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エクセルでの病院テレアポリストのつくり方と活用のポイント

テレアポリスト次第であなたの営業チームはもっと強くなる
テレアポ営業リストは、私たちのようなテレアポ代行会社にとっては命と言っても過言ではありません。それは営業責任者のあなたにとっても同じことではないでしょうか。

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、訪問営業(フィールドセールス)は自粛となったため、電話やウェブによる遠隔営業やインサイドセールスなどのリモート営業を強化する動きが活発化しています。

営業責任者に求められる成果とは「アポ率の向上」と「正確な分析」、「コールスタッフの育成」です。そして、それはできる限り迅速に正しく行われることが期待されます。そのためには、営業管理業務の効率を、最大限に引き上げることが必要です。

今回は、私たちが病院やクリニック等へのテレアポ業務で10年もの歳月をかけて磨いてきた「エクセルを活用したテレアポリストの作り方」を紹介しましょう。これを余すことなく実践すれば、あなたは最強の営業チームを作ることができるはずです。

テレアポリストとは
テレアポ営業リストは企業によって呼び方は異なりますが、「アタックリスト」、「攻略リスト」や「テレアポリスト」などと呼ばれます。テレアポリストに盛り込むべきターゲット先は電話帳データのようにすべての病院を盛り込むのではなく、対象とするセグメントやキーマンのターゲット像を想定し、絞り込んだリストを盛り込みます。

セグメントとターゲットを意識してリストアップする
まず、セグメントを説明します。例えば、「東京の病院」と言っても、急性期中心の病院、慢性期中心の病院、リハビリ中心の病院、精神科中心の病院、感染症受入れ可能な病院、手術件数が多い病院、少ない病院、IT化が進んでいる病院、医療従事者の職員人数が多い病院、在宅診療を行っている病院、健康診断や予防に力を入れている病院など、さまざまなセグメントに切り分けることができます。

次にターゲット像についてです。一つのセグメントに属する病院の中でも経営方針によって、提案すべき病院なのか、いまは提案しても響かない病院なのかを検討し、ターゲットとすべき状況を想定するというものです。この想定でターゲットをさらに絞り込むことができ、それによって無駄な営業活動をぐっと減らすことができます。例えば、患者をもっと増やしたい病院なのか、新規で投資するお金はなくコスト削減が急務といった病院なのか。医師を増やしたいのか、減らしたいのか。これらのターゲット像は、病院ニーズを深く推察することで見えてきます。新設病棟がある場合は、投資活動が一段落していますので今は新規の患者数を増やしたいはずだ、と推察することができます。新設病棟がいつ建てられたものかは厚労省などへの届出データを入手し細かく見てくことでわかります。

テレアポリストをどのように一元管理するのか
テレアポリストをどのように管理したら良いでしょうか。私たちは、テレアポリストはテレアポ業務に特化することをおすすめしています。テレアポ業務の目的は商談アポイントの獲得です。商談のチャンスをいただけるかどうかに特化すべきだからです。アポイントを獲得するためには細かな工夫が必要です。その工夫を積み重ね、精度の高い商談アポイントを獲得していくプロセスはそれなりに工程が多くなりますので、その後の商談管理は別シートで行うほうが効率的です。テレアポ業務とセールス業務を分けて考えつつ、一つの流れを作ることが大切です。分断しているようでシームレスに商談を進めていくイメージを持つと良いと思います。

スプレッドシートを使った管理がおすすめ
テレアポリストの具体的な管理方法をご紹介します。結論から言うと、テレアポリストの管理はグーグルが提供する「スプレッドシート」が良いです。

スプレッドシートは皆さんが大好きなマイクロソフト「エクセル」をほぼそのまま活かすことができるとても優秀なアプリです(G Suiteを契約する必要はありません)。エクセルで作成したリストをグーグルドライブにアップロードし、そのリストをスプレッドシートで開きます。そして、最後に“スプレッドシートとして保存”すると、チームのみんなで一つのリストをリアルタイムに閲覧・編集が可能になります。とても便利です。

ファイルの共有は特定のユーザーにのみ許可することで、セキュリティの安全性もある程度まで担保できます。会社によっては社内セキュリティ規定をクリアするのが難しいということもあるかもしれませんが、テレアポリストには公開情報を使いますので、追記する事項を注意すればリスクよりも得られるメリットのほうが大きいでしょう。(判断は企業の責任で行ってください)

