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Focusの50周年ボックスに関する雑感、パート2。

前回取り上げたフォーカス50周年ボックスの話題、今回はフォーカスが世界で活躍する事になった傑作2ndFocus II (改題後はMoving Waves)」を取り上げます。

前回の記事で書いたデビュー作Focus Plays Focus(改題後はIn And Out Of Focus)」はちょっと地味な作風もあってか当時はあまり売れなかった様子。ここでバンドはドラムをHans Cleuverから、ギタリストのJan Akkermanと何度か活動を共にしているPerre van der Linden(元Brainbox等、後に従弟のRick van der Lindenが結成するTraceに参加)に交代。
(ハンスが下手というわけではないが)派手な演奏且つ実力派のピエーリが入ったことでバンドとしてしっかり固まったようで、B面をフルに使った組曲『Eruption』を収めた「Focus II」が世に出ることになります。

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前回の記事で動画も貼った、ヤンのギター・リフとそれに続くタイスのヨーデルのインパクトがありすぎる名曲(迷曲)『Hocus Pocus』(邦題:悪魔の呪文)がアルバム1曲目。

この1曲でオランダの一バンドから世界的ヒットを起こすバンドになってしまったのだから、当時のレコードやラジオ等の影響力はすさまじい。ただアルバム全体を聴くとわかるが、これは明らかに”つかみ”のためのネタでしかない。(前回も書いたが)このバンドは、本来はクラシカルな要素が土台にあるバンドだと強調したい。

LPのB面を使った組曲『Eruption』にはネタ要素は微塵もない( UωU)

この『Eruption』からは組曲内の『Tommy』という曲がシングル・カットされたがこの『Tommy』、実はフォーカスのメンバー作曲ではない。交流のあったSolutionというバンドのメンバー、Tom Barlageによる作曲(しかしSolutionがこの曲を演奏するのはフォーカスより後の72年)。
50周年ボックスではこのアルバムのボーナス・トラックは3曲。『悪魔の呪文』のシングル版(”U.S.シングルver.”等として有名な『Hocus Pocus II』ではなく、オリジナル演奏のシングル・エディット)、『Tommy』のシングル・エディット、71年Texelでのライヴから『Focus I』が収録されている(パイレートで出回っていたTexelの音源には『Anonymous』もあったが、録音する際にテープの回転速度にムラがあったような酷い音声故かボックスには未収録)。

最後に「Hocus Pocus Box」内の2ndと今回のボックスから2ndを波形で比較したものを貼っておきます。見比べると今回の気合の入ったリマスターのほうが綺麗な”魚の骨”になっているのがわかると思います( UωU)

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