Zapposについてちょっとだけ
こないだ紹介した「1501 ways to reward employees」の表紙に推薦文があり、それを書いているのが、トニー・シェイという人。台湾系のアメリカ人です。
日本では全然知られていないと思いますが、アメリカのザッポスという会社の創業者です。簡単に言うと靴を通販で売っている会社ですね。今は、アマゾンの傘下です。
本人が書いた本があるので、これを紹介しておきます。「ザッポス伝説」という本で、随分前に出版されています。今見ると、「ザッポス伝説2.0」とかいう続編(?)も出ているようです。2.0は読んだことないです。
ちょっと脱線しますが、経営に関する本は、できるだけ創業者(経営者)本人が書いたものを読むことをお勧めします。第三者が書いた物は、後付けで勝手な分析をしていたりすることがあるからです。
さて、話を戻します。ザッポスという会社は非常に特色のある企業です。なぜこの会社が成長して、注目されてきたのか、本を読んでいただければわかるかなと思います。
何かまとめたサイトがあるかなと思ったので、探したらありました。雰囲気が伝わってきますね。今どきのアメリカンな会社(いい意味です)の一つと言ってもいいでしょう。
人というか人事(?)に特徴があるのは、昨今の成長企業には共通している事項で、ザッポスも該当します。表現が難しいですが、人を中心に考える経営をやっています。
本の中では取引先との付き合い方についても書いてあります。失敗例も書いているので、参考になると思います。少しだけ紹介すると、この会社は仕入先をすごく大事にしています。これ、松下幸之助氏はじめ、リコー創業者の市村さん、キユーピー創業者の中島さん、ほかにもいらっしゃいますが、みんな共通です。
失敗例は、倉庫業務(在庫管理、発送)部分を他社に外注したことが取り上げられていますが、これ以外にも「これ、失敗よね?」と言いたくなることも書いてあります。特別にボーナスを出したあと、人員削減(レイオフ)するとか、私から見ると単純に失敗だと思います。
これは失敗とは言えませんが、急成長した企業は、途中、資金繰りが苦しくなることが多く(運転資金が足りなくなる)、ザッポスも例外ではありません。事実、融資してくれるところがなければ倒産していたわけで、武勇伝としては面白いのですが、こういう部分は真似るべきではなく、教訓として覚えておくべきです。計画的に資金手当をしておくべきだったということです。
大成功した企業は、いいところばかり取り上げられますが、数々の失敗もしているのが普通なので、そういう批判的な視点も忘れないようにしながら読んでもらったらいいと思います。
ザッポスはいい会社と思いますが、いいからといって、ザッポスの企業文化をそのまま真似る必要はないです。企業文化は、やはり創業したその国の文化が背景にあるわけですから、各社で独自に考えればいいので、日本の企業は日本らしい企業文化でまったく問題ありません。アメリカンな雰囲気の会社にする必要なんてまったくありません。そこは間違えないようにしましょう。