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自#071|汝、姦淫するなかれ(自由note)

 週刊文春で、河井案里さんのインタビュー記事を読みました。割とぶっちゃけなtalkで、案里さんに対して、好印章を持ちました。記事を読む限り、案里さんは主犯格ではなく、本人が語っている通り「消費される対象として擦り減っちゃった」方と云う気がします。消費されて擦り減っちゃった方は、私のような平凡人の周囲にはいませんが、アイドルやテレビに出る有名人の中には、そういう方も、いらっしゃる訳です。視聴率が稼げる、部数が伸ばせるとなると、媒体の利益も絡んで来ますし、マスコミも容赦はしないだろうと想像できます。

 案里さんの実家は、両親同士や姉と親との仲が悪くて、家庭内不和があったそうです。小さな頃から、いろんなことを考えざるを得なくなって、「和」を作る役を一人で背負って、大学院を出る頃に鬱になって、ずっとカウンセリングを受けて、自分を直視して、かなり克服して来たと素直に語っています。宮崎の県立高校から慶応のSFCに進学。大学院に進み、科学技術振興事業団に入職しています。小さい頃から、ずっと頑張って来て、とうとう糸が切れて、鬱病になってしまったわけです。

 検察の事情聴取を受けた3月に、自殺未遂を図ったそうです。
「別にそんなに積極的に死のうとは、思わないけど、私のような鬱病の人間は、どちらかというと死が近くにある」と、語っています。鬱病があるので、強い睡眠薬を持っていて、それを多めに口に含んで、ワインや日本酒、家にあるいろんなお酒を飲んだ、が、薬の量が足らず、自殺未遂だったそうです。その後、精神科に入院します。
「精神科は初めてだったけど、入院してだいぶ良くなりました。世の中と離れるのが鬱病には良いんです」と、述懐しています。
 案里さんのインタビューは、6月5日に実施されています。今はもう、逮捕されたので、拘置所に入っています。案里さんの所に接見に行って、その後のインタビュー記事も書いて欲しいと思いました。案里さんが、ホリエモンのように刑務所の中で、本を書けば、読んでみてもいいかなって気はしています。

 渡部不倫の後日記事も読みました。渡部さんのお母さんは福岡出身。お父さんは長崎出身。二人とも九州大学を卒業されています。お父さんの勤務先が、東芝だったので、上京して八王子に住んでいたんです。子供の頃、母親が厳しく、お菓子やジュースは買ってもらえなかったそうです。が、お笑い界のグルメ王になれたのは、子供の頃、お菓子やジュースを口にせず、味覚のsharpなセンスを、知らず識らずの内に、磨くことができたからだと想像できます。

 中学時代は、バイクを盗んだり、喫煙で停学になったりと、それなりにヤンチャな日々だったようです。中学卒業後、都立日野高校に進学します。そう、あのRCサクセションの忌野清志郎さんが卒業された日野高校です。日野高校では、スクールカーストの最上位で、モテていたそうです。中学時代にヤンチャで、それなりに甘いマスクですから、女の子も、ほっとかないと思います。

 受験勉強は、思い通りには行かなかったようです。河合塾の立川高に通いながら、有名私立大学を目指しますが、一浪しても届かず、結局、神奈川大学経済学部に進学します。元クラスメートの児島に誘われて、大学在学中にお笑いの世界に飛び込みます。

 20代の頃は、まったく売れなかったそうです。先輩に奢ってもらったり、当時付き合っていた女の子のヒモになって、食いつないだり。あまりに貧乏で、ご飯に醤油と鰹節をかけて食べたりしていました。が、スナック菓子やコンビニの売れ残りの弁当などに頼らず、ご飯・醤油・鰹節のコラボのような食事ができたのは、小さい頃、お菓子やジュースを食べなかった、母親の躾のお陰だと思います。ジャンキーな食べ物に手を出してしまっていたら、後のグルメ王の渡部さんは誕生してなかったと推測できます。

 グルメを極めながら、夜景鑑定士検定、日本さかな検定、ダイエット検定などの資格も取っています。一般人の場合、こういった資格は、単なる趣味にとどまってしまいますが、芸人の場合、こういった得意分野とも云うべき「武器」があれば、その問題関連のテレビやラジオの仕事が、回って来ることも考えられます。ストイックかつ冷静に、人生設計をしていたと言えます。

 今回の渡部さんのスキャンダルは不倫です。モーセの十戒でも、「汝、姦淫するなかれ」と、書かれています。不倫は、やっぱりダメでしょうとしか言えません。

 私の教え子だって、不倫をしているboys & girlsはいます。相談を受けたら
「不倫はダメだ。自分や相手の家庭を壊すから」と、きっぱりと申し渡します。模範解答です。ニシモリは(不倫に関しては)模範解答しか言わないと、教え子たちも知っているので、不倫の当事者が、相談に来ることはありません。

 が、私の立場は、実に微妙です。私は不倫の結果、生まれた子供です。不倫を否定してしまうと、自分自身の存在を否定すると云う二律背反に陥ってしまいます。母が不倫をした結果、相手の本妻さんは精神的に苦しめられ、割合、早く亡くなっています。不倫が罪だとは、母は爪の先ほども考えてませんでした。ただ、子供を産んだことは、失敗だったと思っていました。
「オマエは、生まれるべきじゃなかった」と、何度もこのセリフは、聞かされました。が、子供を残酷なまでに傷つける母によって、私は徹底的に鍛え抜かれたとは思っています。さすがに、それが幸せだったとは考えられませんし、母に感謝もしていません。ただ、こういう巡り合わせだったんだと、割り切っています。

 渡部さんの不倫は、まあ一種の病気です。その病気は、母と息子との人間関係の歪みから発生していると推定できます。渡部さんの病気を治すためには、母と息子の二人がカウンセリングを受ける必要があると、ベテラン教師の目線で見ると、判断できます。ただ、すぐれたカウンセラーさんは、本当にrareですから、世の中に嫌と云うほど沢山いる不倫の男女のケアにまでは、とても手が回らないだろうと想像できます。

 相方の児島さんは、礼儀正しく、スタッフの受けもいいそうです。児島さんの方が、人間としてちゃんとしていると云うことです。ですが、笑いは取れません。人間としたちゃんとしていることと、お笑いとは、まったく無関係だと言えます。

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