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サラリーマンがTOEFLでシャチの群れの話を英語で理解できるようになるまで。

こんにちは。イリノイ工科大学(Illinois Institute of Technology、IIT)にデザイン思考留学をしていたTakaです。すっかり投稿が滞ってしまいましたが、リアルタイムではすでに大学院を卒業しました。大学院で何を勉強したかについては、また別途まとめるか、もしくは大学院で一緒だった日本人数名がうまくまとめていますので、そちらをご参照いただければ幸いです。

前回の投稿では、次回予告としてTOEFL対策と記載いたしました。勉強していたのが2020年の夏から冬にかけてとすでに2年以上経過しているので、どこまで参考になるかわかりません。しかし、自分の備忘録と成果として記載したいと思います。


英語要件はTOEFL 100点

イリノイ工科大学のInstitute of Designに入学するためには、当時はTOEFLの足切り点数が100点と言われていました。私が受験した2021年度入学では、TOEFL、IELTSが認められていましたが、現在はDuolingoの英語テストも認められています(大学院ウェブサイトをご参照ください。)

TOEICも最後に受けたのが2012年(当時は905点)。その後、海外駐在を経験しましたが、「ビジネス英会話ができる」と「学術的な英語を運用できる」は全く異なり、特にテストの内容が学術的であるTOEFLの試験対策は非常に厳しいものでした。加えて、IITの受験を意識したのが2020年7月。出願の第一次締め切りが2021年1月であり、最低でも12月のTOEFLで100点以上を取らなければならない状況でした。

なぜIELTSを受けなかったのか。それは、IELTSはイギリス英語がメインだったから。大学院はアメリカと決めていたので、必然的にTOEFLを選ぶことになりました。

結果から申し上げると、TOEFLは計3回受検。ギリギリ12月の受検で100を超えることができました。こんな点数でも努力すれば何とかなります…(問題は留学が始まってから英語がネックで勉強についていけなくなること)

2020年9月19日 86/120
(Reading 16、Listening 23、Speaking 25、Writing 22)
2020年10月31日 85/120
(Reading 20、Listening 25、Speaking 19、Writing 21)
2020年12月7日 101/120
(Reading 27、Listening 26、Speaking 24、Writing 24)

さて

Reading、Writing

対策として、以下の教材を使用しました。

 The Complete Guide to the TOEFL Test

いわゆる問題集。以前、TOEFLを受けてアメリカの大学院にMBA留学にいった後輩から譲り受けたもの。この本で問題に慣れ、コツを掴むことに集中しました。日本の対策本ではないので、問題の指示も説明も全て英語。この方が実際のテストに向けて英語に慣れることもでき、助かりました。実は解答集が見当たらず、インターネット上でPDFを拾ったりも…

TOEFLテスト ボキャブラリー+例文3900

私の課題は語彙力だったので、インターネットで評価の高かったこの本を購入しました。60点突破、80点突破、100点突破と、点数に合わせて単語がカテゴライズされており、すでに80点は突破していたものの60点突破からスタート。最終的には80点突破の単語を勉強している途中で100点をクリアしたので、一旦勉強を終了しました。個人的に読むだけでは頭に入らないタイプなので、無印のノートを縦に4つに分けて折り目をつけ、英単語を書き並べ、隣に日本語を書き、間違えたらその単語を繰り返し書く、という原始的な方法で勉強していました。

Writingの対策として、MBAの英語対策スクールで教えられるようなテンプレもありますが、私にはテンプレを一字一句覚えることができませんでした。ただし、大切なのは洗練された言い回しで文字数を稼ぎ、同じ単語を何度も使わず、他の単語で言い換えること。そして、書き終わったあとも何度も読み返し、スペルミスや前置詞等の違和感がないかを確認することが大事でした。

社会人として、仕事と勉強(や他の留学書類準備)をどう両立するかが本当に決め手となりました。
元々夏休みの宿題も最初頑張って途中はだらけてしまい、最後の数日で終わらせるタイプの人間なので、10月以降のギリギリの段階では、平日週末ともに少しでも英語に時間を割きました。
平日は、オフィスワークでもリモートワークでも、仕事終わりの夜寝る前に最低30分は問題集を解き、週末は後輩と代官山のカフェ(東京音大のDean and Delucaがメイン)で、朝から夕方まで主に単語の勉強をしていました。勉強に付き合ってくれた後輩は、問題集を譲ってくれたMBA保持者なので、英語の試験対策も経験しており、気軽に相談できる友達がいて本当に助かりました。


