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社内起業は2人で始めよう!

 最初は2人がいい。1人は少なすぎる。そもそも新たな領域に一歩踏み出そうとしているのに、1人でやるのは不安だ。4人は多すぎる。皆の意見をまとめるだけで大変な労力だし、そもそも皆の平均の意見はつまらない。

1.なぜ1人ではないのか?

 実は、結論から言えば1人でも良い。全く問題がない。ただ、その1人はとても多くの能力とパワーが要求される。もし、1回でも社内起業をしたことがあり、本人が1人で出来ると思ったら、それは1人でもいい。しかし、それ以外のシチュエーションであれば、特に初めての取り組みであれば、絶対に2人以上をお勧めする。

 その理由の一つは、単純に業務ボリュームだ。社内起業は、やることが多い。起業する為の一通りの話に並行して、身内の利害関係者と社内調整を行わなくてはならない。とんでもないボリュームになる。一つのことをやるにしても、相手の立場に合わせた説明をして、合意を取っていく必要がある。この内部エネルギーは、無駄と言えばそれまでだがサラリーマンと起業を両立するのだから、それくらい仕方がない。なるべく最低限にするにせよ、どうしても必要な儀式だ。

 もう一つの理由は、顧客側と開発側で立場をとって逆の目線で見れるとチームとしてバランスがいい。顧客はいつもわがままだ。開発の苦労なんてお構いなしだし、平気で矛盾したことを言ってくる。だから、ついつい開発側は自分の都合の良いように話を進めたくなる。1人でやるとどうしてもこれをコントロールしにくい。

2.なぜ4人以上ではないのか?

 人数が多すぎるのダメだ、それは感覚的に分かる。では、なぜ4人では多すぎるのだろうか?

 新規事業の企画段階は、昨日言っていたことが今日変わっていたりする。事業計画にしろ、強みにしろ、顧客ニーズにしろ、全てが仮説なので、それが違うという事実が見つかった時点で、仮説を変更しなくてはいけない。このため、毎日のように違うことを言う羽目になる。僕の場合、例えば最初は顧客層を限定したe-コマースと言っていた。そして、顧客ヒアリングの結果、プラットフォームにした。そして、更なる顧客ヒアリングの結果、情報管理システムにした。そして、ローンチ後の今、またプラットフォームと言い始めている。

 何もふざけてそうなったわけではない。その時は悩みぬいて考え抜いて勉強に勉強を重ねて、そう言っているのだ。でも、前提が変われば計画も変わる。新規事業の企画段階では往々にしてこのようなことが起きる。これを3人に伝える必要がある。4人でやる場合、それを聞いた3人はとても大きなストレスになる。なぜ?理由が気になる。伝える、議論になる、もう一度組み立てる。もし、これが出来て、かつスピーディな4人であればいいかもしれない。しかし、現実にはそううまくはいかない。しかも、これを4人がそれぞれ言い出したらどうなるだろうか?4倍のエネルギーを要することになる。このエネルギーは、多くのタスクを分担してこなすメリットよりも大きいデメリットになる。だから、4人は多い。

3.最適な人数

 そうなると2人か3人なのだが、2人がいい。Appleはスティーブ・ジョブスとスティーブ・ウォズニアックの2人で始めた。googleはラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン。まぁ有名どころを並べてもあまり参考にならないけれど、2人で起業する人は多い。肌感覚でも2人いれば立ち上がる。要は、立ち上げる時は膨大な作業が必要で、それを1人で行うのは大変だが、2人いれば何とかなる。そして、人数が増えるほどコミュニケーションに時間と労力が掛かる。だから、2人が最適だ。そして、そのうち1人は顧客側に立つこと。これが成功する為に大切なポイントになる。

4.まとめ

 新規事業開発は不安だ。ついつい既存の仕事をキープしながら新規事業を手掛けたくなり、そうなると一人で出来る範囲が減り、メンバーを増やしたくなる。企画者と営業、事業企画、開発のプロの4人を集めると何か安心したりする。しかし、それは空中分解する典型例だ。それぞれのプロとは仲良くなっておこう、相談をしよう。でも、やるのは本当に最少人数だ。他の仕事を捨てて、この仕事に掛けた2人が、どんな専門家よりも目の前の大きな壁を突破する力を持っている。

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