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13. 高槻市 西村ゆみ議員 VS 市役所職員

今回の記事は、長文です。


2023年12月14日のことでした。

高槻市議会で、こんな質疑応答が行われたんです。

無所属の西村ゆみと申します。

 障がいのある人もない人も、生きづらさを抱えている人も、みんなで一緒に歩んでいけるまちにしたい、私の政策に基づきまして3点質問をいたします。

 1つ目、学級閉鎖における児童受入れ対応についてです。

 高槻市には2023年10月以降、インフルエンザによる学級閉鎖が相次いで発生しました。

高槻市では学級閉鎖の目安を設けており、
コロナの場合1クラス15%以上、
インフルエンザの場合1クラス20%以上
となっています。

事前に保健給食課でお聞きした情報では、
10月は小学校が46クラスの学級閉鎖、
11月は104クラス、
12月8日の時点で36クラスの学級閉鎖

が発生しています。


学級閉鎖になりますと、突然、明日から3日間閉鎖となりますと、メールが学校から送られてきます

子どもを感染症から守る措置であると理解することはできますが、インフルエンザなどに罹患してないお子さんに対して、休校時の対応に悩む共働き世帯、シングルマザー・ファーザー、障がい児を育てる家族などから悲痛の声が届いております。

https://www.kensakusystem.jp/takatsuki/

※議事録検索で、答弁の文章を「検索」して議事録をご覧ください。
 議事録のURLを、そのまま入力してもページを表示してくれないので、このような形で引用元を掲載させて頂きます。

「学級閉鎖」開始の前日の夕方に、突然メールがきて「明日から学級閉鎖で~す」と知ったときの心臓へのショックといったら!!! 


翌日の生活どうしよう

ということで、子どもの居場所確保のために各方面に協力をお願いしても、ハッキリ言って「嫌がられる」んですよね。



「子どもがいると、子どもが突然の病気、突然の学級閉鎖で仕事に支障をきたされるから迷惑」と思われながら、母親は仕事をしています。

なぜか父親から、そんな気苦労を聞いたことがない私、日本では。


母親が他人から『迷惑な人』と思われながら子どもを育てると、それは子どもに伝わります。子どもは「自分がいない方がお母さんは幸せなんだ」と無意識に思うようになるんですよね~。


話が脱線してしまった(汗)。
西村議員の議会質問のつづきを紹介します。

ある小学校に通っている複数人のお母さんに、今回アンケートを取りました。以下のようなコメントをいただきました。

Aさん:私はシングルマザーで、時給勤務の仕事をしています。学級閉鎖の際は、同居している母が仕事から帰ってくるまでの時間を別の人にお願いをしたため、経済的に大打撃でした。現在補償制度はあるものの、現実問題、補償に対するハードルは高い。とはいえ、まだひとりで家にいさせる不安は尽きません。

Bさん:私は美容関係の仕事をしています。そのため、学級閉鎖になるとお客様に予約の変更をお願いしています。快く変更してくださるお客様もいますが、お断りされることもあります。近くに祖父母はいますが、祖父母も仕事をしています。小さい赤ちゃんのときは病児保育がありましたが、小学校にはありません。仕事の確保と育児のバランスに焦る気持ちとの闘いです。

Cさん:私の子どもは発達障がいがあります。先日の学級閉鎖の際、私が頼まれていた大事なプレゼンをせねばならず、絶対に会社に行かねばなりませんでした。娘は障がいがあり長時間ひとりで留守番が難しく、ママ友にも障がいがあるため頼めません。結果、泣く泣く会社に連れていきました。幸い周りは理解がありましたが、一部の社員から迷惑がられてしまいました。結局、外出しているのであれば感染症予防も何もないと思います。

Dさん:私は、要介護認定を受けている義父の在宅介護をしています。身体的にも精神的にも負担が大きいです。突然の学級閉鎖に伴い、朝から介護をしながら、もしかしたらクラスではやっている感染症がこれから発症するかもしれない娘と義父と同じ空間にいてはいけないと、まだ小1の娘を隔離せねばなりません。最低限しか部屋から出ることができない娘の対応に疲労こんぱいでした。 


アンケートをお願いしたところ、経済的打撃や代替性が不可の方々から複数の意見をもらいました。

私はBさんのケースが当てはまります。

個人で事業をしていると、「仕事の確保と育児のバランス」の悩み無限ループです。子どもが生まれてから、この悩みから解放されたことがない。


「子どもを犠牲にしたくない」けど、そもそも高槻市の状況が酷い、ということもあり、「あなたが子どもの面倒見なくても、子どもの受け入れ先、普通あるやろ」とお客様に思われ、「こちらの誠意の問題、客としてないがしろにされた」と、お客様の信頼を失う場合もあるのです。

