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【詩】破片(かけら)

一度砕けてしまったひとの心は
病院に行ったとしても
誰かが愛情を注いだとしても
二度と元には戻らない

そんなに心は
簡単なものじゃない

あなたは
いつもさみしく立ち尽くしている
からっぽの笑顔で

あなたは割れた心を抱いたまま
その破片で文字を書いて
かろうじて生きている
ほかにはなす術がない

でもね

誰かに嫌われても
あなたが
自分を嫌うことはない

誰かに見捨てられても
あなたが
自分を見捨てることはない

誰かに傷つけられても
あなたが
自分を傷つけることはない

必要以上に食べるとか、吐くとか
手首を切るとか
たくさんの薬を飲むとか
線路に飛び込もうとするとか

そんなことは、もう、しなくていい

割れた心のまま、生きればいい
破片はいつも光にあたって
きらきらしている

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