなかった僕が100%悪いんだけど、これ、随筆なんですね…通りでこういう書き方なわけだ。というわけで、評論文ではなくエッセイとして読む分には結構面白いのではないでしょうか。いや、もう、前書きすっ飛ばしてる人がどんな感想言っても意味ないですよね。反省します。

『白河夜船』よしもとばなな
調べてみて知ったのだが、タイトルにもなっている「白河夜船」、熟睡して前後を知らないことを指すらしい。まさしく。中編が3つ収録されているが、どれも眠りをテーマにした作品。重くない、なんだろう、この読んでいて心が軽くなっていく感じ…いや別に、何か悩みがあるとか、そういうわけではないのだけれど。これ、心が疲れているときに読んだら、これ以上ないくらいいい薬になるんじゃないか…文中に出てくる言葉、どれもこねくり回された跡が見えたり、こちらを啓蒙(?)しようとする感じもなく、自然で易しい作中に出てくる「まるで祈りのような気分だった。ーーこの世にあるすべての眠りが、等しく安らかでありますように。」。このワンフレーズが好きでたまらない。


【漫画】
『ROUTE END』
面白かった!こういうミステリコミックスは画力がそうでもなくても楽しめて、基本的にハズレはないと思ってるんだけど、この作品に関しては絵も素晴らしい!特に真犯人がたっぷり見開き一ページを使って犯行の動機を語るシーンは圧巻で、怖いとか面白いとかそういう感情抜きで鳥肌が立った。結局○○はなんだったのかとか××はどうなったのかとか、若干消化不良な部分もゼロではなかったけど、久しぶりに時間を忘れて一気読みしました。あとは終わり方も秀逸で、ヒロインと主人公の関係がいい。刑事という仕事を最後まで貫くヒロインが主人公に放つ一言がとても好みだった。オススメ!

『銀魂』
将軍暗殺編から最終巻まで、年末にネカフェにこもって一気に読んだ。どうでもいいけど、僕が行ったネカフェは個室つきで、あとカレー食べ放題というところだったのだけれど、受付で僕の前と後ろに並んでいたのは高校生くらいのカップルでした。オイオイお前ら、ここは漫画喫茶。コミックスを楽しむ場所だぜ。セッ○スは外でやってくんな。(外でやれずに流れ着いた先が漫画喫茶そしてカレー食べ放題のところにいたのは、普通に生活していてはあまり関わらないであろうような身なりの人たちで、なんだかその落差に、最初は漫画どころではなかった。ちなみにカレーは普通に美味しくて、めちゃくちゃ食べました。閑話休題。将軍が死んでからはもうすっかり笑えなくなってしまって、それ以降ちょいちょい挟まれるギャグシーンもあまり楽しめなかった。が、僕は銀魂のギャグ回と同じかそれ以上にシリアス回の方が好きなタイプだったので、むしろこの方がありがたい。かつて敵だった人が手を組んだり、今までの登場人物が一堂に会したり、とにかく始終アツイ展開だった。強いて言うなら、ラスボスがチートすぎませんかね…死なない能力は反則ですよ。ちなみに推しキャラはのぶたすです。

【映画】
なし

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