営業担当者が各々にエクセルを使ってテレアポを行うと、後で集計に手間がかかるだけでなく、ターゲット先の傾向をつかんだり、NG理由を見ながらトークスクリプトを改善したり、資料送付希望の対応が営業担当者によってバラバラだったり、別の営業担当者のほうが相性が良いかもしれない病院の担当替えなど、テレアポ業務の改善や最適化サイクルに時間を要することになります。テレアポリストをスプレッドシートでリアルタイムに共有することのメリットは非常に大きいため、私たちもずっと使い続けているのです。

テレアポリストのつくり方
それでは、より具体的にテレアポリストのつくり方を説明しましょう。

テレアポリスト作成手順は以下の3ステップです。
1.病院データを入手する
2.記録する項目を決める
3.入力しやすいフォーマットに整える

1.病院データを入手する
テレアポリストを作るレシピの最初は材料を揃えることです。病院のデータベースがなければ始まりません。病院データベースは購入するか、自社の努力で収集するか、どちらかしかありません。

購入する場合のポイントは①更新日が新しいか②情報の網羅性はどうか③コストの3つの点に注意すると良いです。古い情報や抜け漏れのあるデータは著しく営業効率を下げてしまいます。また、信頼性に保険を掛けすぎるとコストが上がり過ぎて使いづらいものとなります。本来、病院データは公表されているデータですので、コストパフォマンスの良いデータベースを見極めて購入することをおすすめします。

自社の努力で収集する場合、医療学会併設の展示会やセミナー登壇などで収集した名刺情報、過去に問合せや紹介を受けた方の名刺情報、既存顧客情報をもとに作成することになります。その際は、できるだけ先入観を排除して使用することが大切です。一つの病院の中には、多くの医師や看護師、セラピスト、事務方の職員が働いています。病院の中で接触がある医師が一人いるだけで、他の担当者は接触しないというルールを設けてしまうと別の医師や職員との商談機会を自ら排除することにつながります。当然、配慮が必要ですが、工夫次第でアタックすることは可能です。さらに、厚労省や病院検索サイトなどのウェブサイトで公表されているデータを手作業で地道にコピー&ペーストすることも可能です。この場合、抜け漏れが生じやすく、病院やクリニックの施設名称が不完全だったり、表示形式がサイトごとに異なったり(誤字脱字やスペースが無駄に入っていることも多い)して、データの精度に不安が残る心配が生じます。

日々、医療系営業責任者の方にお話を伺っていると、このような方法でリストデータを収集する会社はとても多いです。しかし、労力の割に得られるデータが少なく、圧倒的な営業成果を出すには不十分と言えます。しかも、ウェブサイトで得られるデータはライバルである競合他社も容易に入手できますので、限られたリストを使って営業すると少し効率が悪くなることが考えられます。従って、病院データベースは常に新しい病院データを入手し。追加できることも視野に作ることが大切です。更新することを前提にデータベースの管理方法を決めておくと良いでしょう。

2.記録する項目を決める
テレアポリストづくりの次の手順は必要項目を決めることです。アポイントを獲得するために必要な項目はなにかを徹底して考えましょう。プロジェクトによって、売り込みたい商品の受注率を高めるためのヒアリング項目なども最初から項目に設定します。電話して担当者に着電し、必要なヒアリングを行うことで、その病院が提案すべき病院なのかが明らかになってきます。テレアポの際に、いくつかのシンプルな質問をし、それを記録することで、単に商談アポイントを獲得するのではなく、第一商談の中身の戦略を検討する材料になっていきます。

3.入力しやすいフォーマットに整える
最後に、コール業務を効率化するための事前設定を行います。この事前設定はコール業務の効率を大きく左右します。何件もの病院にコールしていくことが前提ですので、1件あたり1クリックの削減による改善効果は100クリック、1,000クリック削減になるという想像力が必要です。小さな工数削減と思わずに、面倒ですがコール担当者のために地道に行いましょう。コールスタッフの入力の工数をできるだけ減らすことにあなたの工数を使うことは決して無駄なことではありません。

また、項目のゾーニングも大切です。項目セルの配置を、「管理者ゾーン」と「コール者入力ゾーン」にゾーン分けすることをゾーニングと言います。管理者に必要なのは進捗の確認です。成果が想定通りに出ているのか、そうでないのかをリアルタイムに確認できるようにします。数値ゾーンはほぼすべての項目を自動集計の数式でつくることができます。エクセル上で仕込んだものをスプレッドシートにアップロードすればそのままで数式が機能します。
一方、コール者入力ゾーンは入力の工数を極力減らすことが求められます。キーボードでテキストを入力する項目はできるだけ減らし、クリック入力できる項目にしましょう。私たちは「フラグを立てる」と表現し、チーム内で共通言語化しているのですが、例えば、アポを検討してもらうために、資料送付希望があり一旦、終話となった場合は、「資料送付の項目にフラグを立てる」というルールにします。フラグの立て方は、該当セルに「1」と記入するのですが、その際キーボード入力ではなく、クリック入力にしたいため、該当項目のすべてのセルに予めプルダウンで「1」を選べるように仕込みます。スプレッドシートの場合「1(全角)」は文字列、「1(半角)」は数字として認識されます。そのため、集計が必要な項目には「1(半角)」のフラグを立てると漏れなく集計することができます。

