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今こそ『凶気の桜』について語っても良いのではないか。

中学2年だったか、1年だったか、毎年夏休みには読書感想文を書かねばならぬ、ということで毎年、なんかよくわからない児童文学とかで誤魔化していましたが、さっすがにネタが尽きただろうと思い、『みどりのマキバオー』を買う為だけにしか行かなかった小さな本屋で見繕ったのが、これ、『凶気の桜』なんでかーというと、単純に読みやすそうだったから。文庫薄いし。で、サクサクと読了して、感想文を書いて、提出、原稿用紙の字数も埋めたし、ええ事書いた。良くできました評価貰えるやろ、と意気揚々としていたら。

見事、職員室に呼び出され、担任の先生からこれはちょっとあかんとか、なんか悩みないのとか小一時間面談になった。

問題はその内容っつうか、その当時超絶スターダムだった窪塚洋介が主演の映画原作だったとかはさておき、渋谷ぁ!みたいな内容で、10代後半の仲良し3人組が、渋谷、主に渋谷で、半端に群れてる奴等に喧嘩ふっかけてボコボコにして、いっつの間にか裏社会に目をつけられて仲良し3人組解散アンド非道な運命を辿る、みたいな話で、暴力賛美みたいなのが、教育的指導の対象になったのやろ。こんな本中学生が読む本じゃねぇべー。不謹慎だべー。なんつって。

それ以降、危険人物のレッテルを剥がす為にまたつまらねぇ児童文学で感想文を書く夏に戻り、あとは妥当にポケモンやって過ごした。
とはいえ年若い時分の私にとっては、十分に刺さっていた。大儀の上での暴力とか、ふわっと堕落した馴れ合い環境ぶっ壊す論とか、エクストラ刺激的で、正直憧れがあった。今渋谷にはそんなもんございません。

で、最近知ったのだけど、『凶気の桜』の知名度あんまり高くないよねとか思っていたら、九州地区の皆さんは大体知ってるどころかバイブルみたいになってるらしく、育つ街を間違えたーと後悔先に立たず。
実際のところ、ZEEBRAも窪塚洋介も凶気の桜もぜーんぶ、刺さっていたのは九州地区であったということが判明致しました。で、割と渋谷に集まっている層、凶気層結構居るらしくて、ああマジでヒップホップしておけば良かったとまじめに後悔した。バンプとかラッドウィンプスとか、通る道ではなかったよ。

なんで今更こんなあれを紹介してみようと思ったのかと言うと、原作者のヒキタクニオさんの本がまた映画化されるよって予告編が上がっていたので、んん?どっかで聞いたことある。ヒキタクニオ?あぁ!『凶気の桜』やんけ!!とね。原作者と作品がまーるでイメージと違うー。なんてな話、結構普通ですが、ヒキタクニオさん原作の小説でこーんなハードボイルドな本はこれだけ。

あとは『池袋ウエストゲートパーク』の石田衣良さん。ぜんっぜんストリート系じゃないよね。当然っちゃあ当然ですが。
それに対して窪塚洋介、まさに渋谷の街ですれ違って、同僚が「あれ窪塚じゃねぇ?」とつぶやいておったが本当にあのまんまであった。堂に入っておる。

そんな渋谷ぁ!本日もマジ晴天!だから何っていう!

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