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073 こんなはずじゃなかったのに

大学生の頃、母の誕生日に感謝の気持ちを伝えようと電話をかけたら、体たらくな生活について小言を言われ、ついつい言わなくていいことを言ってしまった。

こんなはずじゃなかったのに。

明日は早いから一杯だけ呑みに行こうと酒場に向かったら、たまたま居合わせた人と会話が弾み、ついつい呑み過ぎて終電を逃したことがある。

こんなはずじゃなかったのに。

好きな女の子の声が聞きたくて電話したはずなのに、相手の面倒くさそうな口調に勝手にイライラし、過去の行動がどうだなど、ついつい相手を否定するような指摘をしてしまった。

こんなはずじゃなかったのに。


未来について考える時、ついつい過去の経験や知識から未来の物語を創造してしまう。

「過去に似たことがあったから、今回もきっとこうなるだろう」や「彼の性格だと、こういう行動をするだろう」なんて。

でも実際に未来を歩んでみると、ほとんどの登場人物が、僕の想像する小さな世界に収まらない、自由な価値観を持っていて、考えもしない行動をする。

だから毎回、予定通り行かずに思う。

「こんなはずじゃなかったのに」って。


会話はキャッチボールが大切だというけど、実際にキャッチボールをしてみると、相手が投げるより前にミットを構えたとしても、そこにボールが飛んでくることはほとんどない。

ボールをキャッチしたければ、相手が投げたボールの軌道を見ながら、ミットを動かさなくてはいけない。


「こんなはず」という意味のない想像を元に悩み苦しむ前に、「こんなはず」なんて価値観は過去において、いま目の前にある事実だけをもとに行動すれば、もっと幸せな未来が訪れる気がするんだけどなぁ。


そうそう、「今日はランチにお寿司を食べたから、夜は野菜中心にするぞー!」って会社を出たのに、たまたま通ったラーメン屋の看板に「冷やし煮干しそば」って文字が踊っていて入っちゃった。

今日は炭水化物ばかりだなぁ。こんなはずじゃなかったのに。


***

-もの-

甲子園名物
「甲子園の焼きそば」

「焼きそばソースはオリバーの一択」だと言い続けてはや10年。
それ以外のソースなんて邪道だと考えていた僕の目の前に差し出された甲子園の焼きそば。

なんやこのソース。

酸味ありすぎやろ。


・・・むちゃくちゃうまいやん。

調べてみるとワンダフルソースという、尼崎のハリマ食品さんが作るソースだそう。スーパーへ探しに行かなくちゃ。

味の好みも、歳を重ねるごとにこだわりが強くなっているけど、これもまた過去の自分を未来に持ち越してるだけなのかもねぇ。

ひとまず当分我が家はワンダフル!


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