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学園アニメは僕がおくれなかった青春を体験させてくれた

もう10年以上前になるが、僕は『けいおん!』というアニメが大好きだった。

ストーリーは、簡潔に言うと高校で軽音部に入部した主人公含めた女子生徒4人(のちに後輩1人が入部してきて5人になる)の日常を描いている。

上記の通り、特に波乱の展開があるわけではなく終始ゆる~っとしており、だからこそ視聴者側としては安心してゆったりと観ることが出来る。

当時専門学生だった僕は、毎週リアルタイムでこのアニメを観ていて、始まる5分前にはテレビの前に待機して今か今かと待ちわびていた。

どれだけ嫌なことがあっても、これを観ると元気になれた。


この作品では、まさに『誰もが思い描いているであろう部活動の姿』が描かれている。

軽音部として、楽器を買うためにみんなでアルバイトしたり、夏休みに合宿をしたり、学園祭のステージに出演したり。

ティータイムと称して紅茶とお菓子でまったりしながらも、ちゃんと練習して、時には喧嘩もするけれど、最後には仲直りして。

そんな風に、面白おかしく、でも優しい時間を彼女達は画面の中で過ごしていた。


僕はこの作品が最終回を迎えた時、何でこんなに好きだったのだろうかと考えていた。

女子高生の平凡な日常を描いているだけなのに、ここまでハマった理由は何なんだろうと。

そうして思ったのは、きっと僕は自分がおくれなかった青春時代を、彼女達を通じて体験していたのだということ。

僕は部活動に所属はしていたものの、合宿をしたり学園祭のステージに出たり、部員と一緒にバイトしたりとか、そういうことは一切無かった。

何なら部活動自体マジメにやっておらず、サボることもたびたびあった。

僕が理想としていた『青春』をおくることはできなかった。

そこにきて『けいおん』は、そんな僕に青春を体験させてくれた。

もう二度と学生時代に、当時に戻ることができない僕の代わりに、作中の彼女達は存分に青春をおくってくれていた。

画面の外にいる三次元の世界に住む僕は、その中に入ることは決して出来ないけれど、それで十分だった。


青春の形は人それぞれだから何とも言えない部分はあるが、僕の勝手な見解では大多数の人は、自分が理想としていた学園生活をおくれてはいないと思う。

学校を卒業し社会人になってから、「あんな風に過ごしてみたかったな・・・」ともう戻れない過去の理想に想いを馳せる。

そんな方にはぜひ、この『けいおん!』をオススメしたい。

いや、別に『けいおん!』でなくても構わない。今や学園アニメもたくさんあるので、その中から自分が気になったものを観ればいい。

そこには自分がおくれなかった『青春』を、全力で楽しみ笑顔で過ごしているキャラクターがいる。

そのキャラクターに自分を重ねて、あるいは第三者として、『青春』を一緒に楽しんでほしい。

それはきっと、今からでも遅くはない。

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