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高校教員の定年を機にエッセイを掲載することを決意。教育エッセイ「たかやんnote」、大…

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高校教員の定年を機にエッセイを掲載することを決意。教育エッセイ「たかやんnote」、大学受験エッセイ「受験ノート」を掲載します。他にもジャンルを絞らずエッセイ書きます。多くの人に読んでいただければ幸いです。[発言は個人のもので所属する組織の意見ではありません]

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記事一覧

創#627「愛はforeverなものではなく、どうしたって、変質してしまうものです。そう悪くはない状態で、愛を定着させるためには、…

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー364」 「Mは、こんな山奥に戻って来て、窯を築いて、焼き物の制作を始めたわけだから、やっぱりカオスは避けたいんだろうな…

西森さん
22時間前

創#626「小1~小3で在籍した小学校は、全校児童が、二千人を超えていました。そこら中、人だらけです。この時代(昭和30年代)社…

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー363」 「子供firstで、焼き物secondですか?」と、Mは、納得できないと言った口ぶりで言った。 「R子さんに、子供を産ん…

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1日前
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創#625「海と山とでは、冬山でない限り、山の方が安全です。海はリスクが大きいんですが、それゆえに、魅力的ってとこもあります…

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー362」 「Mの両親は、軽四で駆けつけたら、すぐかもしれないが、スープは完全に冷める距離に住んでいる筈だ。ここの元の村…

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2日前
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創#624「セザンヌは、山が好き。木も岩もfavorite。人間嫌いってわけでもない。が、様々なものを、全部、平等に好きってわけじゃ…

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー361」 「まあしかし、こんな風に模範解答ばかり並べていると、R子さんも、きっと退屈しますよね。小4の時、アパートの隣…

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3日前
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美#115「印象派の中では、セザンヌだけが、敬虔なカトリック教徒だったと感じます」

           「アートノート115」  セザンヌは20代の後半、父親のルイ・オーギュストの絵を描いている。セザンヌは、最晩年になって、ようやく多少、名前が知…

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3日前
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創#623「アルコールやタバコ、ギャンブルなどは間違いなく有害ですが、有害なものを、ほど良く楽しむ知恵も、時として必要です」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー360」 「子供の食生活などは、別段、心配しなくても、子供は自然に健康に育って行くと考えて、構いませんか?」と、R子さ…

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4日前
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創#622「一日一食の食生活にして、5年が経過しました。それまでの一日二食よりも、一食少ない分、いろいろ楽です。私のような、…

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー359」 「この山の奥には、魑魅魍魎がいて、K市の町中にはいないと考えても構いませんか?」と、R子さんは訊ねた。 「R子さ…

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5日前
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創#621「子育ては母親にとっては、人生の第一義ですが、父親にとっては、必ずしもそうだとは言えません。が、第一義のフリはして…

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー358」 「子育てをすることが、あたしの人生の第一義で、Mと暮らすのもそう。子育てと、Mと暮らすことを、巧みにアレンジ…

西森さん
6日前
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創#620「人生の第一義が二つ並列する時、その両者をアレンジすることは、相当な工夫と努力が必要です」

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー357」 「筏(いかだ)を拵えて、Y川の川下りをするとかって、最高にfantasticで、小5、6にとって、筋道の正しい遊びです。た…

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7日前
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美#114「絵画は写実ではなく、構成です。これが、プーサンに即して、自然を描き直すというセザンヌの言葉の意味だと思います」

          「アートノート114」  2019年の秋に、上野で開催された、コートールド美術館展の一番の目玉作品は、マネの「フォリー・ベルジェールのバー」だった…

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7日前
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創#619「判断をする時は、自己の内部の無意識界から答えを引っぱって来るしか方法はないです。私の場合は、黒と白のモノトーンの…

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー356」 「高校時代、世界史を教わったS先生という方にお世話になったんですが、このS先生は、私が世界史の教師になると、確…

