光の啓示01

光の啓示「第1章 違法コピー工房その2」

第1章 潜入!違法コピー工房のつづき 違法コピー工房その2。

工房を出て、5分ほどの村のワルンでランチタイム、
今日はミゴーレン(やきそば)、
異国に旅をして食があうのは、ほんとありがたい。

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なかなかいけるミゴーレンを食べながら
バリにはあのような工房がどれくらいあるのかワヤンに聞いた。

ワヤン:いまは2,3ほどだよ。

私:へー、そうなんだ。
  あそこで描いている人たちはどこで絵を学んだの?

ワヤン:たぶん、あそこ。

私:ふーん、アトリエのアーティストとは違うの?

ワヤン:彼らはアーティストじゃない。写真の絵を描いているだけ。

私:人間コピー機というわけだね。

ワヤン:・・・・・。

当時のワヤンはコピー機を知らないらしい。

私:あそこでなにを描こうかな・・・・。

ワヤン:好きなものを描けばいいよ。

私:好きなものか・・・・。

好きなものと言えば、
お金!
女の人!
旅!
それぐらいだ・・・・・。

お金を描くわけにはいかないし、女性も想像じゃ描けない・・・。
バリの旅を描くのもなぁ・・・・。気がのらない。

他に描きたいものはなにがあるかな?
考えても、なにもうかばない・・・・。

こんなことで、アーティストになれるのか?
絵なんか描けるのか?
アーティストの才能はあるのか?
すこし不安になった・・・・・。

私:だいじょうぶかな・・・・・?

ワヤン:タカ、だいじょうぶ。

なんで、わかるのだよ。
あいかわらずノーてんきのワヤンには、
まいるが、こころがなごむ。

私:そうだね、なんとかなるよね。

とにかくやるしかない。

早々にランチをすませ、バイクで工房へもどった。

工房に入ると、工房のオーナーがいた。

ワヤンが私を紹介し、オーナーにあいさつ。
オーナーは、キャンバスを用意してくれて、
絵の具や筆などの画材はそこらへんのを自由に使っていいみたい。
なにか優遇されていると感じながら、

私:テリマカシー(ありがとう。)

いろいろ用意してくれたはいいのだが、
なにを描けばいいのか決まっていないし、
描き方も知らない・・・・。

そこで黙々と描いている人たちを、みようみまねで描くしかない・・・。
そんなことを思っていると。

ワヤン:タカ、夕方またくるね。
とワヤンは工房をでていった。

えっ!
ひとり残って描けと・・・・。

まあ、絵を描き終わるまでずっと待っていられないし、
ワヤンがいてもしょうがないな。

さあ、気持ちを切り替えて描くか!
つってなにを・・・・・。

キャンバスを前に途方にくれる私でした。


つづく


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1989年の夏、私がアート活動を始めたきっかけになったある出来事から現在に至るまでの経験や出来事を記憶にある限り綴っていきます。

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