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《心のストレッチ》開催報告(2023.1.24)

《心のストレッチ》とは、成長し続けたいと願うトレーナー、セラピストたちが半永久的に成長し続けられる場。
詳しくはこちら。

今回は、入門合宿を終えたメンバー(Familyと呼ぶ)のHさんと共に行った《心のストレッチ》通常回(3時間)の振り返りを紹介していきます。(本文はHさんの振り返りから抜粋、適宜Facilitatorをしていた平山が注釈を入れています)

今回の課題


①チームにとって価値あるトレーナーとは?

最近は、サポートチームが中盤に差し掛かってきてスケジュールは固定、
試合に出る選手も固定されてきて、
チーム全体として現状維持感が強くなっている。

自分の役割も固定されてきている中で、自分のやっていることに価値が感じられなくなる瞬間や人と比べてむしゃくしゃすることが増えてきている。
監督さんが目指すチームの方向性に対して、自分はどういう立ち位置でどういう価値を磨いて発揮していったらいいのか。

まずは、今の自分の仕事を挙げた。
書き出してみると意外にあった。

次に「価値ある仕事とは?」を考えた。

仕事の対価はお金であることが多いので、
自分がお金を払うものは何かを抽象度高く考えた。

自分でできるけど手間であることもの。そして、今の自分にできないこと、分からないこと。
トレーナーは対人の仕事であると考えると、
それを相手が感じるという前提が大事だと思った。

そこから他のトレーナーと比べてしまうという話から、他のトレーナーの仕事を挙げて自分にはできないこと、自分でもできるけどやっていないことを整理した。

書き出して整理してみると、思っていたよりも(毎日目の前にしていることなのに)自分の役割は あって明日からできることもあるなって感じてスッとした気分になった。

もやもやしているときこそ、一度自分の外側に出して客観的に見てみることで新たな気付きが生まれることがあります。今回も頭で考えすぎてしまっている印象があったので、紙に書きだすことで自分を俯瞰してみてもらうようにしました。それだけでも、自分で気付き、明日からできることもたくさん出てきていました(^^)

平山より

自分の仕事の価値をもっと感じてもらう、チームがいい方向に行くために、チームメンバーともっとコミュニケーションを取るようしていく。

仕事の価値は相手基準なので、
相手が何を大事にしているかをまず知ること
が必要。

そして、自分がチームや選手のために考えていること、やりたいことをもっと深く理解してもらうために種まきとして戦略的に日々のコミュニケーションを取ること。

体育館で楽しそうに雑談することになんとなく罪悪感を感じることがあったり、そのままの自分では相手との距離感がうまく掴めなかったりすることがあるので、そのように自分を設定してみようと捉えると今までよりは楽にコミュニケーションが取れそうだった。

トレーナーとしてチームや監督、指導者に「価値を感じてもらう」ためには、「何を求められているのか」を知る必要があります。自分の価値観だけで考えていても解決策は生まれないもの。チームにいるからこそ積極的にコミュニケーションをとることが大切ですね。

平山より

帰りの電車で誰とでもいい距離感をとっている人の振る舞いと自分自身を比べて整理してみた。
前よりはマシになったと思うけど、まだ人と関わるときに相手を判断していたり、空いている時間にぐるぐると思考が巡って咄嗟にいい反応ができなかったりすることが多いなというのに気がついた。

明日からは自分も含めて「いいところを見るモード」を設定した。

「モードの設定」は環境に適応する1つの手法です。いわゆる、「現場モード」を設定することです。実際には誰しも無意識的にモードが切り替わっているのですが、それを意図的に行うことでよりその場に適した自分でいれるようになります。
なかなかその場になじめていないな、その場に行くのがしんどいな、
という方にはお勧めの手法です。