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8日前
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美#113「ペットはお世話をしなければいけないので、価値があります。AIワンちゃんは、電池を換えるだけ。コレは、お世話とは言え…

            「アートノート113」 「高齢者とペット」という記事を読んだ。イグアナとかマングース、ニシキヘビなど、コアなペットを飼っている人も、少数だろ…

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8日前
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創#618「セザンヌは、晩年、南仏のエクサンプロヴァンスで暮らして、故郷の景色を描き続けましたが、セザンヌがもう少し、要領が…

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー355」 「この山奥は、人が少なくて子供の教育に望ましくないのであれば、K市に戻るしか方法はないような気がします」と、…

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9日前
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美#112「森林浴と言うのは、森林の中の樹木の『生気』に浴すると言うより、森林の中をwalkingすることによって、健康に貢献して…

             「アートノート112」  森林浴の記事を読んだ。手元にある岩波の第三版の広辞苑には「森林浴」のwordは、掲載されてない。第三版は、昭和時代…

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9日前
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創#617「中学校を卒業したら、社会の荒波に揉まれると覚悟していました。ある一定の年齢を過ぎたら、大人にならざるを得ないと、…

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー354」 「私は、小4までは、たいして学校には通ってません。小5、6は普通に登校しました」と、私はR子さんに教えた。 「小…

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10日前
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美#111「セザンヌのヌードは、全く描けてません。セザンヌの絵を見る限り、女性裸体図が描けなくても、偉大なアーティストには、…

           「アートノート111」  ノンアルコールの記事を読んだ。私が若い頃、酒席のノンアルコールのドリンクと言えば、コーラー、ジュース、ウーロン茶あ…

西森さん
10日前
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創#627「愛はforeverなものではなく、どうしたって、変質してしまうものです。そう悪くはない状態で、愛を定着させるためには、かなりの知恵と、忍耐力が必要です」

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー364」

「Mは、こんな山奥に戻って来て、窯を築いて、焼き物の制作を始めたわけだから、やっぱりカオスは避けたいんだろうな。Mの気持ちが、判らないわけでもない。米も作っているし、Mのファミリーは、ここで、ほぼ自給自足の生活だって営める。自分は、アーティストじゃないし、そういう気質も備えてないから、断定的なことも言えないが、自然に囲まれて、家族以外の人間関

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創#626「小1~小3で在籍した小学校は、全校児童が、二千人を超えていました。そこら中、人だらけです。この時代(昭和30年代)社会全体が、わさわさしてたような記憶があります」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー363」

「子供firstで、焼き物secondですか?」と、Mは、納得できないと言った口ぶりで言った。
「R子さんに、子供を産んでもらって、父親になる決心をしたわけだから、今やるべきことは、二人で子育てをすることだ。Mが子供の頃は、小さい村であっても、同級生も先輩もいた筈だ。オレは、保育園児の頃、小学校3、4年の兄ちゃんたちと、H山に行って、遊んだ

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創#625「海と山とでは、冬山でない限り、山の方が安全です。海はリスクが大きいんですが、それゆえに、魅力的ってとこもあります」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー362」

「Mの両親は、軽四で駆けつけたら、すぐかもしれないが、スープは完全に冷める距離に住んでいる筈だ。ここの元の村は、ダムの底に沈んで、この近辺に戻って来たのは、少数のファミリーだけだ。そのファミリーは、農業や林業をやっているだろうが、お互いの距離が離れ過ぎているし、コミュニティを形成できるほどの数でもない。開拓者たちが、荒野にやって来て、ゼロか

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創#624「セザンヌは、山が好き。木も岩もfavorite。人間嫌いってわけでもない。が、様々なものを、全部、平等に好きってわけじゃない。セザンヌが一番好きなのは、サントヴィクトワール山。次が子供の頃、ゾラと一緒に見た松。そう好きでもなく、苦手なのは、多分、女性の裸体」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー361」