結果的に顧客が減り、収入にダイレクトに影響してくることを考えると、「仕事をするべき」のような気がして、子どもが犠牲になります。




西村議員の質問のつづきを読んでみましょう。

学童に預けている親御さんの属性は、大きく分けると、

1、正規雇用、
2、非正規雇用、
3、雇用関係がない自営業者や個人事業主、または家族介護や妊婦さんと分類することができます。 

複数の学童に伺ったところ、エリアによる誤差はありますが、
1の正規雇用は約60%、
2の非正規雇用は30%、
4の雇用関係のない割合は10%です。

アンケート内で特に学童保育を切望されている方々は、非正規雇用と雇用関係のない40%の方でした。

非正規の方々は子育て中により、戦力外とみなされ次回の契約更新では雇用を打ち切られるかもしれない不安や、日々の生活費を稼ぐので精いっぱいと、生活不安が大きい現状があります。

ママさんの中には、どうしても仕事に行かねばならず、小学校1年生の子どもをひとり残して仕事へ行くことがあった。子どもは泣いてベランダで叫んでいたとの声もあり、強く学童保育を希望しています。



雇用関係のない方々は休むと国からの補償はないことに加え、顧客との信頼関係を損なうことにもなりかねません。

介護されている方は、身体的にも肉体的にも打撃が大きい、前日にヘルパー手配は不可能とし、強く学童保育を希望しています。

『小学校1年生の子どもが泣いてベランダで叫んでいる』状況を、どうしようもできずに母親を仕事に行かせる。

こんな社会状況を作り出した高槻市の市長が


大阪の高槻から日本の高槻へ。本市は、今、全国の舞台に躍り出ています。これからは、大阪の一自治体としての高槻から脱皮し、全国の大きな舞台で光り輝く高槻を目指します。」

「私は、この12年間、市議会や市民の皆様との議論を重ねながら、高槻の将来を見据えたまちづくりを着実に推進してきました。

4期目を迎えるに当たり、これまでの実績をベースに、安心と希望を次世代に引き継ぎ、さらなる成長に向けた新たなステージに踏み出すため、私は、

次世代への積極投資、成長基盤の強化、健全財政の堅持を高槻の輝く未来を創造する3つの柱として掲げました。

この3つの柱に基づく挑戦こそが、高槻のさらなる成長と飛躍をもたらすものと確信しています」

と演説したことについて、個人的に承服しかねます。



読者のあなたは、どう思われるでしょうか?


濱田市長の演説については、コチラの記事もご参照ください。


西村議員の答弁のつづきです。

高槻の学童に預けているお子さんの数は3,794人、
非正規、雇用関係のない方々の人数は推定1,515人います。

これだけ困っている方々がいても、我が子がどれだけ元気な状態であっても、高槻では学童も放課後デイサービスも預けることはできません。ほかを頼りたくても祖父母は遠方、ベビーシッターは費用面で諦めざるを得ない家庭も多く、小学生までを対象とした保育サービスを提供している民間の会社も非常に少ないのが実態です。

さらに、障がい児に関しては、ケアの方法が分からないと断られてしまいます。これから寒い季節に突入することから、さらに予期せぬ学級閉鎖が続く可能性も考えられます。

私には目が見えない障がいのある娘がいます。もしも学級閉鎖が起こった当日、議会で採決する大事な日に娘が元気で罹患していなくても、私は欠席しなければいけないのでしょうか。 


そこで質問です。学級閉鎖が起こった際、保育を希望する人、経済的に困る親や家庭、障がい児を持つ家庭、自宅介護をしている家庭など、自宅で隔離できない家庭に対して、例えば、陰性証明があれば学童開放など預かってくれるような環境を高槻市で提供することはできないのでしょうか。    

「学級閉鎖時の学童の解放」って、他市ではやってるんですよ。

西村議員も、そのことを知っているから「やりようがある」ということを分かった上で言っています。


学童が閉まる「学級閉鎖」「警報」。一年のうちで頻繁にありますよね。つい先日も「大雨警報」がありました。


子どもの気持ちを聞いたこともない大人たち、子どもがどこに行ったらいいか困っていても自分が居場所を探す係ではなく、自分の仕事のことだけ考えてればいい大人たちは(きっと男性たちが主なのでしょうか・・・)、「学級閉鎖、大変やな~」くらいなもんで、他人ごとなんでしょうね。

