タイトル:みみずくは黄昏に飛びたつ
著者:川上 未映子、村上 春樹
出版社:新潮社
本書は、川上未映子氏が訊いて村上春樹氏が語るという対談形式で、村上春樹氏の最深部に迫っていく、まるで井戸を掘るようなインタビュー記録です。私が大好きな比喩である「地下二階」について理解が深まる内容です。以下、気になった箇所をピックアップしていきます。
第一章 優れたパーカッショニストは、一番大事な音を叩かない
キャビネットについて
比喩について
縛り(制約)について
リアリティについて
くぐらせることについて
ものを作る人について
『職業としての小説家』で言いたかったこと
上記ピックアップした内容は小説家について語ってるのですが、モノづくりに携わる私自身の仕事にも通じるところがあるなぁ、と思いました。
第二章 地下二階で起きていること
物語の基本原則について
地下二階について
タイミングを捉えることについて
再びキャビネットについて
人間の意識について
「地下二階」とは人間の無意識の集合体、というようなところなのでしょうね。そこをくぐらせて出てくるから村上春樹氏の小説は「何かよくわからないけど、分かる」という感覚になるのかな。
第三章 眠れない夜は、太った郵便配達人と同じくらい珍しい
自己について
行為と分析について
ものすごく共感しました。行為より分析を重視する状況に多く出会ってきたので。野中郁次郎先生も日本企業の3つの「過剰」として「 オーバー・アナリシス(過剰分析)」を挙げてますね。
第四章 たとえ紙がなくなっても、人は語り継ぐ
知的作業をすることについて
こちらはプロフェッショナルを感じる言葉
オープンさ、ということ
人は語り継ぐ
感想
最近、勉強会の中で「地下二階」の話題が出てきたので久しぶりに読み直しました(発刊は2017年)。川上未映子氏の質問が絶妙で読み物として面白いですし、加えて自分自身の仕事と通じるところもあり勉強になりました。川上未映子氏の本も読みたくなったので、今度トライしてみます。