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【詩】穴

自分の体の中心に
底の見えない穴があって

そこではいつも
轟々と風が吹き荒れていた

それを何かで埋めようと
それを誰かで埋めようと
躍起になって来たけれど

気づいてみたらその穴は
外から埋めるものでなく
内から汲み出すものだった

言葉が生まれる穴だった

それなのに

あなたのことも
私のことも
世界のことも

みんな美しく書きたいのに
私が書くと汚くなってしまう

何を伝えるために
私は生まれたのだろう

儚く消えて行く
言葉たちよ

それでも私は
誰かに何かを伝えようとするだろう

いつも穴の中を
のぞき込んでは


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