飲食店が潰れていくパターン

飲食店が潰れていくパターンがあります。

そのパターンを覚えていると、あ、これは潰れるな、とわかるわけですね。実際、潰れる場合は、いろんなパターンがあると思いますが、今日はその内の1つをご紹介。

私は特に飲食店に詳しいわけではありません。なので、実際どの程度当てはまるのかわからないのですが、今から説明する”倒産パターン”を複数回見たことがあるというのは事実です。

まず、第一段階。業態転換するんです。今まで洋食屋さんとか別の業態だったのに、いきなり焼肉店になるんです。

その後、焼肉店をしばらくやって、結果潰れていく。こういうパターンです。

なぜこのパターンで潰れていくのかを考えてみます。実際のところはわからないので(本人から聞いたわけではない)、あくまで推測。

まず、元々の業態がもうかっていなかったことが予想されます。そこで経営者はどう考えるか?可能ならもっと利益率の高い業態に変更したい、と考えるわけです。

そこで出てくるのが、焼肉店。なんといっても(意外と)原価が安い(冷凍保存できるのもメリット)。ロスも少ない。そして、基本、調理しなくていい。お客さんが自分で焼いてくれる。人件費も浮かせられる。加えて客単価も悪くない。アルコールもそこそこ出る。

多分ですが、こう思って焼肉店に転換するんだと思います。で、やってみるわけですが、そう甘くない。

なんで甘くないのか、というと、お客さんは、元々ここは洋食店だったのに、という記憶が残っていることが一つ。また別の理由としては、そもそも焼肉店に適した立地でなかった可能性も捨てきれない。客層も異なる。

当たり前ですが、焼肉店が簡単だと思って、ナメてかかっていることも大きな原因。そんな簡単ではないはずです。簡単に見えるものの方が実は難しいというのはよくある話。

そして転換型焼肉店がうまくいかない最大の理由は、「単にもうけようとしてやっているから」です。お客さんのことなんかまるで考えていない。別に焼肉店がやりたかったわけでもない。

焼肉店という業態がダメなわけじゃないんです。やり方次第ではもうかるわけです。しかし、志に問題があると事業はうまくいかないもの。

そのことを思い知らせてくれるのが、この焼肉店を経て潰れる飲食店の話です。

もちろん、例外もあると思います。焼肉店になって繁盛したという話もあるかもしれません(あってもおかしくない)。必ず潰れると言ってるわけではないです。しかし、同じような潰れ方をした飲食店を何回か見ていると、これはある種のパターンなんだなと思いますね。

飲食店の方で、焼肉店に転換しようと考えている方がいらっしゃったら、再検討された方がいいかもしれませんよ。

そもそも今の業態でダメなのに、焼肉店にすればよくなるという思考回路が危険だと思います。まずは、なぜ今ダメなのか、よく考えるべきです。業態の問題ではなく、経営のやり方の問題であることは明らかだからです。そこを変えないと業態を変えても同じだろうと考えられます。

誤解しないでいただきたいのは、業態を変えてはいけない、という話ではないということです。新しい道路ができたり、周囲の開発が進む、あるいは地域の住民が全体的に高齢化してきた、というような環境(土地柄?)が変化すれば業態転換することが好ましい場合もあります。

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