自分達の年金を払ってくれる若者がいなくなったら、不平・不満をいうでしょうに・・・。



というわけで、気になる市役所側の教育次長さんの答弁を見てみましょう。

 学級閉鎖に関するご質問にお答えします。

 市立小中学校における学級閉鎖につきましては、学校保健安全法に基づき、感染症特有の潜伏期間を考慮し、学校内における感染拡大防止のため実施をしております。

 そのような趣旨の下、閉鎖期間中の児童生徒におきましては、発症の有無を問わず、家庭内で安静に過ごしながら健康観察をするようお願いしているところであり、一時的に学校内でお預かりすることは、感染拡大防止の観点から困難であると認識しております。

西村議員が、様々な調査、アンケートを行った上で、市民の実態と生の声を届けているにも関わらず、この「答え方」、どう思いますか?

議員さんの発言は、役所にとって耳が痛くても「高槻市民の声」です。


この役所の答弁が、市民に対する「高槻市役所の姿勢」なのです。



というか、西村さんは今期初当選なんですが、議会傍聴に行ったときに受けた印象は、役所が新人議員を軽視して「新人議員いじめ」をしているようにしか見えませんでした。

あくまでも個人的な感想・印象ですが、それくらい唖然とした。



新人議員、西村氏、めげずに2問目の質問です。

 2問目の質問です。

 感染拡大防止の観点から困難であるとのことですが、他市では学級閉鎖中でも罹患していないお子さんを預かる自治体が増えています

 お隣の枚方市にお聞きした際、小学生であれば有償でファミリーサポートセンターが預かってくれます。東京23区では図書室、学童は開放され、受皿となっています。
子どもを家に閉じ込めておかなくてよかったという声が上がっています。

 高槻市の子育て支援として整備をしてくれませんか。

https://www.kensakusystem.jp/takatsuki/

他市は、対策とってるんだよね。

なんか、「子育てトップランナー」って、市長としての自分の評判を上げたいだけで言ってて、本当に子育てしている親や子どもには、心も体もあって「人として存在している」って実感がないんだろうなーって思う。


でも、それは翻って、政治への無関心が招いたことなのだとも思い、反省もするんだけど・・・。
だから、この記事、皆に読んでもらって、政治を監視してほしい。



さて、お次は「子ども未来部長」がお答えになりました。

学級閉鎖における児童の受入れ対応についての2問目のご質問にご答弁申し上げます。

 ファミリーサポートセンターをご利用の場合は、依頼会員として登録されている方であれば利用可能となっております。

 また、学童保育につきましては、学校保健安全法に基づく学級閉鎖の趣旨を踏まえると、学校と同様に発症の有無を問わず、学級閉鎖期間中の児童の預かりをすることは、感染拡大防止の観点から困難であると認識しております。

 以上でございます。

https://www.kensakusystem.jp/takatsuki/

「教育次長」といい、「子ども未来課の部長」といい、そっけない返答。


もう、気の毒としか言いようがない西村議員(涙)。
最後に市民の声を、ぶつけます。

ありがとうございます。

最後の意見、要望を言います。

高槻市ファミリーサポートセンターでは、罹患してないお子さんの預かりが利用可能であることを初めて知りました。今回のアンケートで複数人のお母さんに聞きましたが、皆ファミリーサポートセンターは知っていますが、そのセンターが学級閉鎖で罹患してないお子さんの対応をしてくれる受皿であることを誰も知りませんでした

そのため、多くの市民は知らないと思います。ぜひ高槻市でもっと告知の周知徹底をしてください。 
ニーズの高いサービスのため、もう一歩踏み込んだ施策を求めます。



感染症蔓延防止の観点から、学級閉鎖の制度の必要性は子どもの安全のためには必要であることは理解しています。しかし、この学級閉鎖の制度は明治の時代から始まっています。
時代的に学級閉鎖しても専業主婦が主流の時代では、生活に大きな影響はなかったと思います。


 厚生労働省が2019年に発表した国民生活基礎調査にて、
18歳未満の子どもを育てるワーキングマザーの割合は72.4%
その内訳は、
正規職員が26.2%、
非正規が37.8%、
その他8.5%です。


これだけ共働きで働いている人が増えているにもかかわらず、学級閉鎖による子どもの在宅看護を前日夕方に通知されても、今後の仕事に一切影響がなく、経済的負担がないという社会では、このような課題は発生しないでしょう。

