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本当にやばかったメルカリのデータマーケティングの話 〜b→academy Lesson10〜

オイシックス・ラ・大地CMOの西井さんがチェアマンを務めるb→academyに行ってきました。前回の一休の榊社長が機械学習をご自身で使って顧客行動を予測してる話も刺激的でしたが、今回のメルカリのUSデータサイエンティストチームを率いる野中さんの話は、データサイエンティストチームのマネジメントの話もあってさらに刺激的というか真似できない天上界の人々感がありました。その中でも私的なやばポイントを5つご紹介します。


目次
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(1)USと日本でUIが全く違う理由
(2)メルカリデータサイエンティストのゴール設定
(3)メルカリのグロースハック定義
(4)PVは限りのある資源
(5)機械学習での予測
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(1)USと日本でUIが全く違う理由
・日本では一定の認知がすでにあるため、口コミによって、出品と購入があることや取引の流れなどの、アプリ内で何が出来るか、何が起きるかを、アプリを使う前から知っている方が多く、初見で今の日本のUIを見てもなんとなく使うイメージを持つ人が多い。

・USで苦戦したのは、その日本のUIをそのまま持っていっても、何のアプリかわからない、購入ができることもわからないユーザがいることがわかり、市場環境の違いに対応する必要がでてきた。わからない、購入ができることもわからないユーザがいることがわかり市場環境の違いに対応する必要がでてきた。

 ↓気付き

・市場認知度によってUIの難易度を越えてもらることがある。
・認知度がない市場に、高認知度のUI設計を良しとして投下すると使われないことがある。

 ↓展開

・今までと違う市場に既存サービス、既存アプリを投下する際には、既存ユーザのボーディングがスムーズな要因(ボーディングKFS)が何にあるのかを把握してからマーケティング戦略を作る。

(2)メルカリデータサイエンティストのゴール設定
・分析結果を提示するだけでなく、事業成長に関わる意思決定をどれだけサポートできたかを重要視する。
・上記のことを達成しようとすると、高度なデータサイエンスのスキルよりも、むしろ、ビジネス理解度が高いことが重要。
・メルカリデータサイエンティストは、ビジネスを100%理解している状態にあると考えている。
 
 ↓気付き

・メルカリで評価されるデータサイエンティストは、分析スキルが高いだけでなく事業理解度も高い。
・事業理解度が高いことって、職種によらず重要なのでは。

 ↓展開

・チーム内の事業理解度を確認する。
・山谷ある状況を変えるために、情報の開示、教育を実施する。


(3)メルカリのグロースハック定義
・汎用的な改善にとどまらず、以下のような定義になっている。
 ・サービスに特化した
 ・持続的に成果を上げ続けられる
 ・仕組みづくり
・検索の入力のしやすさをUIで上げよう!という視点の積み重ね、みたいなアプローチはしない。

 ↓気付き

・事業成長のための本質的な仕組みづくりにリソースを集中している。

 ↓展開

・自社事業の主要指標における課題について色んな解決策を行っているが、持続的な成長に寄与する仕組み的な施策がどれか、確認する。


(4)PVは限りのある資源
・お客様がくれるPVには限りがある。
・その発生するPVの中で、どれだけ買われる商品に出会わせることができるか、が肝。
・かといって検索結果でSOLD商品を出さないほうが良いかというと、出品者は値付けのためにSOLD商品の値段を調査していたりするのでセラーとバイヤー双方の良い行動を両立させる設計がメルカリは大事。

 ↓気付き

・限られたお客様時間の中で行ってもらいたいことを行ってもらえるユーザ体験設計が重要そう。
・プラットフォームの場合、役割が違うユーザタイプがいて、それぞれの活性化を両立させる体験設計が重要。

 ↓展開

・今一度、自社サービスのPV状況を見て、そのPV内で最適な購買活動ができるようになっているか、ユーザテストを含めて確認する。


(5)機械学習での予測
・ユーザの購買行動から、今後何日間で次は何を購入しそうかを予測してクーポン配信している。
・当たり外れからラーニングしてアルゴリズムを調整して精度を上げている。
・セラーの活性化については、この傾向のユーザはこういう商品を持ってそうという予測をしてクーポン配布したりしている。

 ↓気付き

・一休のお話でも予測クーポン配布はあったのでこの辺りの施策は機械学習で熱いっぽい。
・機械学習でも一発で当たるわけではなく、サービス毎にアルゴリズムを最適化していくことが重要そう。

 ↓展開

・(そんな技術者は自チームにいないけど・・・)機械学習からの予測販促でチャンスがありそうな箇所がないか調査する。

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いかがでしたでしょうか。
スキルが高すぎ、取得してるデータ量と項目数が膨大すぎ、など、一概に真似できそうにないところは多かったですが、原理原則部分で真似したい点が幾つかあったので試してみます。次回も楽しみ。

b→academy HP
https://bdash-marketing.com/seminar/b-academy/








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