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065 恋とフジロック

フジロックに向けて、公式のプレイリストから普段は聴くことのないアーティストを一通りさらい、「良さそう!」と感じたアーティストだけのプレイリストにまとめている。

WitherにCaroline Polache、Cory Wong、Yo La Tengoといった海外アーティストから、YONA YONA WEEKENDERSに優河、オレンジスパイニクラブといった国内アーティストまで、好きな人からすれば「いまさら」なアーティストに魅了されては、プレイリストを膨張させる日々。

何から聴くのか、どう聴くのか。

未知の音楽との出会い。

そう、僕のフジロックは、行くと決めたその瞬間からはじまっているのだ。えっへん。

隙あればプレイリストを再生、隙がなくてもプレイリストを再生。

当日までにしっかり聴き込んで、もっともっと楽しめる自分に変わらなきゃ。


・・・なんてストイックな気持ちとは裏腹に、久しぶりに耳にしたnever young beach、通称ネバヤンと呼ばれるそのバンドが気持ちよすぎて、結局ネバヤンばかりを聴いている。

never young beach

ネバヤンとの出会いは高田渡の「自転車に乗って」のカバーを、どこかのお店でたまたま聴いたところから。

自分の曲のように歌い上げるその曲に興味を覚えてアルバムをチェック。自然体でいて、どこか懐かしいメロディーと素朴な歌詞が、僕の日常にぴったりな気がして毎日のように聴いていたのは数年前の話。

今回、フジロックを機に改めて聴き直して、前にも増してネバヤンの奏でる音楽が、僕の生活に気持ちよく入ってくる事に気づいた。

寝る前も朝起きても、仕事中でさへも生活に溶け込み馴染んでいく。まさに生活音って感じ。あかんあかん、新しい音に触れたいのに。

あなたと二人 川沿いを歩いて
小さな家を買って
何てことのない絵を飾って
何てことのないレコードをかけて
部屋にはピンクのペンキを塗って
庭には犬を走らせよう。

あまり行かない喫茶店で(2015)

なんて素朴な幸せなんだろう。
僕の想う幸せな世界ってこういうことやんか。
賃貸派だし、犬を飼うかは別やけど。

明るい未来のはなし
寒い夜でも君と二人で
ふざけたダンスを踊ろう

いつまでも側にいてくれよ。
君が眠れば 夜は静かで
いつもごめんね 言えやしないから
抱きしめたい

明るい未来(2016)

そうそう、そういう生活したいんだ。
人前ではかっこつけても、二人になったらふざけたダンス踊っちゃう、そう言う関係たまらんよね。

本人の体験談なのか、身近で起きた話なのかわからないけど、本当に優しく、それでいて背伸びしない幸せのカタチがそこにある。

いいね、ネバヤンのラブソング。


恋の歌

誰もが知ってるようなラブソングって、きっと不特定多数の人にとって共感できる歌詞だから売れているだと思うけど、ときに実際の恋愛となると、どこかリアリティにかける歌詞が多い。

そりゃそうだ。

彼氏と彼女(彼氏)それぞれに複雑な感情や生活があって、売れてる曲の世界にあるような「不特定多数の幸せ」よりも、もっとオーダーメイドな「幸せ」がそれぞれにあるはずだから。

そういえば高校時代、24時間365日一緒にいてあげないと死んじゃうんじゃないかって女の子と付き合っている友人がいて、男友達と話すことすら許さない彼女だったなぁ。

お陰で彼とは疎遠になったけど、卒業後すぐに結婚したという風の噂を聞いて、ふたりの世界が僕とはまったく違う価値観で動いてることを知った。

ある先輩は、彼女と約束していることがある自慢げに言ってたっけ。
「21時に毎日電話するってルールだけは守ろう」。
それと「日曜日は必ず一緒にいよう」って。

先輩に「人生、彼女以外にやることありますよ!」って言ったら「高津はまだ愛がわかってないね。愛ってさー」っとこんこんと愛について語られた。

右の耳から左の耳へすぐに抜けていく先輩の言葉に被せるように、頭の中で「あなたの幸せのカタチは僕にとっての幸せじゃないよ」って共鳴させたっけ。


とはいえ、偉そうに言う僕の恋愛感も、けっして褒められたものではない。

彼女が誰といようか誰と遊ぼうが気にしないし、僕も女の子としょっちゅう食事に行く。そういうヤキモチをやかない関係が幸せだと思っているようなふしがあって、それが恋愛がうまくいかない原因になったりもする。

会いたい時に会えばいいし、会えないならそれでもいい。

「まぁお互い適当にいこうよ!好きなのは君だけだし!」そんな感じ。

こんな事書いてたら、先輩からは「いまだに愛がわからないのか!」なんて言われそうだな。

だから、僕がラブソング書いてもきっと共感してくれる人は少ないし、売れることはないんだろうな。

今日も好きに生きてきた。
明日も好きに生きていく。
毎日ちゃんと考えてるよ君のこと
声も聞きたいし
手を繋ぎたいとも思ってる
嘘じゃないよ本当だよ
ただ伝える前に
時間がたっちゃうだけなんだ

好きなんだよちゃんと(2023)/ 作詞:高津祐次

きっとこんな感じ。
あかんな、共感できない自分でも。

でもね、あくまでこれは僕の話。

彼女ができると、その人の生活や価値観がそこに加わって、価値観なんて大きく変化する。誰とも違う二人だけの幸せ。人と比べる必要のない恋の形。

あっ!それを歌詞にしたらいいんだ!!!
けっこういい感じに書けそうな気がする!

誰か作曲頼めない?

あぁ、、でも、、、結局、、ヘンテコな娘のことばっかり好きになるから、結局共感されず売れへんねやろなぁ。


***


-もの-

Issyoni iruyo strap

数年前、Pamojahで衝動買いした色んな言語で何やら書かれたリボンの束。
ストラップになっていて、むっちゃ可愛いからその夏愛用しすぎてボロボロになっちゃった。


ちゃんと読まず、意味なんて考えずにつけててんけど、
ある時飲み屋さんで「Issyoni iruyoって誰と?」って言われてびっくり。

「ほんまや!全部『一緒にいるよ!』って書いてるやん!」

これ自分で買うやつちゃうやん。
絶対誰かにプレゼントするやつやん。

まぁかわいいからええねんけど、なんとなく、その日いじられたのが今でも甘酸っぱい思い出。

estoy contigo!

Sono con te!

Ana maeak!

Am tomara sathe ach!

I'm with you!

誰とや。

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