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今日の僕は、昨日までの敗戦で成る

幾千も積み上げた敗戦が、現在の自分を形作っている。そんなふうに考えられるようになった、きっかけとなる試合があります。

2018年7月11日、0−1で敗れた、天皇杯3回戦での東京ヴェルディ戦です。

「2回戦でジャイアントキリングを起こした関西学院大、3回戦で惜しくも敗退」。そんなニュースになっていたと思います。傍目には大学生の健闘に写ったかもしれません。
ですが、僕の中では罪滅ぼしができなかった試合でした。

東京V戦の少し前に行われた、大学サッカーの全国大会に当たる総理大臣杯の関西予選。勝てば本戦出場が決まる準々決勝の阪南大戦に僕たちは敗れました。結果は0−1。僕のミスによる失点でした。
全国出場を逃しただけでなく、当時の4回生がJスカウトの前でプレーする機会を奪ってしまったことに申し訳なさがありました。
でも天皇杯がまだある。勝ち進めば、総理大臣杯以上に注目されるかもしれない。そんなことを考えて、天皇杯に臨みました。
だから、本当に本当に勝ちたかった。

東京V戦の終了の笛は、大学日本一と天皇杯で勝ち進むという2つの夢を同時に失った瞬間でした。

罪悪感、喪失感、後悔。しばらくはそんな感情でいっぱいでした。しかし、当時の4回生の部員ブログの一文に救われました。

試合終了後、応援スタンドにいた私の目に自然と涙が溢れた。自分が出ていない試合で、負けて涙を流すことは初めてだった。「Aチームで試合にも出ていないお前が、なんで泣いてんねん。」と思う人も居るかもしれない。 しかし、藤原や竹本が闘志をむき出しに闘い、最後まで全力でプレーする姿を見て、自分も熱い気持ちになった。応援席ではあるが、ピッチの中で一緒に闘っている感覚になった。

この文章を読んで、初めて敗戦を肯定できました。
全てを出し切ったと言えるからこそ、負けても伝えられる「何か」があるのだ、と。


負けていい試合なんてどこにもありません。2位では歴史に残りません。
だから天皇杯の敗退は悔しくてたまらなかった。

でも、勝つために100%を注いだのであれば、たとえ敗れてもその経験が自らの血となり肉となる。
そして敗戦の記憶が人生に彩りを加えてくれる。

悔しかったあの試合は、そんな風にも思わせてくれました。

だから今日も恐れず、戦います。


▼竹本将太のTwitter
https://twitter.com/takemo0403


▼ 竹本将太(たけもとしょうた)
1998年2月8日生まれ、神奈川県出身。
5歳の時にサッカーを始め、あざみ野FC、横浜FC鶴見、中川西中学校を経て横浜市立東高校。県2部リーグながら主将として神奈川県準優勝。その後関西学院大学に一般入部し、4年次に主将としてインカレ3位。就職の内定、Jオファーを辞退し2020年からスペインサッカー挑戦。ポジションはセンターバック。186cm90kg。A型。

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