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(小説集) 剣鬼悪辣

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よく分からん奇行短編小説と、連載長編小説です。 暴挙とも思われる事を書いてしまうが、それすら誰かの救いになるのなら、我悪辣の名の下に、太刀を振るう事鬼の如し、そういう事です。
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FULL HEART SESSIONS

FULL HEART SESSIONS

11月15日、朝7時。
ぴったりにタイムカードを押して、掃除用具の入っている扉を開ける。
床の隅々まで掃除機をかける。今年に入ってもう3台目、ダイソンの掃除機が壊れるなんて、きっとそうそうないのだろうが、もうこれも吸引力が落ちてきた。
次はワイパーを取り、反発力の高いマットを拭く。足がズブズブ沈む。靴下越しに、冷ややかな感触が伝わる。
入り口に戻り、レジの電源を入れ、ここだけ暗い、ブラウンのブライ

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