「まあしかし、こんな風に模範解答ばかり並べていると、R子さんも、きっと退屈しますよね。小4の時、アパートの隣の姐(ねえ)さんが、清涼飲料水を飲ませてくれました。この姐さんは、クラブかキャバレーのホステスさんだったんですが『アルコールじゃないから、飲んでも平気よ』と言って、まっ黒な飲料を勧めてくれました。確かにアルコールとは、とても思えなくて

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美#115「印象派の中では、セザンヌだけが、敬虔なカトリック教徒だったと感じます」

           「アートノート115」

 セザンヌは20代の後半、父親のルイ・オーギュストの絵を描いている。セザンヌは、最晩年になって、ようやく多少、名前が知られるようになるが、人生の大半を通して、知る人ぞ知る、画家だったし、作品も長い間、まったく売れなかったので、ゴッホやゴーギャンと同じように、自称の画家だった。印象派の中では、モネだけが、長生きをしたために、最後、偉大な画家として、「公

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創#623「アルコールやタバコ、ギャンブルなどは間違いなく有害ですが、有害なものを、ほど良く楽しむ知恵も、時として必要です」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー360」

「子供の食生活などは、別段、心配しなくても、子供は自然に健康に育って行くと考えて、構いませんか?」と、R子さんが訊ねた。
「私が子供の頃とは、四国の田舎であっても、食生活の環境は激変しています。私の家は、超貧乏だったんです。保育園の頃は、橋の下だか、河川敷なのか区別がつかないようなとこに、バラックを建てて、そこで暮らしている大伯父さんたちに

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創#622「一日一食の食生活にして、5年が経過しました。それまでの一日二食よりも、一食少ない分、いろいろ楽です。私のような、食にたいして興味のない人は、結構、いる筈です。そういうタイプの方は、なるべく早く、一日一食にした方が、生活がすっきりして、快適になります」

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー359」

「この山の奥には、魑魅魍魎がいて、K市の町中にはいないと考えても構いませんか?」と、R子さんは訊ねた。
「R子さんは、魑魅魍魎は存在しないと考えてますね。Mは、多分、半信半疑。私は、小2で、H山から降りて来る時、魑魅魍魎の存在を直観したんです。『機会があれば供養はしますし、お祈りもします。感謝することだって、吝(やぶさ)かではないです。ですか

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創#621「子育ては母親にとっては、人生の第一義ですが、父親にとっては、必ずしもそうだとは言えません。が、第一義のフリはしておかないと、後々、やっぱり、いろいろ厄介です」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー358」

「子育てをすることが、あたしの人生の第一義で、Mと暮らすのもそう。子育てと、Mと暮らすことを、巧みにアレンジすることを、あたしにも求めてますよね」と、R子さんは、確かめるように言った。
「read between lines、欄外を読み取って下さったんですね。まさに、そうです。私は多分、子供嫌いですが、子供が不幸に陥ることは、望んでません」

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創#620「人生の第一義が二つ並列する時、その両者をアレンジすることは、相当な工夫と努力が必要です」

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー357」

「筏(いかだ)を拵えて、Y川の川下りをするとかって、最高にfantasticで、小5、6にとって、筋道の正しい遊びです。ただ、下ったら筏を上流まで引っ張り上げる必要があります。一人でこれをやるのはきつ過ぎます。まあ、やっぱり仲間が3、4人は欲しいです。O駅の傍の小学校に通っていたら、そこの同級生を呼んで、一緒に川下りを楽しめばいいんじゃないか

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美#114「絵画は写実ではなく、構成です。これが、プーサンに即して、自然を描き直すというセザンヌの言葉の意味だと思います」

          「アートノート114」

 2019年の秋に、上野で開催された、コートールド美術館展の一番の目玉作品は、マネの「フォリー・ベルジェールのバー」だったが、すぐれた作品が多く、もっとも充実していたのは、セザンヌだった。
 この展覧会は出品されている作品の数も少なく(彫刻を含めても、全部で60点ほど)すべての作品を、一点ずつ、丁寧に見た。開館とほぼ同時に展覧会場に入り、途中、お昼に紅