もう一点、必要な考え方をお伝えしておくと、営業責任者が欲しい情報とコール担当者がコールそのものに必要な情報は異なるということです。営業責任者として必要な数値データは当然盛り込みますが、コール業務をスムーズに行うための項目も必要です。どのような項目が必要になるかはプロジェクトの目的によって異なりますし、様々な項目が考えられますが、業務効率を考えると、キーマンの所属部署名や氏名、繋がりやすい時間帯などは必須項目となります。

営業責任者がアポ率を上げるためにやるべきこと
営業責任者の仕事は受注を獲得する強いチームを構築することです。営業という仕事は行動量に比例して結果が出る仕事です。つまり、やった分だけ成果が出るということです。しかし、だからと言っていたずらに母数を増やせば成果も増えるというわけではありません。正しい戦略に基づき、仮説検証を繰り返すことで、最初から絞り込んだ営業リストで大きな成果を産むことを目指しましょう。

1.営業責任者の役割
営業責任者の役割は、チームの全員に仮説検証をしてもらうことです。あなたが決定した戦略や営業シナリオ・営業ストーリーを何度もトライしてもらい、それによって得た結果を検証し、微修正したシナリオを再度実行してもう。この仮説検証の繰り返しを一般にはPDCAと呼びます。愚直にこれに取り組む営業チームが強いチームと言えるでしょう。

2.集計の仕組みを作る
そのために必要なことは、定点観測したい項目を決めて、リアルタイムに自動集計することです。ライバル企業よりも早く仮説検証を回すことで受注獲得を増やしていくことができます。しかし、その仮説検証の過程で単なる集計や分析に手間取っていると、PDCAサイクルを高速で回転させることが不可能です。だからこそ、テレアポリストのつくり方が売上に大きな影響を与えると言えます。

3.集計データを分析する
集計データを見てあなたなりに分析することで、アポが獲得できるターゲット先の傾向をつかめます。また、NG理由を見ていくと、トークスクリプトをどのように改善すれば良いか見えてくるものです。さらに、一度、NGになった病院でも、より相性の良さそうなコール担当者に再度アプローチしてもらうことで突破口を開くこともあります。データは活用することを前提に項目を設定しましょう。ただし、あれもこれもと欲張ると、入力項目が多くなりすぎてかえって効率が落ちてしまいます。絶対に必要な項目に絞ることが一番重要です。念の為、とっておきたいという項目は思い切って省きましょう。これはコール担当者の疲弊を防ぎ、チームの温度を高めることに繋がります。

4.資料送付や質問への回答を着実にこなす
細やかな対応は顧客候補の病院から好感を得ることに繋がります。ゼロからのテレアポでも、信頼関係を構築することは医療業界においてとても重要です。コール担当者が即座に回答ができなかった内容については、わかる人に確認後、必ず再度電話で回答をしましょう。、資料送付後に再度コールして追客していくことも必須です。資料送付のパターンは郵送、FAX、メールがあります。資料送付リストを別シートで管理して、漏れなく送付できるようにしましょう。郵送作業を効率化するには、宛名ラベルを自動生成できるようにスプレッドシートを設定することもできるはずです。

まとめ
今回はテレアポリストをつくり方と活用のポイントをお伝えしました。私たちは創業以来、テレアポ代行サービスを提供する中で、このスプレッドシートの最適化を追求してきました。最後に重要な5つのポイントを確認しましょう。

<5つの重要ポイント>
① 病院データベースは新鮮で抜け漏れの無いリストを使う
② セグメントとターゲットを意識してリストアップする
③ テレアポ管理はスプレッドシートを使う
④ 入力も集計も効率よくできるように項目をつくる
⑤ チーム全体が同じルールで行うことが大切(浸透させるのは根気強く)

これらのノウハウを使ったテレアポリストのテンプレートは、営業コンサルティングサービスの一部として、営業プロジェクト毎に無償で作り込んで提供しています。

同じテレアポリストでもつくり方によって営業効率は上がったり下がったりしますので、ぜひ以上のポイントを取り入れて、今よりももっと多くの成果を創ってくださいね!

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