Listening

Listening力と語彙力向上のため、Netflixの自然科学系のドキュメンタリーを英語音声英語字幕で見て、専門的な用語を単語帳に書き連ねていました。利点は、TOEFLのReadingを読んでいても、ドキュメンタリーの映像が頭の中に浮かぶようになるので、情景を思い浮かべながら回答することができるようになること。これが果たしていいのかどうかは不明ですが…
加えて、家にいるときは常にアメリカのドラマFriendsを流しており、少しでも英語に触れる機会を増やしていました。


Speaking

私のSpeakingの対策は、話せることだけではなく、要点を理解して的確にまとめることが中心でした。TOEFLのSpeakingは、自分の考えをまとめて伝えるだけではなく、Listeningをした上で要点をまとめること、そして内容に基づいた質問に答えることが難しいです。そして、これは本当に実際のテストで慣れないとどうしようもありませんでした。緊張感、隣の人の声が聞こえる、Reading、Listening後の脳の疲労感の中で、手元の用紙のどれだけメモを書けるのか、日本語で書くのか英語で書くのか(私は最終的に日本語で要点だけメモをとり、英語で回答する方法にしました)等、事前の準備ではどうしても慣れることができない内容が多いのが実情です。一回一回の受検料が高いので、受検するだけではなく次回につながるようにそこでも学びを得ることが大事だと実感しました。
このテスト環境では、どうしても緊張感の中で焦りもあり、早口になって時間よりも前に自分の回答が終わってしまうこと多々あります。案外ゆっくり話しても時間が足りないことはないと理解し、止まらずにゆっくりと話し続けることが大事だと学びました。


周りの受検生が気になる

これは個人的な性格の問題ですが、周りに自分よりできる人が多いと、どうしても萎縮してしまい、特にSpeakingでは思うように話すことができませんでした。特に9月や10月は、MBAに向けて早めに対策をとっている社会人や帰国子女の方が多いように感じられ、11月は学部から留学に行く現役大学生が多かったように思います。学部生の中に混じって30半ばのサラリーマンが受検しているので、ここでは負けてはいられないという、意味不明なプライドが功を奏した、と言えるかもしれません…お恥ずかしい。


自然科学系の単語がわかるサラリーマンに

特に社会人の方ですと、業務で英語を使われる方もいらっしゃるかと思いますが、「シャチがアラスカでどのように群れをなすか」「鹿のツノの生え替わりの時期と群れの中での地位の関係性」のような学術的な内容を英語で耳にする機会は少ないと思います。特に欧米のビジネスパーソンは、ビジネス以外の会話力が問われると言います。彼らはシャチの話をするかもしれません。日本人も季節の話を好みますよね。そのレベル以上の内容を理解して、口頭でまとめられるようになれば、こっちのもんです。
兎にも角にも、勉強あるのみ。効率的に、自分にあった方法で勉強することをお勧めします。


ツールが使えるという証明

私は101点という、非常にギリギリなスコアで留学し、案の定留学中は英語に泣きました。デザインという概念的な内容をインド人や中国人、アメリカ人と英語で議論することや、行動デザインのような過去の事例と心理学に基づいて概念を形成する内容を英語で学ぶこと、そして自分たちがリサーチで得たインサイトやデザインしたサービスを英語で伝えること等困難が立ちはだかり、何度も苦しい思いをしました。
しかし、100点の足切りはクリアしている=英語力はあるとみなされており、自分でも英語を理由にクオリティを落としたくない思いがありました。
実際、アメリカに来てすでに1年半以上経過していますが、この状況は変わりません。しかし、忘れてはいけないのは「英語はツール」であること。より大切なのは、何を理解し、何を伝えたいかという「中身」です。


また取り止めもない文章となりました。
今回はTOEFL対策について、2年前の記憶を呼び起こして書き記しました。英語対策は一人ひとりの強み弱みがはっきりし、かつ勉強方法にも個人差や得意な方法等違いがあります。私の受検勉強は一つの方法であり、決してこれが全てではないとご理解いただけますと幸いです。


次回は、大学院留学を経て、OPTを使ってアメリカで働くことについてお話します。EADカードの手続きや職探し等、参考にしていただけるような内容にしたいと思います。