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【詩】どこかで

かなしいことがあったとき
涙が出なかったら
夕方
ちょっとだけ思いっきり走る
河川敷の公園とか
誰もいないまっすぐな道とか
さみしいときも
ちょっとだけ思いっきり走る
涙は出ない
たくさんの涙が
頭のうしろでたぷたぷしてる
だから
ぼくという存在が
きみのいのちに映ればいい
ちゃんと、生きています
ここに、います
そう告げることが
ぼくにはできないから
どうか見つけて欲しい
雑踏のなかに
海辺の砂に
木々の葉に
風の向こうに
ひかりのその先に
ぼくは、います
きみのいのちに映るように


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