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【詩】残骸

愛し合うふたりが、離れ離れになったのは、若すぎたからでした、ばらばらになった魂は、荒野を彷徨い、死にかけました、だけど、ふたりは、また会いました、今度こそ、ひとつになりました、溶け合うほどに、抱いた体は、ひとつになって、もう、見分けがつきませんでした、水になり、砂になり、空気になり、ふたりだけ、ひとつになれるなら、何でもいい、もう二度と離れない、そんな願いは、かなえられたのでした、奇跡は、一度しか起こらないと、決まっています、永遠に、誰にも邪魔されることなく、ただの魂に、ただの塊に、なれるなら、絡めた指から、いのちが流れ込んだ、そのまま引き寄せて、唇を重ねた、たったそれだけのために、何百年も前から、求めていたのだと、このひとを、このひとだけを、このからだ、こころ、許されるならば、自分だけのものにして、衣擦れの音が、暮れかかった日を、閉じる、宇宙がいつ始まって、いつ終わるのか、そんなの、知らないけれど、気の遠くなるような、長い時間、わたしの生も、あなたの生も、泡沫にすぎないかもしれない、だけどたしかに、わたしは生きていた、あなたも生きていた、真夏の日、重ねた唇は、血の味がした、永遠は一瞬だった、遠く、あなたは、わたしのものです、最初から、そう、決めていました、人目に晒さずに、わたしの子宮のなかに、閉じ込めてしまいたい、わたしは生む、何度でもあなたを、あなたを自分のものにできるくらいなら、わたしのからだなんて、毎月流す血、それは、生まれなかった、あなたの残骸、

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