【詩】罪と罰
アンナは人妻でした
若いヴロンスキーと恋に落ちました
ふたりは幸せでした
だっていつも絶望していたから
絶望とは美しい恋です
けれども神は許しませんでした
人びとも許しませんでした
アンナは死にました
人間界から放逐されました
ヴロンスキーは生きていく意味がなくなりました
なぜですか
神は人の顔をしています
人は神です
美しい者たちを裁くのは
いつも下劣な神々です
下劣な神のもと
人は恋をします
そして死にます
魂は永遠に彷徨うばかりで
ときには大義を掲げて戦争をします
笑いながら同じ人間を殺します
いくらでも殺します
戦争は神のくしゃみから始まります
アンナは裁きを受けて死にました
ヴロンスキーもそのうち死ぬでしょう
神に背いた者は
神に忠実な者たちによって殺されます
わたしもいつか殺されます
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