しかし、その社会の整備には長期間かかるでしょう。




共働き世帯の学級閉鎖と仕事の両立というのは、今、目の前の課題なのです。コロナの蔓延でどれだけの家庭が仕事に影響ありましたか。失職した人も多くありませんか。母親が安心して働けることに不安がある高槻市で本当にいいのでしょうか


現在、高槻市は、令和2年度の10月1日現在の国勢調査によると、12歳未満を育てる世帯が2万1,528世帯と、大変多くの子育て世帯が住んでいます。

そんな子育て世帯が多い高槻にて学校と同様に困難であると高槻市の見解を聞いて、高槻市で第2子、第3子を産もうと、子どもをもっともうけていきたいと思うのでしょうか。
これから結婚する若者が、同じ職場で働いて大変そうに働くお母さんたちを見て、私も産みたいと思うのでしょうか


私は、高槻市における学級閉鎖に対する難しいという答えは、まるでチャイルドペナルティーのように感じます。


チャイルドペナルティーは、子どもを持つことによって生じる社会的・経済的に不利な状況を指します。別名マザーフッドペナルティーとも呼ばれ、母親がこうした状況に陥る可能性が高いことを示しています。

日本では子育て罰とも訳され、広い概念で子育て世代に罰を与えるかのような社会の価値観、政策、企業慣行等を含む場合もあります。




学級閉鎖は仕方のないことなのだ、家族で見ることである。この問題を仕方がないことであり、家族で見ることは平等なのだという考え方こそ経済的な問題に直面するお母さん、お父さんや代替性不可側の仕事をしている立場の方々にとって、まるで罰であるかのように感じます。




チャイルドペナルティーを感じるようなまちのままで、高槻は本当にいいのでしょうか。これが高槻市の少子化の原因の一つではないかと思いませんか。もっと産みたい、子どもがたくさんいても住みやすいまちにならなければ、高槻市が次世代の住みやすいまちに発展するのは難しいのではないでしょうか。

私も今回、事前に議会事務局に相談をしました。もしも娘のクラスが明日学級閉鎖になった場合、私はどうしたらいいでしょうかと。〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇私は子どもを持つ議員としてどう活動すればいいのでしょうか。ぜひ考えていただきたいと思います。

https://www.kensakusystem.jp/takatsuki/

この、〇〇〇〇〇〇になっているカ所、西村議員が「娘のクラスが、高槻市議会が開かれる日に学級閉鎖になったら、どうしたらいいですか?」という内容を高槻市議会・事務局に相談をしたときに、

事務局の方から言われた返事を言った部分です。

すると、その内容が議事録として公開されると「失言」としてバッシングを受ける可能性があったからでしょうか、「発言取り消し」を他の議員に要求され、西村議員が発言を取り消されました。


発言取り消しぃ!?
これこそ、「子育て親に対するハラスメント」「子育て罰」と、個人的には思いました。



子育て罰って何?

さて、西村議員がおっしゃる「子育て罰」とは何ぞや。


西村議員が言ってますね。
「社会の価値観、政策、企業慣行等」が、子育て世帯に罰を与えるかのような社会状況があること。

これが、「子育て罰」。

子どもを愛情深く育てたいと親が思ったとしても、社会がそうさせてくれない。

社会が親を追いつめる。



結果、子どもが追いつめられる。



筆者は、実はヨーロッパから日本に帰って来たのですが、日本に帰国してから、子育て中の親って「社会がいじめやすい存在なんだな」っていうことを本当に肌で感じるようになりました。


だって、子育て、生活するためのお金、やることは何倍にも増えてるけど、一日は皆と同じ24時間だけ。

その中でカツカツで回している状態だから、社会から理不尽な扱いされても、反論する時間もエネルギーもないのが現実

「そんなのあったら、子どもに投入するよ」が子育て世帯の本音。



子育て世帯の要望なんて、ないがしろにしたって「ワーキングマザー」はどうせ市政に文句は言ってこない、って市役所に思われてるんだよね。



だから、私は、このnote記事を書くことに決めたんです。


この実態を皆に知ってほしいから。
私も、調べるまで知らなかったから。。。。。

そして、過去の私のような「政治への無関心」が、子どもたちを苦しめる社会を創り出してしまったのだ・・・、と反省しているから。


ところで、この答弁では、「学級閉鎖時の子どもの居場所」はお陀仏状態です _| ̄|○


2023年12月の時点ではね。

が、しかし、この議題は、3月議会、6月議会、と継続的に話し合われていきます。


ドラマのつづきみたいで、この後、どうなったか、気になるでしょう?

次回の記事でご紹介しますよ♪


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