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創#619「判断をする時は、自己の内部の無意識界から答えを引っぱって来るしか方法はないです。私の場合は、黒と白のモノトーンのグラデーションの濃さ、薄さで、NoかYesか、決定されます」

       「降誕祭の夜のカンパリソーダー356」

「高校時代、世界史を教わったS先生という方にお世話になったんですが、このS先生は、私が世界史の教師になると、確信しているんです」と、私はR子さんに打ち明けた。
「世界史がすばらしく、良くできて、優秀だったから、そこを見込まれてるってことですよね」と、R子さんは返事をした。
「点数は取ってました。R子さんもMも、受験勉強は経験してないので、不案

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美#113「ペットはお世話をしなければいけないので、価値があります。AIワンちゃんは、電池を換えるだけ。コレは、お世話とは言えません」

            「アートノート113」
「高齢者とペット」という記事を読んだ。イグアナとかマングース、ニシキヘビなど、コアなペットを飼っている人も、少数だろうが、きっといる。が、高齢者が飼うなると、それは、やはり犬や猫あたりに落ち着く。
 私が子供の頃は、ウグイスやメジロなどの音色のきれいな小鳥を飼っているお年寄りは結構いた。小2の頃、住んでいたアパートの大家さんも、メジロを飼っていて、米

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創#618「セザンヌは、晩年、南仏のエクサンプロヴァンスで暮らして、故郷の景色を描き続けましたが、セザンヌがもう少し、要領が良ければ、パリにいて、故郷の景色を描けた筈です。要領がいいということも、生きて行く上では、やはり大切な徳です」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー355」

「この山奥は、人が少なくて子供の教育に望ましくないのであれば、K市に戻るしか方法はないような気がします」と、R子さんは切り出した。
「それは、K市に戻りたいというR子さんの願望です。子供にとって仲間が必要なのは、児童期、学童期です。7、8歳、まあ10歳くらいまでは、この山奥で、タヌキやキツネ、イノシシなどを、友だちとして暮らしたとしても、何

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美#112「森林浴と言うのは、森林の中の樹木の『生気』に浴すると言うより、森林の中をwalkingすることによって、健康に貢献してるんじゃないかと想像しています」

             「アートノート112」

 森林浴の記事を読んだ。手元にある岩波の第三版の広辞苑には「森林浴」のwordは、掲載されてない。第三版は、昭和時代の最後に編集された版。美術集でも、写真集でも、辞書でも、昭和時代に編集されたものが、もっとも便利で使い易い。平成、令和の出版物は、up to dateな事項を扱っていたりはするが、文章のノリが、軽めでしっくり来ない。本というのは、そ

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創#617「中学校を卒業したら、社会の荒波に揉まれると覚悟していました。ある一定の年齢を過ぎたら、大人にならざるを得ないと、今の若い人も、あらかじめ覚悟しておいた方がいいと思います」

        「降誕祭の夜のカンパリソーダー354」

「私は、小4までは、たいして学校には通ってません。小5、6は普通に登校しました」と、私はR子さんに教えた。
「小4まで、学校に行ったり、行かなかったりだと、学校の勉強はしてませんよね。小5からちゃんと学校に通って、本当に授業について行けるんですか?」と、R子さんは訊ねた。
「子供は、ほとんど全員、漁師の子供です。やたらと、わさわさしてて、静

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美#111「セザンヌのヌードは、全く描けてません。セザンヌの絵を見る限り、女性裸体図が描けなくても、偉大なアーティストには、なれると理解できます」

           「アートノート111」

 ノンアルコールの記事を読んだ。私が若い頃、酒席のノンアルコールのドリンクと言えば、コーラー、ジュース、ウーロン茶あたりが定番だった。ペットボトルの緑茶などは、まだ出回ってなかった。ミネラルウォーターはあったが、それは、ウィスキーを水割りにする時に使う素材だった。アルコールが飲めなくて、ジュースばかり飲んでいる女性も、結構いたが、我々、左党(酒好き)

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