平山より

②チームにギックリ腰が多い要因の整理、それに対するアプローチ

ここ数ヶ月、数名の選手がぎっくり腰になって
試合に出られないことがあった。
ちょうどこの日の前に監督さんと話していたのもあり、
課題として設定した。

監督さんは抽象的なことにも理解があり、機能的なこと以外の要因が大きいのではないかとおっしゃっていた。

事前に自分で機能面と心理面から要因を考えていたので共有。
平山さんから普通の腰痛の要因と変わらないのではと言われて、
確かにとなった。

ぎっくり腰のメタファーから、急に責任を背負いすぎていることはないかとアドバイスいただいた。

確かにタイミング的に負けが続いていたり、試合での決定率が悪かったりした後になっていることが多い。

またチーム全体として、不満を影で言う風潮が強いので、裏を返せばそれぞれが成績が悪かった時や痛みでプレーできない時に周りを敵のように感じてしまうのではないかと思った。

メタファーとは暗喩のことで、その出来事や事象が持つ抽象的な意味を示しています。《心のストレッチ》では、想定外の出来事から学ぶことを重要視していますが、その意味を考えていくときによく用いる考え方です。今回はそれを応用して、「ぎっくり腰」に対しても西洋医学的な情報の整理とメタファーの両面から考えていきました。

平山より

その様なチームの現状の中で、治療中に愚痴のようなことをこぼされる時、練習を抜けている選手について聞かれた時などは特に自分自身のスタンスが大事だと思った。
一つ目の課題の時と被ることはあるが、自分自身がまず「非の矢印は自分に向けて、相手のいいところを見る」を実行していく。

次にぎっくり腰の治療へ。
まずは屈曲型の腰痛の発生機序を調べてまとめた。
胸椎から股関節までの動きと椎体間の動きを整理。
ミクロでもマクロでもどこかが過剰に動いて危ないという信号が痛みに繋がる。

腰痛の治療のキーワードとしてよく出てくる「安定性」
・四肢を動かす時の起始側である体幹部の固定
 ⇒3次元方向に腹部が膨らんで四肢を動かすときに抜けないか
・局所への負担分散のための脊柱の分節的な動き
(一つ一つが起始であり停止である)
この二つの要素を含んでいるのではないかと捉えた。

あいまいな言葉こそ、丁寧に定義から調べてどのような状態が「安定性」があるのかを具体的に整理することで、評価や運動療法につなげていけます。書籍を丁寧に読み込んで具体的な事象を整理していくことで今まで「知っていたけど活用できていなかった」ことにも気づけます。

平山より

これらを踏まえてアプローチ実施。

今回ぎっくり腰になって回復してきている選手の痛みが腰全体的になってきていることから、筋膜・経絡の観点から実施。

まず前屈動作時に大臀筋や多裂筋を緩ませて疼痛減弱テストを実施。
筋硬結に対して調和。
周囲の皮膚のゆとりを確認。
経絡を辿って皮下の硬さを確認し治療。

「その場」を整えれば短時間で変化を出せるということも実感できた。
いつもはごちゃごちゃと考えすぎているのだ!
今月もレベル上がりました!ありがとうございました!

Facilitator感想

今回は現場トレーナーとしての悩みを自分に向き合うことで気付きを得てもらうことができました。

どうしても悩んでいる時には周りのせいにしてしまいますが、まずは自分が変わることが大切だと《心のストレッチ》では考えています。紙に書きだして自分が変えられることって何かないのか、と一緒に考えます。

また、臨床で困る症例に対しては、西洋医学的な具体的な事象を深めつつ、メタファーや東洋医学、心理面に対しても考えて解決策を考えていきます。

ただ心理的な問題だよね、と終わらせることなく心理面の問題だとしたらどうすることで解決できるのかまで落とし込みます。

今回もかなり具体的なところから抽象的なところまで大きな振れ幅で実施できた回となりました。

平山のFacilitator回は参加者の希望に合わせて日程調整を行って不定期で開催しています。現在は月に2~3回の開催頻度となっており、基本はFamily向けの内容となっていますので、ご興味ある方はこちらの公式ラインを登録して入門合宿やOPEN合宿からご参加ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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